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菅直人元首相、一人で鑑賞「重い映画だった」 健常児の出生率が15パーセントという『チェルノブイリ・ハート』が訴える放射能汚染(1/2)

菅直人元首相、一人で鑑賞「重い映画だった」 健常児の出生率が15パーセントという『チェルノブイリ・ハート』が訴える放射能汚染
これ以上悲劇が起きないように……映画『チェルノブイリ・ハート』

 今月27日夜、菅直人元首相が東京・銀座の映画館にて、チェルノブイリ周辺の現実を捉えたドキュメンタリー映画『チェルノブイリ・ハート』を鑑賞した。約1時間ほどの本作には、わたしたち日本人が向き合っていかなければいけない現実が詰まっている。鑑賞後「重い映画だった」と話した菅氏をはじめ、「放射能の恐ろしさとは……ここにきてもまだ自分の認識の甘さを知りました」とツイッターでつぶやいた岩井俊二監督など、多くの有名人を震撼させた本作が伝える、衝撃の真実とはどのようなものなのだろうか。

 2004年にアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞した本作は、女流映像作家のマリアン・デレオ監督がチェルノブイリ原発事故から約15年後に周辺地域や病院などの施設を訪れ、事故がもたらしたさまざまな影響を追った作品。タイトルの「チェルノブイリ・ハート」とは、事故後、変形した心臓を持つ新生児が次々に生まれ、放射線による影響と見られることから「チェルノブイリ・ハート」と呼ばれることから命名された。チェルノブイリ事故以来、寄生児の出生率は25倍に膨れ上がった。健常児の出生率は、わずか15−20パーセント。事故後に建てられたという、ナンバーワンホームと呼ばれる、親に捨てられた新生児を保護する遺棄乳児院。小さな病室に、所狭しと並べられている赤ちゃんたちは、いずれも重い障害を持っている。水頭症により脳が頭蓋骨に収まらず後頭部に突出している女の子の赤ちゃん、生後4か月程度の体格の4歳児、彼らを「どうせこれ以上は大きくならない」とまるでモノのように乱暴に扱う看護師の姿。短い上映時間の中、何度も何度も目をそらしたくなるようなつらい現実が登場する。

 映画『チェルノブイリ・ハート』と併映されているもうひとつのドキュメンタリー『ホワイトホース』は、原発から3キロのウクライナ共和国プリピャチに住んでいた若者のマキシムが主人公。当時6歳で被爆した彼が、2006年、20年ぶりに我が家に戻った数分を映し出す。自宅には、彼の子ども部屋や、幼い頃に描いた絵がそのまま残されており、カレンダーは1986年のまま。「親戚が10人もがんで死んだ。放射能と無関係と言われることを僕が信じると思うか? 僕もそれで死ぬ。まったくの犬死にさ」と話すマキシムは、「なにもかも台無しにしやがって!」と叫びながら、カレンダーを破った。1年後、27歳という若さで亡くなったマキシムの怒りは、観客の心を揺さぶる。


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