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行政からの完全独立を視野に 寄付と協賛での映画祭開催を目指す釜山国際映画祭

行政からの完全独立を視野に 寄付と協賛での映画祭開催を目指す釜山国際映画祭
政治圧力に屈しない姿勢を貫くBIFF - Wonsuk Choi / Getty Images

 行政からの圧力を受けている釜山国際映画祭(BIFF)の2人の執行委員長イ・ヨングァンとカン・スヨンが連盟で2月29日、サポートしている関係者に感謝の言葉と、経過報告を記した文書を送付した。(中山治美)

 2014年のBIFFで、旅客船セウォル号沈没事件を巡って韓国政府の対応の問題点を告発したドキュメンタリー映画『ダイビング・ベル(原題)』を、釜山市からの上映中止要請を無視して上映したことから端を発したこの騒動。以降、映画祭への助成金大幅削減、監査を行い会計の「不正」を指摘し、ついに釜山市がイ執行委員長を詐欺罪で告訴する事態に発展。世界中の映画関係者がBIFFへの支援の声を上げる中、退陣を迫られたイ執行委員長の動向が注目されていた。

 しかし2月18日に、上映中止を要請した当事者でBIFFの組織委員長だったソ・ビョンス釜山市長が緊急記者会見を開き、BIFFの組織委員長から辞任することを発表。後任を民間人に明け渡すことと、BIFFの自主性と独立性を保証することを公言した。ただし、イ執行委員長らはこれはあくまで口約束に過ぎないと判断。そこで2月25日に行われたBIFFの定期総会で 映画祭の自主性と独立性を盛り込んだ定款の改正要求書を、同会メンバー総勢152人中106人の署名を付けて提出した。これに対してソ釜山市長は、「映画祭事務局と相談する」と要求書を受け付けないまま、一方的に総会の終了を宣言したという。

 BIFFの定款では新たな議案が提出された場合、2月25日の定期総会から27日以内に臨時総会を招集しなければならない。それ以上過ぎても対応しない場合は、定款に従い映画祭組織委員会のメンバーが独自に臨時総会を開き、定款改正案の是非を協議により決定出来るという。イ執行委員長らは文書で「我々は、表現の自由を侵す、いかなる政治的圧力に屈することなく、我々の権利を守るためにも戦い続けます。これはほんの始まりに過ぎません」とコメントを寄せている。

 本来なら2月25日の定期総会で、イ執行委員長の進退問題も協議される予定だったが、持ち越しになった。しかし関係者によると、定款改正案を通すことを優先しており、それが実現できればイ執行委員長は現職からの辞任も考えているようだ。定期総会では本年度の収支予算案123億ウォン(1ウォン=0.09円換算。約11億700万円)が可決されたが、BIFFは助成に頼らずに協賛や寄付で運営し、行政からの完全独立を視野に入れているという。


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