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ユダヤ人大量虐殺に関与した人物を裁く世紀の裁判を放送したテレビマンの活躍を映画化

ユダヤ人大量虐殺に関与した人物を裁く世紀の裁判を放送したテレビマンの活躍を映画化
舞台あいさつで制作意図やドラマ化について語ったローレンス・ボーウェン

 ナチス元将校で、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)に深く関与したアドルフ・アイヒマンを裁く“世紀の裁判”をテレビ放送するという、史上初のプロジェクトに挑んだテレビマンたちの実話を描く映画『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』公開を記念し、プロデューサーのローレンス・ボーウェンが来日。24日、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町での舞台あいさつで、制作意図やドラマ化について語り「今も宗教対立や紛争を続けている私たちは、アイヒマンと同じ差別感覚を、明日の朝、ふと感じて始めているかもしれません」とメッセージした。

 1961年、テレビプロデューサーのミルトン・フルックマン(マーティン・フリーマン演じる)と、撮影監督レオ・フルヴィッツ(アンソニー・ラパリア)は、終戦から15年経って身柄を拘束されたアイヒマンの裁判をテレビで放送し、ホロコーストの真実を世界に伝えようと計画。身の危険を感じながら、4か月にわたり撮影された映像は、アメリカ3大ネットワーク他、世界37か国で放映され、ドイツでは人口の80%がこれを観たといわれる。

 テレビドラマを多く手がけ「英国アカデミー賞」やNHK主催の「日本賞」で受賞歴のあるローレンスは「あの裁判映像の陰で、彼らテレビマンが活躍したという事実は、現代にホロコーストを記憶するための新しい手法になると思いました」と制作の動機を話し、「マーティンとアンソニーら、経験豊かなキャストに恵まれたのも幸運でした。マーティンとは16年来の付き合いで、彼の最初のテレビドラマは私の作品なんです」と誇らしげに明かす。

 「なぜドラマと記録映像をミックスさせる方法を選んだか」という、進行役の野中章弘氏(ジャーナリスト)の質問に、ローレンスは「テレビマンについての記録が残っておらず、ドキュメンタリーにできなかったのが理由ですが、ドラマ化したことで、観る人の感情に、より訴える作品になったと思います。ただしホロコーストに関する映像は(作り物でなく)すべて本物。アイヒマンが裁判で見た映像も同じものです」とドラマと記録映像の区別には注意したことを明かした。

 最後に「アイヒマンとはどんな人物だったと思うか?」と野中氏が聞くと「私個人は、法廷での彼は、普通であることを演じていたのではないかと思う」と答えたローレンスは「イギリスで一番のホロコースト研究家デビッド・セゾラーニ(David Cesarani)に同じことを聞いたことがあります。彼は『ナチはユダヤ人を人間以下の存在だと本当に思っていた』と言っていました。今も世界中で差別や紛争がありますが、本作は、人間性とは何か、悪や暴力とは何かを考えることのできる作品になったと思います」と力強く語っていた。(取材/岸田智)

映画『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』はヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国で公開中


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