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青木崇高、実在の犯罪者たちの手記をヒントに役作り

青木崇高、実在の犯罪者たちの手記をヒントに役作り
映画『雨にゆれる女』で別人として生きる名もなき男を演じた青木崇高 - (C) 「雨にゆれる女」members

 過去を隠して生きる寡黙な男と謎めいた女の愛をサスペンスフルに描く『雨にゆれる女』で映画単独初主演を果たした青木崇高が、その徹底した役作りについて明かした。

 本作は、国内外で映画音楽を手掛けてきた半野喜弘が、音楽のほか脚本・編集までも手掛けた映画監督デビュー作。独特な雰囲気をまとった味わい深い作品となっており、青木も「すごく力強いですよね。シンプルな色の強さ、陰影の強さとか」と完成品の映像美への驚きを見せる。人との縁を大事にしてきた青木は、2002年の俳優デビュー直前に旅行先のパリで偶然出会った半野と2012年に東京で再会したことから、一緒に映画をつくろうと声をかけられた。「場所も国も年月も越えての再会がきっかけだからこそ、過去と現在と出会いがテーマの作品にもなったんじゃないかなと思います」。

雨にゆれる女
どんでん返し的クライマックスも見もの!(C)「雨にゆれる女」members

 青木の演じた主人公は、ある過去の罪から「飯田健次」という偽名を使って別人になりすましひっそりと生きてきたが、突然現れた謎の女性(大野いと)と惹かれ合い、過去が明らかになっていく。「表面上は黙っていても、内面ではいろいろとうごめいているときの感情をどこまで出すのか、かなり考えました」と寡黙で抑えた芝居に積極的に取り組み、目の動きから他人との距離感の取り方まで、表情やしぐさなどの加減を細かく監督と話し合いながら演じた。

 主人公の心情を理解するためのヒントとして、素性を隠して逃走を繰り返していた犯罪者の手記も読んでいる。犯行自体を別にすると、逃走中の心情や行動には本作の主人公と共通するものを感じ、「一人で逃走するときに働く感情というものは、ある程度人間誰もが共通するもの」と分析した結果、自身の素直な感情を芝居に使える感触を持ったという。

 また、劇中に登場する木製玩具のジェンガは、主人公が一人でやっていたことを体感すべく、クランクイン前に自ら手彫りした。「その作業の中で考えたり、無心になるしぐさも板につくだろうし、作品に気持ちを捧げ、映画が求めているものに寄り添えると思った」という青木は、そうして役を育てていったことで、「撮影の前も最中も、相談すれば監督は即答してくださいましたし、健次の気持ちや精神のつながりを一つ一つ確認して、役の心を追いかけながら演じることができました」と、確かな手応えがあったようだ。

 今回のような抑えた芝居から、『るろうに剣心』シリーズのような体格を生かしたアクションまで幅広い演技力を持つ青木は海外進出にも意欲的で、英語で芝居をするための訓練も積んでいる。それは「別の言語での芝居は、役柄の気持ちを文法から砕いて自分の言葉として話すことになるので、初めて芝居をしたときの原点に立ち戻るような面白さがある」からで、普段の芝居にも生かされているという。今年はプライベートでの大きな変化もあり、現在の充実ぶりには今後へのさまざまな波及効果が期待できそうだ。「一年前には結婚なんて考えてもいなかったですし、いろんな心境の変化は絶対出てくると思いますから、何か自分の人生が面白いエリアに入ったなと思っていますね(笑)」。(取材・文:天本伸一郎)

映画『雨にゆれる女』は11月19日よりテアトル新宿にてレイトショー公開


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