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イランから亡命した監督、3年ぶりの新作はイタリアの至宝モニカ・ベルッチが出演

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亡命生活を続けているバフマン・ゴバディ監督
亡命生活を続けているバフマン・ゴバディ監督

  イラン政府に許可を得ず撮影した前作『ペルシャ猫を誰も知らない』以来、亡命生活を続けているバフマン・ゴバディ監督の3年ぶりの新作『サイの季節』がこのほど、第60回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門で上映された。

 同作品は、イランで30年間獄中生活を送っていた詩人の、生き別れになった妻を探す旅。“マーティン・スコセッシ監督プレゼンツ”作であり、イラン人の妻役をイタリア女優モニカ・ベルッチが演じていることでも話題だ。現在、ゴバディ監督は米国ニューヨークに住んでいるそうだが、撮影はトルコで行い、同様にイランから亡命してきた友人たちが協力してくれたという。

 まるで自身を投影するかのような作品に、ゴバディ監督は「映画監督が映画を作らないというのは自殺行為に近い。だから私はこの映画に挑んだのだが、おかげで私の精神はよりたくましくなり、そして人生を再発見させてくれたと思う。映画は私にとって良薬だね」と、久々の表舞台にうれしさを隠せないようだった。

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 一方ベルッチは、ゴバディ監督との仕事に魅力を感じて出演を決めたそうで「これまでもギャスパー・ノエにフィリップ・ガエル、そしてゴバディと、自分のビジョンを明確に持った監督たちの特別なプロジェクトに参加出来て、私は本当に幸せ」と笑顔を見せた。またイラン人を演じたことについて、「イタリア女性もそうだけど、地中海沿岸で生きる女性たちは先祖代々、様々な困難を乗り越えて培ってきたタフネスさという遺伝子を受け継いでいると思うの。その精神を、私が演じたミナという女性に反映させました」と語り、国籍の違いは関係ないことを強調した。

 また、『サイの季節』は第13回東京フィルメックスでクロージング上映が決定した。2010年に『ペルシャ猫を誰も知らない』のPRで来日しようとした際は、パスポート更新のために一度、帰国しなければならないという非常事態が発生。しかし帰国すれば身柄を拘束される可能性が高かったために更新を断念し、来日をキャンセルせざる負えなかった経緯がある。しかし今回の予定をゴバディ監督に確認すると「もちろん日本に行くよ」と力強く宣言。ゴバディ監督を取り巻く環境が好転している様子がうかがえた。

第13回東京フィルメックスは11月23日~12月2日開催

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