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塚本晋也監督『野火』は戦後70年の記念で終わらない(1/2)

塚本晋也監督『野火』は戦後70年の記念で終わらない
今後へ向けた熱い思いを明かした塚本晋也監督(右)と音楽家石川忠

 塚本晋也監督が、映画『野火』ブルーレイ&DVDのリリースと、代表作7タイトルを初ブルーレイ化する「SHINYA TSUKAMOTO Blu-ray SOLID COLLECTION」発売を記念するトークショーを、15日、タワーレコード渋谷店で行い、塚本作品のほぼ全作で音楽を担当する音楽家・石川忠と、自作と音楽の関係について語り合った。さらに、塚本監督は「去年は戦後70年でもあり『野火』に大変な反響をいただいた。でもそれだけで終わってはしょうがない。71年以降もずっと『野火』がかかるようにしたいと思っています」と、今後への熱い思いも明らかにした。

 「『鉄男 TETSUO』(1989)で“鉄の音楽ができる人”を探したら、石川くんと知り合って、それ以来。あのときは“鉄”というコンセプトしかなかった」と二人の出会いを話した塚本監督に、石川も「当時は映画音楽のセオリーなど、まるで知らず、監督の音の入っていない映像(ラッシュ)を見て“画のパワーがすごい、これに負けない音楽を”ってだけ考えていました」と応じ、トークはスタート。

 塚本監督は「ぼくが27(歳)で、石川くんは22くらい? 音楽の打ち合わせは、血管が切れるかと思うほど集中して、高揚感もすごかった。最近は少し体の危険を感じ、長い付き合いで“あうんの呼吸”です」と笑顔で話したあと「『鉄男 II BODY HAMMER』は終末的で静謐な感じ、『TOKYO FIST』はタテノリ、『BULLET BALLET バレット・バレエ』では哀感を出したいとか、無理なお願いをしました」と自作の音楽的イメージを明かす。さらに「悲しいシーンに悲しい音楽をつけないのが、お互い共通の感覚だった」と塚本監督。

 ただ今回の『野火』は異例だったようで、塚本監督は「(舞台の)戦場では突発的に何が起こるかわからない。ドラマも感情も淡々と進むようにして、最初は音楽のない映画を考えていたんです。でも一度、画を編集したあと、音楽が鉄砲の玉みたいに突然飛んできたらどうだろうと考えて(音楽を)つけることにした。だから音楽は『鉄男 TETSUO』とは全く逆の関係になったと思う」と、製作秘話も披露した。

 最後に塚本監督は「去年は『野火』でたくさんの映画館(50館以上)を回り、学生の方から手紙や作文をもらい、僕自身も感動しました。ずっと原作に惹かれ、美しい自然の中で、人間はなぜこんな戦争をするんだろうと思いながら撮ったんですが、戦後何年ということでなく、これからずっと観ていただきたいし、その必要があると思っています」とメッセージ。今夏予定で『野火』の製作をまとめた書籍の出版も準備中。また6月に、代表作7作をニューHDマスター・初ブルーレイ化する「SHINYA TSUKAMOTO Blu-ray SOLID COLLECTION」が発売される。


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