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役者たちも遺体安置所のセットで号泣…映画『遺体 明日への十日間』、悲痛すぎる現場とは?

役者たちも遺体安置所のセットで号泣…映画『遺体 明日への十日間』、悲痛すぎる現場とは?
撮影中、君塚良一監督の話に耳を傾ける西田敏行

 東日本大震災発生直後の岩手県釜石市を舞台に、遺体安置所でボランティア活動をした人々と遺族たちの10日間を描いた映画『遺体 明日への十日間』が今週末に公開される。主演を務めるのは、震災以降、故郷である福島を中心に復興支援活動を続けてきた俳優・西田敏行。「真実を伝える」という思いを基に再現された遺体安置所のセットでは、役者たちが演技を超えておえつを漏らしていたという。

 本作の脚本・監督を務めるのは、映画『踊る大捜査線』シリーズを手掛けた君塚良一。「今までの脚本術、演出は一切通用しないと考えました」という君塚は、「自分の気持ちにうそをついて演技をするのはやめてください」と俳優たちの気持ちを最優先させて撮影を進めた。

 次々に運び込まれてくる、毛布にくるまれた泥だらけの死体。映画の中で繰り広げられる光景は、耐え難い、地獄のような光景だ。だが、西田演じる、元葬儀屋の相葉常夫のモデルとなった釜石市の民生委員・千葉淳さんは、ご遺体に声を掛け続け、体を丁寧に拭き、汚れを取ることで、人間の尊厳を取り戻していった。スクリーンの中でも西田が優しい声で「痛かったね。つらかったね。よく我慢したね」と声を掛けると、目を背けたくなるような痛々しい「死体」が「遺体」となり、嫌悪感や恐怖感はなくなっていく。

 「気持ちにうそをつかないで」という監督からの指示があったからか、本作で俳優たちは、演技を超えた感情の爆発をスクリーンにぶつける。志田未来は、子どもの遺体を見た瞬間にくるりと背を向け、住職を演じた國村隼は読経の途中で声を詰まらせる。君塚監督によると、國村はかなり長いお経を撮影のために習得してきたそうだが、現場で数多く並ぶ遺体を目の当たりにし、何度も声を詰まらせたのだという。

 被災地に住んでいない日本人にとって、3月11日に起きた出来事は、全てテレビを通して見た光景でしかない。だが、遺体安置所で母親と対面する高校生や、娘を亡くした母が小さなひつぎに泣きすがる様子を目にすると、被災した方々がどれほどつらい出来事に直面したのかを、改めて感じることだろう。(編集部・森田真帆)

映画『遺体 明日への十日間』は2月23日より全国公開


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