東出昌大の半歩ずれた人柄 『寝ても覚めても』原作者&監督、明かす
映画『寝ても覚めても』(9月1日公開)原作者の柴崎友香と濱口竜介監督が、24日に都内で開催されたトークイベントに出席。一人二役で主演を務めた東出昌大のキャスティングの理由や、「半歩ずれた」人柄を明かした。
第32回野間文芸新人賞に輝いた同名小説に基づく本作は、東京で暮らすヒロインの朝子(唐田えりか)が、ある日コーヒーを届けた先で出会った亮平(東出)と、2年前に大阪で運命的な恋に落ちた麦(東出)、瓜二つの男性の間で揺れ動く姿を描出。第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。
柴崎から映画化を望んだ理由を聞かれた濱口監督は、原作を読んだときのことを「今まで全然こういう小説だと思わずに読んでいたな、みたいな。その不意を打たれる感じがあった」と述懐。また「ラストまで読んでいくと、驚きの連続であるということがあって、本当に最後まで面白く読み終えたんですよ。読み終えた時に、その時そんな身分ではなかったですけど、映画にしたいなって思ったんです」と明かした。
柴崎は一人二役を務めた東出について「ここにいるんだけど、同時に別の世界も見ているみたいな存在感がありますよね」と分析。濱口監督はこれに同意しつつ東出に、亮平・麦がハマり役だったことをアピールした。「(東出が出演した映画)『桐島、部活やめるってよ』を観たり、テレビのバラエティー番組で話している東出さんを見て、いい兄ちゃん的なイメージの方が強くて。亮平役に、めっちゃ合っているんじゃないかと。見た目という点でも、麦でも全然いけちゃうみたいな気持ちでいた」
また「僕が東出さんをすっげー好きだということを前提にして言うと、何か噛み合わない瞬間っていうのはあります(笑)。今、その話ですか? みたいな気持ちになることはあって。ちょっと、半歩ずれている感じ」とも。これを受けた柴崎は「そう! 半歩なんですよね。全然違うとか、すごく浮いているんじゃなくて、何かちょっとだけずれているみたいな感じがありますよね」と笑顔で同意していた。(岸豊)