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コンペ部門最後の1作品が発表!中国政府が反政府的映画と烙印!強行措置を避けるためのサプライズ!【第67回ヴェネチア国際映画祭】

コンペ部門最後の1作品が発表!中国政府が反政府的映画と烙印!強行措置を避けるためのサプライズ!
王監督も命懸け! - Photo:Harumi Nakayama

 第67回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門のサプライズ・フィルムが現地時間6日に発表され、中国の王兵(ワン・ビン)監督『ディッチ』(原題)が加わり、コンペ作24本がそろった。

 王監督はドキュメンタリー作家として知られ、特に日本では『鉄西区』と『鳳鳴(フォンミン)- 中国の記憶』が、それぞれ2003年と2007年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で大賞のロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞してその名をとどろかせた。『ディッチ』は王監督の初フィクション映画として注目されているが、その内容も衝撃的だ。

 1957年に中国で起こった反右翼論争を題材としており、反革命分子のレッテルを貼られた人たちがゴビ砂漠の収容施設に送られ、“再教育”とは名ばかりの劣悪な環境下で強制労働をさせられた上、多くの人が命を落とした史実を描くもの。王監督はドキュメンタリーでの経験を生かし、中国全土に渡って収容所で生き残った人たちや遺族を捜しだしてインタビューを実施。彼らの実体験を脚本に折り込みながら、約5年の歳月をかけて本作を完成させたという。

 中国史のタブーに触れていることから製作はフランスとベルギーの映画会社が行っており、中国政府の許可を得て出品していない。中国は過去に、政府の許可なく出品した映画や反政府的な作品を上映した映画祭に対して、全中国作品を映画祭から引き上げるなどの強行措置をたびたび行っている。そのような事態を招かないよう、映画祭側はほかの中国映画をほとんど紹介した後、本作をサプライズで上映するという形で対抗手段を取ったようだ。

 王監督は記者会見で、中国史の暗部を描いたことについて「私たちは記憶を呼び起こし、残していきたいと思っている。それが例え、痛みであってでもだ。成功も過ちも史実をこうしてスクリーンで見せることにより、私たちをあるべき方向へと導いてくれると思っています」と毅然と語った。今後、中国政府がどのような対応をするか注目されそうだ。(取材・文:中山治美)


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