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2日間のタイムリミット、肌の露出、後ろ姿…予定調和を嫌うダルデンヌ兄弟が明かす演出術(1/3)

2日間のタイムリミット、肌の露出、後ろ姿…予定調和を嫌うダルデンヌ兄弟が明かす演出術
来日したジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟

 『ロゼッタ』『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が来日し、マリオン・コティヤールを主演に迎えた最新作『サンドラの週末』について語った。

一人の女性の「雇用」をめぐるサスペンスフルな2日間の物語

 主人公サンドラは心の病を抱え、休職中に勤務先から解雇を宣告されてしまった女性。サンドラが生活の糧である仕事を維持するには、16人の同僚のうち過半数がボーナスを諦め、彼女の雇用継続に賛成する必要がある。日本の労働法制下ではあり得ない設定だが、「これはアジアとの競争にさらされ、経営状況が悪い小さな太陽光パネル製造会社の話です。大企業なら労働組合との争議になるでしょうが、ヨーロッパでは従業員50人以下の企業なら労組を組織する必要がなく、経営者には従業員の首を切る権利があるのです」(リュック・ダルデンヌ、以下R・D)という。

サンドラの週末
体調不良による休職を経て、職場に戻ったサンドラは上司から突然解雇を言い渡される(C) Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema

 興味深いのは、サンドラが賛成票を得るため同僚たちの自宅を訪問していくストーリーが、週末の2日間限定で繰り広げられることだ。「確かにそのような時間的な短さがこの映画の骨格を成し、緊張感を生み出しています。サンドラにギロチンが下される月曜日に向けて、週末に全ての出来事が集中する構成を考えました」(ジャン=ピエール・ダルデンヌ、以下J=P・D)。さらに、いつものようにシナリオの流れに沿って順撮りをしたが、「これまで以上に編集段階でシークエンスを入れ替える余地がありませんでした。サンドラと同僚とのやりとりの順序や、サンドラの夫が定期的に評決の情勢を報告するシーンが物語の骨格になっているので」(J=P・D)と過去の作品とは異なるサスペンス調の構造について語った。

サンドラの週末
復職するためにボーナスを諦めてほしいと懇願するサンドラに対する同僚の反応はさまざま (C) Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema

サンドラの衣装や歩き方からうかがえる細部への繊細なこだわり

 『少年と自転車』のセシル・ドゥ・フランスに続き、マリオン・コティヤールというスター女優と組んだことに関しては、「アマチュア俳優もスター俳優も皆、自分のイメージにとらわれている部分があるので、リハーサルでそのイメージの監獄から解放するアプローチをとるようにしています」(R・D)と演技指導の基本は変わらないことを説明。そしてコティヤールに対しては「有名なだけでなく偉大でもある彼女は大変な努力家で、作品や他の共演者に多くのものをもたらしてくれました。よりよい演技のために提案を行い、自己批判さえできる人なのです」(R・D)と賛辞を惜しまない。


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