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イアン・マッケラン、93歳のホームズに100歳で亡くなった義母を重ねる

イアン・マッケラン、93歳のホームズに100歳で亡くなった義母を重ねる
93歳のホームズを演じたイアン・マッケラン

 映画『X-MEN』シリーズの名優イアン・マッケランが、新作『ミスター・ホームズ(原題) / Mr. Holmes』について語った。

 本作は、シャーロック・ホームズ(イアン)が探偵業を引退後、人里離れた田舎で養蜂をしながら家政婦(ローラ・リニー)とその息子ロジャー(マイロ・パーカー)と共に暮らしていたが、ロジャーの助けによって、未解決の事件に再び関わっていくドラマ。真田広之がシャーロックと関わる梅崎を演じる。監督は『ドリームガールズ』のビル・コンドン。

 有名なキャラクターを演じることへの懸念について「いつ頃シャーロックを知ったか覚えていないくらい、生まれてからずっと知っていた気がする。シャーロックに関しては本を読み、テレビや映画を観て、舞台も何度か観劇し、さらにジョン・ギールグッドがシャーロック役、オーソン・ウェルズがモリアーティ教授役のラジオ番組も聴いていた。だからいつもわれわれの周りにシャーロックが居たような気がするが、人々がなぜこれほどまで彼に共感を持つのかは、いまだにわからない」と答えた。

 シャーロックの探偵業引退後の設定について「この役は93歳の設定だが、どれだけの人がこの年齢(93歳)で、『後悔したことは(人生で)数回だけ』と言えるだろうか? おそらくほとんどの人々は後悔がたくさんあるはずだ。それにどれだけの人がこの年齢で『(過去の後悔が)何であったかを突き止め、それを自分で処理し、死ぬ前に何か(後悔したこと)を変える』と思うことができるだろうか? 彼は事件未解決のまま、30年前に探偵業を引退し、それまでのシャーロックとは異なってしまった。そんな彼の変化の過程を観客は知ることになる」と語った。

 シャーロックを演じるために参考にした人物は「100歳で亡くなるまでみとった義理の母だ。ある時、彼女の体が弱まり、悲痛な声でわたしに『なぜわたしはまだ生きているの? わたしの友人たちは亡くなったのに、なぜわたしはまだこの世に居るの?」と言ってきた。その時に僕は『あなたがわれわれにインスピレーションや希望を与えることが、あなたの人生の目的で、それは利己主義ではない素晴らしいものだ』と伝えたことがあった。僕はあの言葉と義理の母を思い返しながらこの役柄を演じていた」と語った。

 映画は、家政婦と子供との出会いを通して過去の苦しみをひもとき、前向きに動きだすシャーロックが興味深い。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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