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妻夫木聡出演『黒衣の刺客』のホウ・シャオシェン監督、ニューヨーク映画祭で語る

妻夫木聡出演『黒衣の刺客』のホウ・シャオシェン監督、ニューヨーク映画祭で語る
ホウ・シャオシェン監督

 台湾映画界の巨匠、ホウ・シャオシェン(候孝賢)監督が、現在日本公開中の新作『黒衣の刺客』についてニューヨーク映画祭(53rd N.Y.F.F.)で語った。

 舞台は唐代の中国。女道士、嘉信によって非情な暗殺者に育てられた隱娘(スー・チー)は、13年ぶりに両親のもとに戻ってくる。彼女の標的は、以前の婚約者で今は暴君となった田季安(チャン・チェン)だったが、隱娘は田季安の部下に追われていたとき、難破した遣唐使船の日本人青年(妻夫木聡)に救われる。

 唐代を描くうえで「幸運にも唐の時代を記した多くの書物が保管されていた。大学時代に唐代の伝説や興味深い話を知り、その一つが暗殺者、隱娘の話だった。そんな隱娘の話を今作でリアルに描くうえで、再び唐代を記した書物に回帰した。その中には、例えば銅鏡の製造を唐の政府が支援していたことなども記されていた。さらにその銅鏡の使用方法が、それぞれの王朝や皇帝によって違うのも興味深かった。だが、嘉信などの情報は少なかったため、実際に書物などに記された歴史的な部分を起点にして、さらに自分の想像を膨らませてキャラクターを描いた」と語った。

 セット内や屋外の撮影について「唐代の建物は木造建築で、現在まで保存されているものがほとんどない。そのため、唐代の建築に影響を受け、今でも保存されている建築物を見るために日本を訪れた。当時、日本から唐に職人や遣唐使が派遣され、唐政府のシステムや建築などを学んでいった。今でも京都などの古い建物は、毎年木造の修復作業が行われている。その中に、実際に唐の時代に建てられた建築物があったが、そこは撮影許可が下りず、最終的にはそれに似た建築物で撮影を行った」と日本の建築物が役に立ったことを明かした。

 中国の武侠(ぶきょう)映画の影響について「僕なりの解釈で描いた武侠映画を作りたかった。なぜあえて典型的な武侠映画のスタイルで描かなかったかというと、先ほども言ったが、リアルをできる限り追求したからで、中国の武侠映画のように、人々が空中を飛び回っているような戦闘シーンは、全く考えなかった。むしろ日本の侍映画から影響を受け、人間ができ得る戦闘を描いた」と説明した通り、そのリアルさが戦闘シーンに迫力を与えている。

 映画は、繊細な風景描写と荘厳な音楽、華麗な戦闘シーンなどが融合した完成度の高い芸術作品。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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