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熊本に映画届けたい!熊本のNPOが上映映画募集

熊本に映画届けたい!熊本のNPOが上映映画募集
(左から)片山精次郎さん、成瀬ひとみさん、事務局スタッフの2人

 4月中旬に熊本県を中心に起こった地震は、九州の映画文化にどのような影響をもたらしているのか、熊本県上益城郡にある山都町で活動する映画上映グループ「NPO法人山都町よい映画を観る会」事務局のメンバーがインタビューで語り、同時に被災地で上映できる映画がないか呼びかけた。

 沖縄県および離島を除く九州の真ん中となる「九州のへそ」に位置する山都町。ここは、日本最大級の石造りアーチ水路橋「通潤橋(つうじゅんきょう)」や、江戸末期から伝わる清和文楽などで知られる阿蘇山麓のスポット。その山都町で、およそ43年にわたって映画の上映活動を続けてきた映画グループが「NPO法人山都町よい映画を観る会」である。

 グループが拠点にしているのは、町立の図書館ホール。こちらでは、35ミリ映写機、16ミリ映写機、さらにはDCPシネマプロジェクターも完備しており、映画のデジタル化にも完全対応。シネコンで上映されるような最新の映画であっても上映が可能となっている。さらに来場者を驚かせるのが、ドルビー7.1chがもたらす音のクリアさと包囲感。すべてのスピーカーをEV(エレクトロボイス)のSX300で統一しているため、音の移動も非常にスムーズ。「お金を取るからには、きちんといい環境を提供しなくてはいけない。公共の施設で、ここまでの環境で映画が観られるところは少ないと思う」と自負する同会の片山精次郎理事は、「今後は爆音上映がやれないか模索しているところ」と笑ってみせた。

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映画上映が行なわれる山都町立図書館

 震災の影響については、「ここは岩盤に直接、鉄骨を打ってあるため大丈夫でした。地震の後も映写機が何ミリかずれた程度で済みました」と語る片山理事。それゆえに、県内のほとんどの映画館が再開のめどが立てられない中で、5月5日の『母と暮せば』(山田洋次監督作)上映会を予定通り決行することを震災後にいち早く宣言した。もともとこの地域はシニア層が多く、山田洋次作品の関心も高いと見られていた。しかし、当日の集客は伸び悩んだという。成瀬ひとみ事務局長は「やはり震災の影響はあったと思います」と認めたものの、「それでも、今までと変わらずに上映を続けることに意義がある」と決意を語る。

 熊本県内には7つの映画館があるが、現在、営業しているのは、熊本市でミニシアター系の作品を上映するDenkikanと、天草市の本渡第一映劇のみ。県内各地のシネコンは特に被害が大きく、夏が過ぎても再開のめどが立てられない劇場も出てくるのでは、と言われている。「これはつまり、おじいちゃん、おばあちゃんから子どもたちまで、しばらくの間、一般の娯楽映画を観られん環境にあるということ。幸いにもうちには最新の映画を上映する設備は整っている。もし映画会社の皆さんから、上映の協力依頼なんかがあれば、熊本の映画文化のライフラインとして喜んでお手伝いしたいと思っています」と片山理事が語ると、成瀬事務局長も「こういう時だから、子どもたちには怖い時間を忘れさせてあげたいんですが……」と付け加えていた。(取材・文:壬生智裕)


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