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矢口史靖監督、新作ミュージカル映画の選曲のこだわり 歌詞とシーンがシンクロ!

映画『ダンスウィズミー』より(三吉彩花、宝田明、やしろ優)
映画『ダンスウィズミー』より(三吉彩花、宝田明、やしろ優) - (C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会

 『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』など音楽映画としても秀逸なヒット作を生んできた矢口史靖監督と、製作プロダクション、アルタミラピクチャーズの桝井省志プロデューサーが、新作ミュージカル映画『ダンスウィズミー』(2019年夏公開)。本作において、矢口作品ならではの曲のセレクトやこだわりを明かした。

【写真】『ダンスウィズミー』撮影風景

 男子高生たちのシンクロナイズド・スイミングを題材にした『ウォーターボーイズ』では、フィンガー5の「学園天国」、シルヴィ・バルタンの「あなたのとりこ」、プラターズの「オンリー・ユー」など洋邦混ぜたポップなナンバーが登場。田舎の女子高生たちがジャズバンドを組む『スウィングガールズ』では「ムーンライト・セレナーデ」(ミッチェル・パリッシュ/グレン・ミラー)、「シング・シング・シング」(ルイ・プリマ)、「A列車で行こう」(ビリー・ストレイホーン)などのジャズの名曲を、上野樹里貫地谷しほりらキャスト自ら演奏し話題になった。

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ダンスウィズミー
左からchay、三吉彩花、矢口史靖監督、やしろ優

 催眠術にかけられ、音楽を聴くといつでもどこでも踊り出してしまう体になってしまったヒロインの受難を描く最新作『ダンスウィズミー』では、「タイムマシンにおねがい」(サディスティック・ミカ・バンド)、「Tonight~星の降る夜に~」(山下久美子)、「狙いうち」(山本リンダ)といったJポップが主に用いられ、音楽を担当する GENTLE FOREST JAZZ BAND が編曲するという。

 「もともと矢口作品は劇伴が短いのが特徴」だという桝井氏。「矢口さんの作品は楽曲が効果的に用いられているので劇伴が入る隙がないんです。『スウィングガールズ』も劇伴は合計15分足らずでしたし、『サバイバルファミリー』では劇伴なしでいこうと話していたぐらいで」

 今回、GENTLE FOREST JAZZ BAND が音楽を担当したのは、矢口監督のジャズへの思い入れの強さによるもの。「『スウィングガールズ』の時に矢口監督がジャズにはまって、キャストが劇中で組んだバンド『スウィングガールズ&ア・ボーイ』がライブを行い、矢口監督ご本人も『矢口史靖とスウィングレディース&ジェントルメンwith岸本ひろし』というバンドを組んだくらいで。ですから、今回もジャズをイメージしたサウンドになると思います」

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 なお、選曲については「中途半端に新しい曲だと映画が公開されたときに『それ、もうちょっと古くない?』と思われてしまうので、あえて古めの曲に。僕の世代(50代)ぐらいの人間が知っていて、口ずさめて、振りつけも何となくできるというような曲を選びました。ご存知ない若い人からすれば“新曲”になるでしょうね」

 とりわけ1980年代に音楽ユニット Sugar が発表した「ウエディング・ベル」は、“くたばっちまえアーメン”など強烈なフレーズを用いて、他の女性と結婚してしまった恋人の結婚式に招待された女性の心情を赤裸々につづったもの。矢口監督は「あの歌詞に合わせたシチュエーションが展開していくのですごいシーンができると思います」と語っており、このシーンに象徴されるように、曲の歌詞とシーンの内容がシンクロしているのが本作の特徴だという。

 念願のミュージカル映画に挑むも「ドラマからミュージカルシーンに切り替わる瞬間」の編集作業に頭を悩ませ続け、ミュージカル映画のハードルの高さを思い知ったという矢口監督。歌にダンスに猛特訓を重ね、全編吹き替えなしで臨む三吉彩花をはじめ、お笑い芸人のやしろ優、シンガーソングライターのchay、名優・宝田明ら多彩なキャストが繰り広げるパフィーマンスに乞うご期待!(取材・文:編集部 石井百合子)

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