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加瀬亮、イランの名匠・キアロスタミ監督から「お前の演技なんかもう見たくない」と言われた過去を述懐

加瀬亮、イランの名匠・キアロスタミ監督から「お前の演技なんかもう見たくない」と言われた過去を述懐
本作の奥深さについて語る加瀬亮

 23日、渋谷のユーロスペースで映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』公開記念トークショーが行われ、本作に出演する加瀬亮が出席、イランの名匠アッバス・キアロスタミ監督の演出スタイルを明かした。

 『桜桃の味』などで知られるイランの名匠キアロスタミ監督が初めて日本を舞台に、日本人キャストでの撮影を敢行した本作。これまで加瀬は、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』、ミシェル・ゴンドリー監督「インテリア・デザイン」(『TOKYO!』の中に収録のオムニバス映画)、ガス・ヴァン・サント監督の『永遠の僕たち』など、海外作品にも積極的に参加。そんな経験豊富な彼をしても、キアロスタミ監督の撮影現場は戸惑うことが多かったようだ。

 キアロスタミ監督の撮影スタイルは、前もって役者に台本を渡すことを厳禁するというもの。渡されるのは翌日撮影される分のセリフだけということで、役者たちは自分の演じる役がどのような結末をたどるのかを知りえない。つまりクライマックスや物語の流れなどを逆算して演技をすることが物理的に不可能となり、その映画の中のその時その時の瞬間を生きることが要求されることとなる。

 そこから外れた予定調和な演技が行われた場合、「お前の演技なんかもう見たくない! スクワットをやってろ」と怒鳴られることもあったという。「役者ってどうしても、自分が演じる役をいい人なのか、悪い人なのかと単純に区別したり、このシーンでの感情はこんな感じかなとあたりをつけて演技をしてしまう傾向があるんですよ。でも人間の感情って、状況に応じて移ろいやすいですし、瞬時に変わりやすい。でもそういう感情の演技は、役者ひとりではなかなか作りづらくて。監督にはいろいろな邪念を取り払ってもらいましたね」と現場を振り返る。

 孤独な生活を送るタカシ(奥野匡)。タカシの亡き妻の面影を持つ女子大生(高梨臨)。そして明子を束縛しようとする青年(加瀬)。この3人が出会ったことにより、それぞれの「一方的な愛」「嘘と本当」をめぐるドラマが繰り広げられるようになる本作。加瀬が「この映画について考えれば考えるほど、いろいろな答えが広がる映画」と評する通り、観る人によってさまざまな表情を見せる映画となっており、満員の観客たちも加瀬の言葉から“何か”を受け取ろうと熱心に耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』はユーロスペース他にて全国順次公開中


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