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蜩ノ記(ひぐらしのき)

公式サイト:http://higurashinoki.jp/
蜩ノ記(ひぐらしのき)
(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
製作年:
2013年
製作国:
日本
日本公開:
2014年10月4日
配給:
東宝
カラー

チェック:直木賞作家の葉室麟のベストセラー小説を、『雨あがる』『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が映画化した人間ドラマ。無実の罪で3年後に切腹を控える武士の監視を命じられた青年武士が、その崇高な生きざまを知り成長していく姿を師弟の絆や家族愛、夫婦愛を交えて描き出す。過酷な運命を背負いながらもりんとした主人公に役所広司、その監視役の青年には『SP』シリーズの岡田准一。そのほか連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の堀北真希や、ベテラン原田美枝子が共演を果たす。

ストーリー:7年前に前例のない事件を起こした戸田秋谷(役所広司)は、藩の歴史をまとめる家譜の編さんを命じられていた。3年後に決められた切腹までの監視役の命を受けた檀野庄三郎(岡田准一)は、秋谷一家と共に生活するうち、家譜作りに励む秋谷に胸を打たれる。秋谷の人格者ぶりを知り、事件の真相を探り始めた庄三郎は、やがて藩政を大きく揺るがしかねない秘密を知るが……。

蜩ノ記(ひぐらしのき)
(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会

映画短評

  • なかざわひでゆき
    崇高な魂の宿った美しき日本映画
    ★★★★★
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     耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ。愛する者のために進んで自らを犠牲にし、身分や立場に関係なく礼節を重んじ、限られた時間の中で与えられた役割を全うする。しかし、己の正義は決して曲げない。お家の体面を保つため、言われなき罪で切腹を命じられた誇り高き武士の姿に、果たして彼のような立ち振る舞いが出来るであろうかと、思わず自らに問うてしまう。まさに身を律せられるような作品だ。
     四季折々の美しき日本の原風景に目を奪われ、情感溢れる音楽に胸を揺さぶられる。役所広司ら演者たちの佇まいも素晴らしい。日本人の心、武士道の精神というものに思いを馳せながら、悔いなく生きるということについて暫し考えさられる。

  • ミルクマン斉藤
    音楽の不器用っぽさもまた黒澤譲り(笑)。
    ★★★★
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    障子が開け放たれたまま右筆たちが並ぶ広間、その前面に降りしきる雨。寺の山門を正面から捉える矩形の構図。ぴしっとした空気を醸し出す端正な画面、デジタル変換されてはいてもはっきり判る35mm撮影に小泉尭史の帰還を強く思う。こんなにも公明正大を貫きつつ嫌味にならない彼のような作家は日本映画界にひとりくらい居ていい。チャンバラがないこの時代劇のクライマックスが、少年ふたりの交流とそこから派生する“敵討ち”だというのにもまた粛然とさせられるじゃないか。しかし演技者として出色なのは“いわば悪役”を演じる串田和美。悪い奴ではないのだが、のらりくらりと権力にくっついてのし上がった信頼のおけなさが絶妙。

  • 清水 節
    気高い精神が染み入る“老成した黒澤映画”こそ小泉映画の真髄
    ★★★★
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     思わず居住まいを正してしまう。残された時間の身の処し方という『生きる』の命題。人間性を学ぶ絆としての『赤ひげ』の荘厳。だが物事の白黒が明解だった師・黒澤明とは異なり、水墨画のような味わいだ。強烈な邪心が物語を動かすのではない。狡猾で卑屈な権力者の面子のために迫害を受け、生き様が試される。物心両面から過去の日本人ににじり寄り、所作や武士道を気高く描いていく。"鞘に収まった刀"としての風格と品性を研ぎ澄ましてきた小泉堯史の作品は、決して愛や涙の押し売りなどしない。黒澤明が撮れなかった“老成した黒澤映画”こそ小泉映画の真髄。これは、忘れられた高邁な精神が染み入る純度高き美しい映像詩である。


スタッフ

監督・脚本:
原作: 葉室麟
脚本: 古田求

キャスト

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    右筆(文書作成)のお役目につく檀野庄三郎(だんのしょうざぶろう:岡田准一)は、城内の御用部屋で同僚達と筆を走らせていました。 ところがそこへ強風が吹き込み、あおられて舞い散る紙に飛ばされた墨が、隣にいた同僚の顔や紋付の着物にかかってしまいます。 彼と旧知の友という間柄だった庄三郎は、その様子につい笑ってしまうのですが、大事な紋付を汚されたうえに笑われた彼はカッとなって庄三郎につかみかかります。 ...[外部サイトの続きを読む]
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  • 蜩ノ記/ちょっと目線が違わないか? from MOVIE BOYS (2014年11月24日 18時15分)
    直木賞作家・葉室麟の小説を『雨あがる』や『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が映画化した時代劇。主人公で主演は役所広司だが、岡田准一がW主演といったところか。他にも堀北真希や原田美枝子、寺島しのぶといった幅広い世代の実力派が揃っている。『雨あがる』も『博士の愛した数式』も、そして『明日への遺言』も小泉作品はみな大好きなんだが、どうもこの作品は今ひとつピンとこなかった。予告編を観て、俳優の演技は... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 映画「蜩ノ記」本当の事は胸に秘めたまま from soramove (2014年11月21日 16時33分)
    映画「蜩ノ記」★★★☆ 役所広司、岡田准一、 堀北真希、原田美枝子出演 小泉堯史 監督、 121分 2014年10月4日公開 2014,日本,東宝 (原題/原作:葉室麟/ 蜩ノ記 ) <リンク:<a href="http://blog.with2.net/link.php?38257">人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「直木賞を受賞し、時代小説としては 破格の50万部を突破する ベストセラーとなった葉室麟の 原作に基づく時代劇。1 0年後の ...[外部サイトの続きを読む]
  • 「蜩ノ記」 from 元・副会長のCinema Days (2014年11月2日 6時46分)
    退屈な映画だ。特に前半から中盤にかけては、睡魔との闘いに終始した(笑)。別に、作品全体のテンポが一様にゆっくりとしていることが欠点だとは思わないが、それに合わせて情報(プロット)の提示も不十分になっていては評価出来ない。小泉堯史監督にしては珍しい失... ...[外部サイトの続きを読む]
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