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「虐待や人種差別を明るみに出す!」アカデミー賞有力候補『プレシャス』の監督が語る

「虐待や人種差別を明るみに出す!」アカデミー賞有力候補『プレシャス』の監督が語る
リー・ダニエルズ監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『チョコレート』のプロデューサーとして名をはせ、監督としても活躍してきたリー・ダニエルズが、現在オスカー戦線で最有力候補にある話題作映画『プレシャス:ベイスト・オン・ザ・ノベル・プッシュ・バイ・サファイア』(原題)について語ってくれた。

 本作は、両親から虐待を受けていた16歳の黒人少女が、先生やソーシャルワーカーの助けを得て、立ち直ろうとする作品。マライア・キャリーやレニー・クラヴィッツなども出演し、シリアスな演技に挑戦している。

 主演のガボレイ・シディベや共演者のモニークから、感情むき出しの演技を引き出すことができたのはリハーサルプロセスにあった。「普段の自分の考えと過去の話を含めて、すべてを洗いざらい俳優たちに話すんだ。その話の中には、昔の僕のドラッグ問題なども含まれている。そうすることによって、俳優たちも無意識のうちに自分たちの話を僕に語り始めるんだ。そしてカメラを回す前には、僕と俳優たちの波長がぴったりと合っているんだよ」とダニエルズ監督。

 『チョコレート』では、黒人女性と白人男性の恋愛を通して人種についての偏見を描き、映画『The Woodsman』(原題)では、幼児虐待をテーマにプロデュース。本作では監督として、両親から虐待を受けた少女の物語を生み出した。暗い題材では資金を集めるのも一苦労だが、「『チョコレート』の成功の後は、高額な製作費で映画を作ってほしいとの依頼もあった。でも僕は自分の信じる道をあえて選択したんだ。そのためにあらゆる人たちから製作費を捻出(ねんしゅつ)するために走り回らなければいけなかったけれど……。でもトーク番組の司会で有名なオプラ・ウィンフリーの助けも得られたし、安いギャラで長期間の撮影にもかかわらず、僕を信じてついてきてくれたスタッフにも巡り会うことができたんだ」と明かす。

 さらに「普通の人々の声を届けたくて、僕は映画を作ってきた。特に虐待や人種差別などを明るみに出そうとしてね。普段すれ違っている顔のない普通の人たちを、ハッキリとした輪郭のある人物に仕立て上げ、それを一般の人たちに気付かせることなんだ。そして、このサファイアの作品を読んだときに、これまで扱ってきた題材との共通点を感じて、明るみに出さなければいけないストーリーだと感じた」と熱く語る。

 体つきや顔を見ると、豪快な黒人監督のイメージがある。しかし実際には柔らかな口調で話すフィルムメーカーである。二人の養子と、男性のパートナーと生活しているそうだ。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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