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『ソウ』シリーズのダーレン・リン・バウズマン監督、新作『11-11-11』の描いた悲劇

『ソウ』シリーズのダーレン・リン・バウズマン監督、新作『11-11-11』の描いた悲劇
ダーレン・リン・バウズマン監督 - Jason LaVeris / FilmMagic / Getty Images

 映画『Repo!』や『ソウ』シリーズを第2弾から第4弾まで手掛けたダーレン・リン・バウズマン監督が、新作『11-11-11』について語った。

 同作は、ベストセラー作家のジョセフ(ティモシー・ギブス)は、過去に妻と息子を火事で失って以来精神的に病んでいた。ある日、交通事故を起こしてしまうが奇跡的に助かった彼は、その交通事故も息子が亡くなった時間と同じであることを知り、そのナンバーである「11」に特別な意味合いを感じ始めた矢先、スペインに住む父親(デニス・ラフター)が危篤に陥ったと弟サミュエル(マイケル・ランデス)から連絡が入る。そして彼は、父親がナンバー「11」の怨念にとり憑かれていたことを知り、その謎を解明していこうとするホラー作品。

 ティモシー・ギブス演じる作家ジョセフというキャラクターは、ある意味で脚本家でもあるダーレン監督の映画制作プロセスに似ているのではないかとの質問に「100%でイエスだ。僕はこの映画のために、全く言語や文化になじみのないバルセロナに行ったんだ。そのため、(バルセロナに向かった)このジョセフの行動や言動は、僕の中で感じられたものでもある。さらにティモシー・ギブスは、このジョセフのキャラクターのように実生活で悲劇が起きて、当時ソープオペラ番組のスターであったにもかかわらず、俳優業を辞めてバルセロナで事業をしていたんだ。だからこのキャラクター、ジョセフは僕だけでなく、ティモシーでもあるんだよ」と答えた。

 映画『オーメン』のような過去の作品からの影響については「実はこの映画のオリジナルカットは、映画『ローズマリーの赤ちゃん』のように、時間を掛けて演出された長尺の作品だったんだ。あの『ローズマリーの赤ちゃん』では意図的にスローペースで描かれ、そのような映画が普及していた70年代と今では映画市場が違っている。それに近年では、即時の満足を求め過ぎて、大衆のために編集を余儀なくされているんだ。それでも僕は『エクソシスト』『オーメン』『ローズマリーの赤ちゃん』のような映画が好きなんだ」と教えてくれた。

 映画内でジョセフは、“俺は神よりも悪魔のほうが信じやすいと思っている”と語るシーンがあるが、「僕ら誰もが悲劇を通して悲しみ、苦痛を知る。だが、どれだけ自分の人生の中で幸運が訪れるかはわからない。すると、何か僕らを見守る神のような存在よりも、悪いことや不幸なことのほうが信じやすくなるんだ。だから、神が存在することよりも、レイプ、飢餓、殺人のほうが論理的であるとジョセフは主張しているんだ」と語った。だが、そんな妻と娘を失ったジョセフが変わっていく姿がこの映画の魅力になっている。

 映画は、俳優業に復帰したティモシー・ギブスが熱演し、監督のダーレン・リン・バウズマンが緊張感を保った演出をしている作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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