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アカデミー賞候補の短編作品、ユニークな作品目立つ 米で一挙上映

第84回アカデミー賞

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舞台で盛り上がる上映された短編作品の監督たち
舞台で盛り上がる上映された短編作品の監督たち - Greg Harbaugh / (C) A.M.P.A.S.

 21日(現地時間)、ビバリーヒルズのサミュエル・ゴールドウィン・シアターで、今年のアカデミー賞候補の短編アニメと短編映画の上映イベントが行われ、監督とプロデュサーたちの舞台トークで盛り上がった。

 前半に上映された短編アニメでは、大手アニメスタジオ作品には見られないユニークな手法やテーマの作品が目立った。手法で目立っていたのは、クレイアニメ(粘土を材料としたアニメーション作品)の『ザ・ファンタスティック・フライング・ブックス・オブ・ミスター・モリス・レスモア(原題) / The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore』(アメリカ)、太い絵筆で描かれたタッチの『ワイルド・ライフ(原題) / Wild Life(カナダ)、そして、ぬくもりのあるシンプルな線描きの『ディマンシェ(原題) / Dimanche』(カナダ)の3作品。『ア・モーニング・ストロール(原題) / A Morning Stroll』(イギリス)は、同じ物語を3つの年代で別の手法で描き分け、観客を沸かせた。

 また、テーマもユニークなものが多かった今年の短編アニメ。『ディマンシェ(原題)』は、退屈な子ども時代のある一日を描いた作品だったし、『ワイルド・ライフ(原題)』は、カナダの開拓時代の厳しさを甘くみたイギリス人移民を描いた作品で、商業的な作品には見られない個人的な視点が斬新だった。この2作品ともカナダの作品だが、『ワイルド・ライフ(原題)』監督のアマンダ・フォービスが、「こういった実験的な作品が可能な背景にはナショナル・フィルム・ボード・オブ・カナダ というカナダ政府が援助する映画配給・製作の団体の援助が大きい」と語っていたのが印象的だった。

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 後半に上映された短編映画は、テーマもジャンルもバラエティーに富んでいた。昔の親友と25年ぶりの再会を果たした男のドラマ『ザ・ショア(原題) / The Shore』(北アイルランド)、神経質な男がタイムマシンを発明するとどうなるかを描いたコメディー映画『タイム・フリーク(原題) / Time Freak』(アメリカ)、インドの養子縁組の実態を描いた『ラジュ(原題) / Raju』(ドイツ)など、さまざまなジャンルの物語が展開した。

 短編映画は、長編映画に比べ、商業的な規制が少ないため、個人的でユニークな視点や手法が反映されやすい。観客もそれを楽しみにして来た人たちが多いようで、会場は熱気にあふれていた。(取材・文:こはたあつこ)

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