黒木華、柄本佑演じる不倫夫は「チャーミング」
女優の黒木華が25日、都内で行われた映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』完成報告会に来場し、柄本佑演じる不倫夫について「けっこうチャーミングだと思いました」と印象を語った。この日は柄本、金子大地、奈緒、堀江貴大監督も来場した。
TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018 で準グランプリに輝いた企画を映画化した本作。不倫を題材にしたマンガを描き始めた妻・佐和子(黒木)と、そのマンガの夫婦が自分たちに似ていることから自らの不倫がバレたのではないかと不安に陥る夫・俊夫(柄本)の姿を描き出す。
本作は堀江監督が自身の結婚をきっかけに夫婦の物語に興味を持ち、そこから不倫に対する復讐という作品のテーマが生まれたという。劇中で佐和子が描いているマンガの内容が現実とシンクロし、やがてうそと真実が交錯するようになるという内容に、黒木も「まず単純にストーリーが面白いなと思いました。登場人物が魅力的ですし、佐和子さんと俊夫さんの関係性が気になって。最初はゾクッとしながら読んでいました」と振り返る。
一方、妻の担当編集者である千佳(奈緒)と不倫関係になる俊夫を演じた柄本は「監督とも話したことだけど、とにかく100%俊夫が悪い。俺が招いたことだからしょうがない」と全面的に夫側に非があることを認めつつ、「でも監督は、映画を観終わった後に単純に俊夫が悪いだけでなく、どこか人間味のあるような、こんなやつじゃしょうがないなというところまで持っていきたいと(言っていた)。バカ正直な俊夫さんは明らかに不倫には向いていなくて。なんかのはずみでそうなってしまったんだという風に演じれば、監督の言う俊夫像に近づけるのかなと思いました」と役づくりについて解説した。
そんな俊夫について黒木が「わたしはけっこうチャーミングだと思いましたけどね。本当に(不倫に)向いてないじゃないですか。だけど右往左往している姿がかわいらしいですね」と語ると、柄本も「憎めないだろ」と笑いながら返してみせて、会場を笑いに包んだ。
さらに「不倫を題材にして、なかなかここまで気持ちいい作品はないですし、黒木さんがある決断をしたときに突き進む爽快さもあります。ドロドロする要素はたくさんあると思うんですけど、そこを突き詰めずに、ある種、偏らない王道な方向に監督がやっていったと思います」と語る柄本は、本作のキャッチコピーを「爽快! 快活! 健康的!? 不倫ムービー」と名付けたという。
その言葉に金子も「佑さんがおっしゃった通り、不倫を題材としているのに、全然ドロドロしていなくて、ポップで観やすいです」と同意。奈緒も「脚本を読んだ時からお話が面白いと思いました。マンガと実写がどういう風に切り替わっていくんだろうとワクワクしていました」と感じたといい、「この映画だったら、不倫を題材にしているけど、家族でも観に行けるんじゃないかと思いました」と笑いながら付け加えた。(取材・文:壬生智裕)
映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は9月10日より全国公開