『トップガン』続編、敵国が明確でないワケとは?
日本でも興行収入43億円を超える大ヒットを記録している映画『トップガン マーヴェリック』。アメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、通称「トップガン」を舞台にした作品だが、劇中に登場する“敵国”がどこなのかは明確にされていない。
本作は、トム・クルーズをスターダムにのし上げた出世作『トップガン』36年ぶりの続編。主人公マーヴェリック(トム)は、かつて自身も厳しい訓練に挑んだトップガンに教官として戻ってくることになる。トムとは2013年の映画『オブリビオン』でもタッグを組んだジョセフ・コシンスキー監督がメガホンを取った。
コシンスキー監督が米Vultureのインタビューに答えたところによると、「敵の顔や名前を見せず、あいまいにしたのには、大きな意図があった」という。「なぜなら、それはこの映画が描こうとするものではないから。これは競争の映画。友情や犠牲、1作目で描いたのとすべて同じものを描いている。だからとても意図的だったんだ」
本作は当初、2019年に公開される予定だったが、製作の遅れや新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なって、幾度の公開延期を余儀なくされた。コシンスキー監督は「もちろん、われわれはこの映画を2018年に作ったので、世界は変わってきている。でも、われわれは『トップガン』という映画が何なのかにフォーカスした。戦争映画というよりは、スポーツ映画なんだ」と明かしている。(編集部・中山雄一朗)