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少女映画の旗手・今関あきよし監督9年ぶりの新作はチェルノブイリの原発事故がもたらした少女の悲劇……

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9年ぶりの復帰作に「長かったですね……」、感無量の今関あきよし監督
9年ぶりの復帰作に「長かったですね……」、感無量の今関あきよし監督

 19日、シネマート六本木で映画『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』初日舞台あいさつが行われ、今関あきよし監督、そして本作主題歌を担当するRose in many Colorsが出席、9年ぶりとなった今関監督の新作に感無量の様子の一同だった。

映画『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』場面写真

 本作は、少女映画・アイドル映画の旗手として『アイコ十六歳』『すももももも』といった作品を発表してきた今関監督9年ぶりの復帰作となるが、壇上に登場した今関監督は「長かったですね……。ようやくここまで来ました」と感無量の表情。続けて、Rose in many ColorsボーカルのAlphaも「私たちの『シンデレラ』という曲のPVを今関監督に撮ってもらったのが縁でお声掛けしてもらったんですが、本当に長かったですね」とその意見に同意した。

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 本作は1986年に旧ソビエト連邦で起きたチェルノブイリ原子力発電所事故がもたらす悲劇を描き出した人間ドラマ。もともとは2003年に撮影され、2004年に『少女カリーナに捧ぐ』として完成した自主制作映画だったが、当時、チェルノブイリ原発事故に関心を示す人は少なく、さらに今関監督自身が罪に問われたこともあり、本作の公開は延期となっていた。そんな作品だが、チェルノブイリの事故から25年という節目を迎えたことにより、「この機会を逃したらもう公開できないと思い、映画館は決まっていなかったが(警告の意味も込めて)公開を決意した」と本プロジェクトを再開させた経緯を振り返る今関監督だった。

 しかしそんなときに東日本大震災が起きる。「上映を中断せざるをえないかと思いましたが、今だからこそ上映すべきというスタッフの声に押されて上映を決定しました。(作品の再撮影、編集も)今回の震災も踏まえて、2011年版に変えています」と本作が製作された経緯を語る今関監督。しかし福島の原発事故が深刻化。本作も思わぬ形で注目を集めることになったが、「映画にはいろいろな見方があります。撮影時は日本がこういう状況になるとは思っていなかったんで、正直困惑しています。しかし映画を観ていただいて、考えていただくきっかけになればと思います」と観客に語りかけていた。

 本作はチェルノブイリ原発事故がもたらした悲劇を描く人間ドラマ。主人公カリーナ役には、撮影当時8歳で演技未経験だったナスチャ・セリョギナ。同原発事故により翻弄(ほんろう)される人々の姿が、福島第一原発事故でそれまで営んでいた生活をすべて壊された人々の苦悩に重なる。(取材・文:壬生智裕)

映画『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』はシネマート六本木にて公開中

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