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「脱原発」への想いを山田洋次監督、ノーベル賞作家・大江健三郎らが白熱のスピーチ!

「脱原発」への想いを山田洋次監督、ノーベル賞作家・大江健三郎らが白熱のスピーチ!
真剣な表情で語る大江健三郎氏

 今月19日に東京・明治公園で開催される「さようなら原発 5万人集会」に先がけて、ノーベル賞受賞作家の大江健三郎氏、映画監督の山田洋次氏らが、8日、東京都内で「講演会さようなら原発」を行い、脱原発社会への想いを語った。

 福島第一原発の事故発生後、経済評論家の内橋克人氏、ルポライターの鎌田慧氏、音楽家の坂本龍一氏、作家の澤地久枝氏、落合恵子氏、瀬戸内寂聴氏らとともに政府に「脱原発」を求める一千万人の署名運動を始めた大江氏は、福島第一原発での事故を「広島、長崎に続く第三の原爆事故」と語り、「自分たちの手で第3の原爆を落としてしまったのです」と嘆いた。経済産業省原子力安全・保安院は、東京電力福島第一原発1~3号機から、大気中に放出された放射性物質の核種ごとの試算値では、セシウム137(半減期約30年)の放出量が単純比較で福島第一原発は、1945年に投下された広島原爆の168.5個分に相当することを7月に公表。大江氏はわたしたちが自らの手で作り出した負の遺産についても厳しく言及し、「今回の原発事故で、子どもたちは放射性物質を体内に取り入れてしまったがために、将来苦しむことになるだろう、と専門家は言っています。さらに、爆発を起こした原子炉やこれまでの発電を通じて作り出された大量の放射性廃棄物の後始末はわたしらの生きているうちにできるものではない。わたしたちは次の世代に、ただ苦しいだけの、危険なだけの重荷を背負わせることになるわけであります。こういうことをわれわれがやってしまったということは、あの大きい被害体験、または加害体験に根ざして、新しい国、新しい国人としての自分たちの生き方を決めた、その決意をすっかり無駄にしたということではないだろうか? とわたしは思うのです」と会場に向けて問いかけた。

 賛同人である『男はつらいよ』シリーズの山田監督は、この日、講演が行われた日本青年館の地下レストランで会費250円の結婚式を挙げたというエピソードをあげ、「僕が結婚したころを思い出すと、学生運動も盛んで激しく、政治を大きく可能性を信じていました。でも同時に、意見の違いや、主張の違いで激しい議論があったことで、いろいろな派閥に分裂されていたんです。敵を作り、敵同士が罵り合うこともありました。でもいま、“さよなら原発”という大変な課題のもとに、大勢の人が集まっている。この運動はまったく新しいタイプの市民運動になっているんじゃないかという思いがしてなりません。立場を超えて、という言葉は昔から言い古されてはいますが、今こそ本当に、立場や思想を越え、あらゆる人たちが、お役人、学者、そして寅さんに至るまで、『脱原発』というはっきりした意思を持ち、『一緒にやろうよ』という気持ちになってやろうじゃないかという思いです」と力強い言葉で語った。

 「子孫から、未来の子どもたちから、よく頑張ってくれた、という感謝の言葉をもらおうではありませんか」と呼びかけた鎌田氏、「権力と長年対峙してきたわたしは、今、権力が欲しい。福島の子どもたちを、全員疎開させることのできる権力が欲しい」と涙ながらに叫んだ落合氏、この日スピーチをした、5人の有識者が語りかけた熱き言葉は、満員の会場に静かに響きわたった。講演会の様子は、「原発依存」という現代の日本社会に、「言葉」という武器で真っ向から斬り込んだ彼らの言葉に、いま一度耳を傾け、心の中に生まれる答えと向き合ってみてもらいたい。(編集部:森田真帆)


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