ムロツヨシ、緊急事態宣言下で初主演映画封切り「いつか満席で…」
俳優のムロツヨシが23日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演映画『マイ・ダディ』(公開中)の初日舞台あいさつに登壇。緊急事態宣言下で、半分しか観客を入れられなかった劇場内を見渡し、「いつか絶対に満席でまた上映したい」と誓った。舞台あいさつには中田乃愛、奈緒、永野宗典、金井純一監督、MCとして本多力も登場した。
映像企画とクリエイターの発掘プログラム「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で準グランプリに輝いた企画「ファインディング・ダディー(仮)」を映像化した本作は、妻に先立たれ、男手ひとつで娘(中田)を育ててきた牧師・御堂一男(ムロ)が、娘の病気発覚という事態に直面する物語。ムロにとって映画初主演作となる。
映画を鑑賞したばかりの観客の前に立ったムロは「2021年9月23日に映画が公開となりました。その席に座っていただいてありがとうございます。上映後ということで、いろんな感情が渦巻いていると思いますが、そんな中、普通のムロツヨシが出てきて、映画を観た後の感情を壊さないか心配です」と切り出しつつ、「マスコミさんや、カメラさんが来ると、どうにもふざけないと気が済まないたちなので、ここからふざけます」と冗談めかしてあいさつ。妻役を務めた奈緒も「旦那さんが思い切りふざけられるように、わたしと娘は真面目にお話ししたいと思います」と笑いながら続けた。
映画初主演ということで「この日を迎えらてうれしく思います」としみじみ語ったムロは、映画を観てもらうことにあらためて「うれしい」という思いを感じつつも、ソーシャルディスタンスのために客席が一席空けの状態となってしまったことに「これは満席なんですけど、(実質的には)満席じゃないですよね。もちろんしょうがないことなんですが、悔しいですよ」と正直な思いを吐露。「だから少しでもこのご時世が落ちついたら、どんな手を使ってでも劇場を満席にして。その景色をほかのキャストやスタッフにも見せたい、初主演男です」と決意を語った。
最後には「私ごとで恐縮ですが、役者を目指して26年目、芸というものを始めて25年目になります。初めて主演という立場を背負わせていただいて、舞台あいさつができるようになりました。皆さんのおかげです。公開されたのが緊急事態宣言中ですが、それを悲観するのではなく、こんな状況だからこそプラスにしようと思っています」と語ると、「今日は半分の席でありますが、来年だろうが、10年後だろうが、絶対に満席の状態でまた上映することを約束させてください。その時までは違う作品で、あいつの作品だったら観てやるか、あいつ満席好きなんだからしょうがねえなというふうに思っていただいて。これからも映画、ドラマ、演劇などでメッセージを届けたいと思います」と客席に熱く呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)