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ウルトラマンゼロから12年 土屋太鳳、特撮ヒロインは「ヒーローの宿命を代弁する」

土屋太鳳、特撮への愛を語る 映画『大怪獣のあとしまつ』インタビュー » 動画の詳細

 東映と松竹が共同で製作・配給する空想特撮エンターテイメント映画『大怪獣のあとしまつ』(2月4日全国公開)でヒロインを演じる土屋太鳳。現在も様々な役柄に挑戦し、芝居の幅をさらに広げつつある土屋は、キャリアの代表作の一つとして特撮映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010)が挙げられる。まさに「特撮作品への凱旋」とも言える本作だが、その気持ちはいかなるものだろうか。土屋が幼少期から観て育ってきた特撮作品への深い愛情、そして最新作の撮影秘話を語った。

【動画】特撮愛が止まらない!『大怪獣のあとしまつ』土屋太鳳インタビュー

ウルトラマンと仮面ライダーに夢中!溢れる特撮愛

特撮愛は誰よりも強い! - 写真:高野広美

 『ウルトラマンゼロ』でヒロイン・エメラナ姫を演じた土屋は当時、特撮の何たるかがわからなかったという。「ウルトラマンや怪獣に対して、もっと大きく感情を表現しないと負けてしまうと、現場で助監督さんから教えていただきました。その言葉は今も自分の中でとても大切にしています」。

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 『ウルトラマンゼロ』は松竹で配給され、今回の『大怪獣のあとしまつ』との不思議な縁を感じるが、土屋は東映の特撮ヒーロー作品にもまた思い入れがあるという。「仮面ライダーアギト」(2001)では、ヒロインの風谷真魚(秋山莉奈)に感情移入して観ていたそうで、「『ウルトラマン』シリーズのヒロインは防衛隊に所属するプロフェッショナルで、いわばヒーローと同業者。だけど、真魚ちゃんはごく普通の一般家庭で育った日常的なヒロインだったんです」と特撮ファンならではの視点で分析。また、「超光戦士シャンゼリオン」(1996)も自身のブログに思いを綴るほどのお気に入りで、「『シャンゼリオン』も大好きでした! 主人公が都知事選に出馬する話(第26話「闇の騎士、出馬!」)とか面白かったですね」と溢れる特撮愛を語った。

特撮ヒロインはヒーローの宿命を代弁する

環境大臣秘書官を演じた土屋(右)- (C) 2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

 古今東西数多くの特撮映画が作られてきたが、倒された怪獣の後始末をどうするのか……。そんな独自の視点に切り込んだのが『大怪獣のあとしまつ』である。土屋は「怪獣が登場する作品はたくさんあるけど、ヒーローが倒したり、どこかへ連れ去ったりと、“その後”が描かれることはまずなかったですよね。その“あとしまつ”に注目して物語にする切り口がまずはすごいなと驚きました」と独特なアプローチに関心を寄せていた。

 本作で土屋が演じるのは、環境大臣秘書官・雨音ユキノ。「知識も豊富で意思も強く、目の前に積まれて行く課題を沈着冷静に解決していくプロフェッショナル」とその役柄を説明すると、「特撮作品のヒロインはヒーローの宿命を代弁することがあるのですが、後半で主人公のアラタに向けて感情を伝えるためにも前半では冷静さを意識して演じました」と役づくりにおいても自身が観て育った特撮作品の経験が生かされたという。「特撮作品には常に大事なことがたくさん描かれていて、もちろん、まだまだ理解できてない部分もあると思うけど、“理解したい”という気持ちは人一倍強くあるつもりです」と謙虚な姿勢も忘れない。

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 『シン・ゴジラ』(2016)しかり、社会的背景が色濃く表れる特撮作品。本作の撮影は2020年3月にクランクインしたものの、新型コロナウイルスの影響で約1年延期されたこともまた、土屋にとってより一層作品を忘れられないものにした。「道路が封鎖されて誰もいないシチュエーションでの撮影があったのですが、実際、街の中から人がいなくなり、『あれ、そういうシチュエーションの撮影をしたのに?』と。偶然だとは思うのですが、改めて特撮作品はその時代を表しているんだなと思いました」。

 現実ではあり得ない事象を映像化するのが特撮作品の醍醐味であり、怪獣もまた現実には存在し得ないものである。本作に死体として登場する怪獣「希望」は全長380mと設定されており、これは邦画史上最大であるという。「『大きすぎるだろ!』と突っ込みたくなるくらいです(笑)。ウルトラマンだとだいたい50mくらいですが、380mなんて想像を遥かに超える大きさです。その迫力は是非スクリーンで観てもらいたいと思います」。

 撮影に際しては、実際に怪獣の皮膚の一部分が作られたが、演じる側はその全体像をイメージし、あたかもそこに存在するかような芝居を求められる。そこに説得力がなければ、それこそ「負けてしまう」のである。『ウルトラマンゼロ』から12年、特撮作品に凱旋した土屋が見せてくれる最新の特撮ヒロイン像に期待したい。(取材・文:トヨタトモヒサ)

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