シネマトゥデイ

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チェック:数々のヒット作を作り出してきた三谷幸喜が、およそ17年ぶりに書き下ろした小説を自ら映画化した群像喜劇。本能寺の変で織田信長が亡くなった後、織田家後継者と領地配分を決めるために、柴田勝家や羽柴秀吉らが一堂に会した清須会議の全容を描く。役所広司演じる勝家と大泉洋ふんする秀吉の主導権争いを軸に、それぞれに思惑を秘めた登場人物たちが駆け引きを繰り広げていく。そのほか佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、西田敏行ら豪華キャストが勢ぞろいする。

ストーリー:本能寺の変によって織田信長が亡くなり、筆頭家老の柴田勝家(役所広司)と羽柴秀吉(大泉洋)が後見に名乗りを上げた。勝家は三男の信孝(坂東巳之助)、秀吉は次男の信雄(妻夫木聡)を信長亡き後の後継者として指名し、勝家は信長の妹・お市(鈴木京香)、秀吉は信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方にする。そして跡継ぎを決めるための清須会議が開催されることになり、両派の複雑な思惑が交錯していく。

清須会議
(C) 2013 フジテレビ 東宝

映画短評

  • なかざわひでゆき
    派手なチャンバラや合戦シーン抜きでも堂々たる時代劇は作れる
    ★★★★★
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     清須会議というあまり映画向きとは思えない題材をピンポイントで選んだ着眼点は面白いし、柴田勝家サイドと羽柴秀吉サイドの駆け引きと腹の探り合いを軽妙なユーモアで描いていく脚本の洒脱さも三谷幸喜作品ならではの醍醐味。滑稽なくらいの親しみやすさと冷徹な計算高さを兼ね備えた策略家・秀吉を演じる大泉洋の巧さにも舌を巻く。

     ただ、これは過去の三谷映画にも言えることだと思うのだが、細かく入り組んだ人間模様や小話の類を盛り込みすぎたせいで、2時間18分の上映時間がさらに長く感じられてしまう。総勢26名という豪華キャストも正直なところ多すぎだ。もちろん、そのこだわりが功を奏する場合もあるのだが、今回は残念ながら無駄に感じられる部分が少なくない。

     とはいえ、つかの間の平和の裏に垣間見える戦乱の世の厳しさをしっかりと描いている点はさすがだし、時代劇という新たな分野に挑戦した攻めの姿勢も評価すべきだと思う。細部までこだわり抜いたセット美術や絢爛豪華な衣装も見ごたえ十分。派手なチャンバラや合戦シーン抜きでも堂々たる時代劇は作れる。そのことを証明した意義は大きい。

  • 中山 治美
    オールスター映画の魅力と落とし穴
    ★★★★
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     初監督作『ラヂオの時間』(97)からわずか6作目。今や宮崎駿監督に続く日本映画界のヒットメーカーとなった三谷幸喜監督の面目躍如たる作品だ。歴史を動かした重要な会議とはいえ、映画にはなりにくい題材を豪華キャストで、かつ大規模なセットを組んで製作出来る監督はそうはいない。
     ただ基本は会議出席者である柴田勝家、羽柴秀吉ら4人の心理劇だ。これは、三谷監督の史実をもとにした舞台「国民の映画」などでも共通しているのだが、脇役により着目し、さらに自身が知り得た小ネタをこれでもか!と盛り込む傾向がある。ゆえに作品は長くなり、冗長なシーンも生む。編集で調整したくとも、著名人を起用しているためカット出来ない。また総勢26人の実力差は歴然だ。゛オールスターキャスト゛は観客を惹きつける反面、役者にとっては残酷な行為でもあるのだ。
     そんな中、安定の役所広司や小日向文世らは想定内として、特出しているのは大泉洋。人心掌握に長けた秀吉役がキャラクターに合っていることもあるが、映画『アフタースクール』や『探偵はBARにいる』など、ここ数年、濃密な仕事をこなし、実力と自信を付けた男の顔がそこにある。

  • 森 直人
    ブラックVer.大泉洋の「人たらし」処世術
    ★★★★
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    ハンパない安定感である。日本映画のメインストリームにおいて信頼の作家ブランドを確立している三谷幸喜だが、ここまでの安全走行は監督第6作にして初めてではないか。

    『THE 有頂天ホテル』から始まった美術監督・種田陽平とのタッグも、『ザ・マジックアワー』のシュールな実験などを経て、極めて平易な融合に落ち着いている。またコメディ仕立てのディスカッション劇は、初期の脚本作『12人の優しい日本人』にしろ三谷の得意ジャンルだろう。

    こう書くと無難なだけの作品に思われそうだが、加えて決定的なフックがある。それは秀吉を演じる大泉洋だ。彼の起用は「なぜ、いまさら秀吉?」という疑問を吹き飛ばしてくれる。

    本作の秀吉は要するにチャーミングな「人たらし」である。敵となる相手にも単に攻撃するのではなく、陽気さとサービス精神で柔らかく包み込んでしまう。そして大泉自身が、こうして芸能界をサバイバルしてきたのではないか?と、彼の処世術を重ねて想像してしまうのだ。ただし大泉が善玉だとすると、秀吉の場合は完全に腹黒い知略。同軸でくるっと裏返したキャラを得たことで、俳優・大泉洋は内在するカリスマ性を最大限に発揮した!

動画

映画『清須会議』特報映像

ポスター/チラシ

  • 映画『清須会議』ポスター
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  • 映画『清須会議』チラシ
    チラシ
  • 映画『清須会議』チラシ
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  • 映画『清須会議』チラシ
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スタッフ

監督・脚本・原作:
製作: 石原隆 / 市川南
プロデューサー: 前田久閑 / 和田倉和利
アソシエイトプロデューサー: 清野真紀
ラインプロデューサー: 森賢正
撮影: 山本英夫
照明: 小野晃
録音: 瀬川徹夫
音楽: 荻野清子
編集: 上野聡一
テクニカルプロデューサー: 大屋哲男
VFXスーパーバイザー: 田中貴志
スクリプター: 山縣有希子
衣裳デザイン: 黒澤和子
装飾: 佐藤孝之
キャスティング: 杉野剛
助監督: 片島章三
製作担当: 斉藤大和

キャスト

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  • 第1回京都国際映画祭が19日、京都のよしもと祇園花月でクロージングセレモニーを迎え、同日に行われた三船敏郎賞授賞式に出席した俳優の役所広司が喜びのスピーチをした。 ...けて、現代の三船として選出したのが映画『清須会議』『蜩ノ記(ひぐらしのき)』など多くの作...

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  • 『清須会議』を見た【映画】三谷幸喜監督が役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、浅野忠信らオールスターキャストで贈るコメディ時代劇 from カフェビショップ (2014年6月30日 20時48分)
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  • 「清須会議」 from ここなつ映画レビュー (2014年2月19日 16時37分)
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    ■ ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞清須会議 2013年/日本/138分 監督: 三谷幸喜 出演: 役所広司/大泉洋/小日向文世/佐藤浩市/妻夫木聡 公開: 2013年11月09日 公式サイト 天正10年、織田信長は天下統一を目の前にしながらも、本能寺の変にて命を落とす。信長の長男、信忠も討ち死にし、筆頭宿老の柴田勝家と丹羽長秀は、尾張清須城に宿老たちを集め、織田家の跡目と領... ...[外部サイトの続きを読む]
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    得意のコントを封印。結果、自滅。 ...[外部サイトの続きを読む]
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