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わがままで変な老人役の仲代達矢に対して柄本明と淡島千景が辛くあたる

わがままで変な老人役の仲代達矢に対して柄本明と淡島千景が辛くあたる
貫禄たっぷりの仲代達矢

 22日、映画『春との旅』の初日舞台あいさつが映画館の新宿バルト9であり、出演の仲代達矢、徳永えり、淡島千景、柄本明、美保純と小林政広監督が駆け付け、撮影エピソードなどを語った。

 本作は、小林監督が、構想10年、100回以上の脚本の書き直し、また仲代への熱烈な出演依頼を成功させて完成にこぎつけた力作。挨拶では、「掃除のおばさんしかいなかったらどうしようと思った」とおどけて見せたが、「苦労したのは自慢にならないけど、出来上がっても暗闇の中をさまよっている感じでした。でも今皆さんに観ていただいて一番幸せです」と喜びもひとしおの様子だった。

 仲代は、「自分勝手で変なじいさんをやりました。今日は一般のお客様に初めて観ていただきましたが、どうでしたか? 感想を聞くのは怖いような気もします。一生懸命作りました」とあいさつした。150本以上の映画出演を誇る仲代でさえ公開初日は緊張気味。また、「演じた忠男はわがままで迷惑をかける人物。これはもうおもいっきり自分勝手にできるなとわくわくしました。忠男はわたしの実の母に似ている。彼女は温泉に行って『仲代達矢の母です』と言って信じてもらえないだけで怒って帰るような人でした」と話すと小林監督も、「うちの父もわがままでばくちとか勝手放題やっていました」と意外な共通点を明かし、笑い合っていた。

 弟役の柄本が、「大先輩の仲代さんに(劇中で)殴られました。光栄です」というと仲代は、「あなたも(セリフで)ひどいこと言って本当に腹がたちましたよ」と反撃。柄本は恐縮しきりで会場の笑いを誘った。一方、姉役の淡島は、「強い姉だから冷たくつっぱねたりして、かわいそうなことをしましたね」とやさしい言葉をかけていた。

 本作は、元漁師で足の不自由な忠男(仲代)が身の置き所を探すため、一緒に暮らす18歳の孫娘・春(徳永)と二人で親類縁者を訪ねてまわる旅に出るというストーリー。老いをテーマに「生きるとは何か。人間とは何か」を問うヒューマンドラマだ。大滝秀治、菅井きん、小林薫、田中裕子、香川照之など日本映画界を代表する俳優も多く出演し、その重厚な演技は見ごたえじゅうぶん。

映画『春との旅』は5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEIほかにて全国公開


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