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園子温、被災地での撮影への葛藤語り、海外メディアから質問集中!『ヒミズ』公式上映【第68回ベネチア国際映画祭】

園子温、被災地での撮影への葛藤語り、海外メディアから質問集中!『ヒミズ』公式上映
園子温監督「今の日本に向けて発信できる映画にしました」-第68回ベネチア国際映画祭 - Photo:Harumi Nakayama

 第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に参加している園子温監督『ヒミズ』の公式会見が現地時間6日行われ、園監督、主演の染谷将太、二階堂ふみらが出席した。

 同作品は古谷実の同名コミックが原作で、両親に見捨てられ、自滅に向かっていく15歳の少年・住田(染谷)と、彼を救おうとする同級生の茶沢(二階堂)の心の旅を描いた問題作。撮影直前に東日本大震災が起こり、園監督が大幅に脚本を書き換えたことが話題になっているが、実際に宮城県石巻近辺の被災地で撮影を行っていたことも明らかになった。梅川治男プロデューサーによると、撮影が行われたのはクランクアップ日の今年5月下旬。スタッフの中で津波被害に遭った方がおり、その家族の協力を得て数時間、崩れた家や流された車が乱立する中でカメラを回したという。

 会見で園監督は「撮影に関しては気を使いました。多くの方に撮影しない方が良いと言われました。でも僕は、ドキュメンタリーを撮っている方々が現地を撮影していて、ドラマを撮っている方は気を使うというのは良くないと思ったので、思いきって入りました。自分の中でも葛藤がありましたけど、ここで(現地に)入らなかったら一生後悔すると思った」と言う。

 また脚本を変更したことについて、「漫画は絶望的なラストシーンだけど、希望を持てるような、今の日本に向けて発信できる映画にしました。10年前に発表された原作なので、現在を意識して変えました」と説明した。

 東日本大震災後、震災を直接描いた作品を観るのは初めてだった海外の記者も多く、会見は震災後の意識の変化についての質問が多く出た。ブラジルの記者から、現在の若者の心境を問われた染谷は「僕は19歳なんですけど、震災があって、日本の若者たちはいろいろ考えたり、すごく悲しい思いをして立ち直ろうとしていたり、今までとは違う思想を徐々に持ち始めていると実感しています」。二階堂も「震災を受けて、改めて自分は何も知らなかったとショックを受けている同世代が多いと感じています。私ももっともっと勉強して知りたいと思った」と自分たちなりの言葉で心境を語った。

 また園監督は、「震災という圧倒的な現実を前に映画を作るということは?」と問われ、「10年前に書かれた漫画の意図するところは、終わらない日常の退屈さ、虚しさみたいなものが若者の意識の中であって、そういうのが原作に描かれていた。しかし、震災以降は「終わらない非日常」が当たり前となってしまった。そういう非日常が日常である日本で『ヒミズ』を作ることが自分にとっては、今まで作って来た映画と全く違うものになったと思う」と映像作家として震災と向き合った結果が作品そのものに表れていることを繰り返し強調していた。 映画『ヒミズ』のワールドプレミア上映は現地時間6日夜に行われる。(取材・文:中山治美)

 映画『ヒミズ』は来春公開


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