「舞いあがれ!」由良先輩を演じる吉谷彩子、福原遥は「今まで会った人類で一番いい子」
連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、ヒロインの“憧れの先輩”である由良冬子を演じている吉谷彩子。劇中、先輩後輩という関係を演じているヒロイン役の福原遥について「今まで会った人類で一番いい子」と絶賛している。
連続テレビ小説の107作目となる「舞いあがれ!」は、1990年代から現在を舞台に、ヒロインの岩倉舞(福原)が大空に舞いあがるという夢に向かっていく姿を描く物語。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育むことになった舞の成長が描かれる。
吉谷ふんする由良は、人力飛行機「スワン号」のパイロットを務める大学2回生。女性で初めて大西洋単独横断飛行に成功したアメリア・イヤハートに影響を受けてパイロットに志願したという背景を持つ。舞に空を飛ぶ楽しさを教えることになる、重要な役どころとなる。
朝ドラへの出演は「ゲゲゲの女房「梅ちゃん先生」に続いてとなる吉谷。「“朝ドラ”への出演は3回目になりますが、長期間しっかり出演するのは今回が初めてです。オーディションを受けたときに、田中(正)監督から『年下は好きですか?』と言われて、私は先輩役かなと思ったんです。そして、実際に話がきたときに、あこがれの先輩の役だと聞いて、やっぱりそういうことだったのかと思いました(笑)。かっこいい女でいなければということでプレッシャーもありましたが、うれしさの方が大きかったです。気が強い女の子の役は過去にもありますが、情に厚くて、姉御肌のかっこいい先輩というのは初めてだったので、役作りは難しかったです」と振り返る。
アスリートを演じるのも初めてということで「やせすぎると後々のエピソードで困るため、体力や筋肉量を増やそうと思い、運動量を増やして筋トレすることにしました。役が決まってからすぐに自転車を購入して、行ける範囲はほとんど自転車移動にしました。人力飛行機のペダルはかなり重くて、しかも漕ぐペースが決まっています。体験してみたのですが、すぐに息が上がってしまいました」と苦労を語る。
「私は中学、高校と陸上部で、種目は短距離だったのでちょっと違うところもあるのですが、努力の積み重ねや、自分との戦いという意味では、由良と重なる部分がありました。実際の機体はとても繊細で操作が難しく、持ってはいけない部分や強く引いてはいけない部分があったので、『壊してしまったらどうしよう!』と緊張しました。しかも、機体の中がとんでもなく暑くて。ロケは5~6月でしたが、サウナ状態でした。風がすき間からしか入らないので、撮影時は中に風を入れてもらったりしました」
大学生になった舞が夢を抱き、成長していく姿を目の当たりにする由良。「『なにわバードマン』編は、舞がパイロットを目指すきっかけになります。みんなが舞の背中を押して舞が少しずつ成長していき、みんなで支え合う、熱い友情が見どころです」という。また、ヒロインを演じる福原については「とってもいい子です。今まで会った人類で一番いい子。あんなにいい子は見たことがないぐらい」と明かす。
「本当に大好きです。私が少しじんましんが出たことを話したら『ビタミン摂ったら良くなるかなと思って持ってきました』とサプリメントを持ってきてくれました。そんな彼女だからこそ、私自身も、由良としても、彼女を支えていきたいなという気持ちになり、しっかり役に反映できました。由良を演じることができたのは彼女のおかげだと思います」
今後の展開について、吉谷は「最初、由良は舞に対して『何こいつ?』と思っているし、舞から見ても由良のことは怖い印象しかないと思います。でも、由良の舞に対する気持ちは回を重ねるごとにどんどん変化し、ただの後輩ではなく親友に近い存在になっていきます。舞の頑張りを見て、由良も気持ちを動かされてどんどん深まっていくというところが、結構いいグラデーションに仕上がっているのではないかと思います」と語っている。(編集部・大内啓輔)