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山田洋次監督、震災受け『東京家族』製作延期 2012年春の東京舞台に脚本見直しへ

山田洋次監督、震災受け『東京家族』製作延期 2012年春の東京舞台に脚本見直しへ
山田洋次監督

 東日本大震災を受け、山田洋次監督が4月1日にクランクインを予定していた新作映画『東京家族』の製作を延期し、2012年春の東京を舞台にした物語に脚本を見直すことが発表された。本作は、山田監督にとって、松竹大船撮影所の先輩にあたる小津安二郎監督の名作映画『東京物語』にオマージュをささげた映画で、物語の舞台を今日に置き換え、家族のきずなを描いた映画を製作することが発表されていた。

 今回の決断を、「苦渋の選択でした」と語った山田監督。東日本大震災について、「3月11日以前と以後の東京の、あるいは日本の人々の心のありかたは違ってしまうのではないか」と悩んだ末、「その時点で脚本を全面的に見直した上で戦後最大の災害を経た東京、つまり2012年の春の東京を舞台にした物語をこそ描くべきだ」という決断に至ったことを明かしている。

 『東京家族』には、菅原文太、市原悦子、西村雅彦、室井滋、妻夫木聡、夏川結衣、林家正蔵、蒼井優が出演することが発表されている。今回、東日本大震災を受け、脚本を見直すことになった本作。クランクインは、映画の舞台と同じ2012年の春を予定している。山田監督の描く戦後最大の災害を経た東京は、観客の心に何を訴えかけるのか、期待したい。(編集部・島村幸恵)

山田洋次監督のコメントは以下の通り。

僕はこんな風に考えた

 一年以上の歳月をかけて入念に準備を整え、間近なクランクインを控えてスタッフやキャストの気力が充実しきっていた時、3月11日の大災害が発生しました。
 このままそ知らぬ顔で既に完成している脚本に従って撮影していいのだろうか。いや、もしかして3月11日以前と以後の東京の、あるいは日本の人々の心のありかたは違ってしまうのではないか−僕は何日も悩み、会社ともくり返し相談した結果、それこそ苦渋の選択をしました。撮影を中断して今年の終わりまでにこの国の様子を見よう、その時点で脚本を全面的に見直した上で戦後最大の災害を経た東京、つまり2012年の春の東京を舞台にした物語をこそ描くべきだ、と云うことです。
 来年、ぼくたちは新たな気力を奮い立てて『東京物語』の制作に挑みます。どうか観客の皆さん、ご期待下さい。
山田洋次


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