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不快?賛否両論!テロリストをコメディタッチに風刺!自爆テロを内助の功でサポートはどうなのか!

不快?賛否両論!テロリストをコメディタッチに風刺!自爆テロを内助の功でサポートはどうなのか!
クリス・モリス監督

 今年のサンダンス映画祭のワールドシネマ部門で最優秀作品賞にノミネートされ、さらにロサンゼルス映画祭の長編部門でも観客賞を受賞した話題作『フォー・ライオンズ / Four Lions』(原題)について、クリス・モリス監督が語った。

 同作は、北イングランドに住むイスラム系の若者4人が、ジハード(聖戦)を掲げ自爆テロを計画し、実行しようとする話。映画は、我々が持つ本来のテロリストの概念を覆し、あくまでテロリストを風刺するコメディタッチで描いたことで、恐怖と笑いが共存し、逆にテロリストの脅威を印象付けることに成功している注目の作品だ。

 製作のきっかけは「まず、テロリスト関連の記事を3年ぐらいリサーチしていた際に、大概のメディアは事件の報告をする内容のものと、テロリストをまるで理解できないエイリアンのような存在としか書いていないことに気付かされたんだ」とテロリストの立場を理解しようとしたところから製作が始まったようだ。

 この映画はクリス監督を含めた4人の白人の脚本家が執筆している。「イギリスに住んでいるイスラム系の多くはパキスタン人で、今回は4人のパキスタン人の若者が主人公という設定になっているため、パキスタンの文化を学ばなければいけなかった。ただ、僕も含めた脚本家全員が白人だから、結局僕が徐々にリサーチをしながらパキスタン人と交流し、友人を作っていくことになったんだ」と単なるリサーチではなく、彼ら(パキスタン人)と親密な付き合いもしていたそうだ。そして「それがストーリー構成を成功させることにもつながったんだ。なぜなら、もし他の3人も同じようにパキスタン人たちと友人となり、それぞれがパキスタン人との交流の話を持ってきていたら、ストーリーがまとまらなかったと思うんだ。最終的に、僕がパキスタン人たちとの交流を基に執筆した脚本のアイデアを、他の3人の脚本家が持つ普遍的な観点と織り交ぜながら、しっかりとした脚本を製作することができたんだ」と語った。ちなみにクリスは、この脚本を10回も改稿しているらしい。

 映画内では、俳優リズ・アーメッドが演じた主役オマールの妻は、二人の間に子供がいるにもかかわらず、自爆テロを行おうとする夫をサポートしているが、「もし仮に、この設定がアメリカ人の兵士で、その兵士が戦地に向かうことに対して急に恐れを感じて、それを妻に告げたが、その妻は、それでも国のために戦ってくるように檄を飛ばしたという設定なら、僕らには理解しやすい設定だろう。ところがこれを、自分がイスラムの兵士であると信じ、他の国で訓練を受け、後に世間で非難されたイスラムの世界を正すために、自爆テロという行為をしようとしている夫を支持してしまう妻の設定だったら、多くの人たちの中では明らかに異常と思われて理解できないんだ。ただ、ここで重要なのは、自分には全く理解できない行為(自爆テロ)としてはいけないことだと思うんだ。それは、人として理解できないことはないからなんだ」と強調した。

 実は同作に対して、ロンドン同時爆破事件の遺族が上映中止の訴えを起こしていたことがある。遺族にとっては生々しさが消えず、不快感を示すことは理解できる。ただ、映画はコメディタッチでテロリストを風刺し、その理不尽な世界を浮き彫りにしたことで、個人的にはこれまでにない反テロリスト映画に仕上がっているように感じられた。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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