シネマトゥデイ

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オマールの壁
英題:
OMAR
製作年:
2013年
製作国:
パレスチナ
日本公開:
2016年4月16日
(角川シネマ新宿、渋谷アップリンクほか)
上映時間:
配給:
アップリンク
カラー/5.1chドルビーデジタル/シネマスコープ/DCP

チェック:第86回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、『パラダイス・ナウ』などの鬼才ハニ・アブ・アサドが監督を務めた社会派ドラマ。対立するイスラエル軍に捕らえられ、命と引き換えにスパイになることを迫られたパレスチナ人青年の運命が描かれる。主人公を演じるアダム・バクリを筆頭に、映画出演経験のほとんどないパレスチナ人の新進俳優たちが熱演を披露。人間の尊厳や愛をテーマにした重厚で深遠な物語に加えて、大規模ロケを敢行して撮られたパレスチナの風景が同国の置かれた状況を生々しく観る者に訴え掛けてくる。

ストーリー:ひたむきに仕事をこなすパン職人でありながら、仲間たちと一緒に反イスラエルの闘士として活動するパレスチナ人青年オマール(アダム・バクリ)。彼は監視塔から撃ち込まれる銃弾を回避しつつ分離壁を乗り越え、恋人ナディア(リーム・リューバニ)のもとに通う日々を送っていた。そんな中、彼はイスラエル兵士を殺害したとして拘束されてしまう。イスラエル軍から壮絶な拷問を受けたオマールは、解放を条件にスパイになるように迫られる。幼なじみでもある仲間との絆を壊され、ナディアとの仲も引き裂かれたオマールは……。

オマールの壁

映画短評

  • 中山 治美
    パレスチナ発・国際的スター誕生の瞬間
    ★★★★★
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    テーマはもちろん、アダム・バクリの存在が作品の魅力を10倍にも20倍にも輝かせている。
    分断する壁を軽々と超え、秘密警察の追跡を屋根をつたい、路地を駆け抜けながらかわす。
    その彼を子供たちは投石で、大人は抜け道を案内して応戦する。
    バクリの躍動する体を追いながら、同時に社会情勢も見せる。その秀逸な演出とカメラは『007』シリーズも超える緊迫感と迫力だ。
    だが語が進みにつれ、封じ込められていくバクリの動き。
    それは自由と希望の喪失のように見え、何度同様の虚しさをパレスチナ人は味わってきたのだろうと思いを馳せる。
    一方で、パレスチナ映画とバクリの将来性の高さは十分示した。
    芸術の世界に壁はない。

  • 清水 節
    現実を世界に知らしめるため「エンタメ」に自覚的な傑作
    ★★★★
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     パレスチナの現実を伝える政治ドラマでありながら、狡猾なイスラエル秘密警察のやり口を暴くサスペンスアクションであり、若者たちの今を映し出すラブロマンスでもある。主人公が壁を越えるシーンが繰り返し登場し、その勢いによって心情変化が表わされる場面が秀逸だ。高さ8メートルの壁は土地を分断するだけでなく、人々の心を引き裂いている。物語の鍵を握る脇役がヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の声真似をする場面は、世界標準としてのハリウッドへの敬意であり、娯楽作であろうと自覚する監督のサインであろう。深刻なテーマを商業的に成立させることは、悲劇を世界へ広く知らしめ、共鳴させることにつながる。

  • 森 直人
    現代の『灰とダイヤモンド』、くらいの強度がある青春映画
    ★★★★★
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    例えば『ロミオとジュリエット』なら「壁」は明白で、こちら側と向こう側、というふたつの世界を境界線で阻む障害物となる。しかしパレスチナ自治区の分離壁は、両側とも同胞の町だ。政治、恋愛、友情……本作ではあらゆる局面で“どちらがどちらか判らない「壁」”が立ち現れ、常に裏切り者(スパイ)の存在が疑われる。

    イスラエルとパレスチナの混沌とした実相を、これほどスリリングに体感させてくれる映画は初めてではないか。同時にこの多層的で不安定な世界像は、おそらく我々にも地続きだ。自爆テロに向かう青春を扱ったアサド監督の05年作『パラダイス・ナウ』の衝撃に対し、今作は共感の回路を痛切な詩情を伴って延ばしてくる。

動画

第86回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品!映画『オマールの壁』予告編

ポスター/チラシ

  • 映画『オマールの壁』ポスター
    ポスター
  • 映画『オマールの壁』チラシ
    チラシ
  • 映画『オマールの壁』チラシ
    チラシ

前売券特典

  • 映画『オマールの壁』海外ビジュアルポストカード
    海外ビジュアルポストカード

※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。


スタッフ

監督・脚本・製作:

キャスト

オマール:
ラミ捜査官:
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  • 【映画】オマールの壁 from 別冊 社内報 (2016年7月17日 20時14分)
    「歌声にのった少年」の予告編に続いて始まると、奥行きが深まるというか、元々慣れていない国の話だからやや混ざります。スパイものは、使われる伏線とそうでないのとの見分けが難しい。日本の左翼は、憲法をいじるとこういうことになると言わんばかりだけど、こうなる事情はこの地域にある。逆に日本がこうなるなんて、かの地の方々に失礼。■ シアターキノにて(札幌上映二日目) ...[外部サイトの続きを読む]
  • 「オマールの壁」 from ここなつ映画レビュー (2016年5月18日 12時36分)
    観るべき作品。「今」のパレスチナ自治区で何が起こっているのかを感じ取る事ができるフィクション。哀しみは、誰も信じる事が出来ない事ではなく、「みんなが嘘を信じて」しまった事に集約される。それ程猜疑心に満ち溢れ、希望が壊され、葬り去られる青春。イスラエル及びパレスチナの歴史的背景は、古代史から連綿と続くものであるが、現代のいわゆるパレスチナ問題は、大雑把に言うとユダヤ人とアラブ人との紛争が焦点となる(もちろんバックには大国の影が見える)。この日本で言えば四国程の大きさの土地に、大戦後イギリスがユダヤ人とアラブ人 ...[外部サイトの続きを読む]
  • オマールの壁・・・・・評価額1750円 from ノラネコの呑んで観るシネマ (2016年4月23日 23時20分)
    壁の中の青春。 イスラエル占領下のパレスチナで、秘密警察に捕らえられ、スパイになることを強要される青年の物語。 一生を刑務所で過ごすか、民族の裏切り者として生きるか。 巨大な分離壁に取り囲まれた出口の無い閉塞の中で、若者たちそれぞれの愛と葛藤、占領者たちの某略が絡み合い、物語は予想だにしないドラマチックな展開をみせる。 自爆攻撃に向かう若者を描いた「パラダイス・ナウ」で、パレスチ... ...[外部サイトの続きを読む]
  • Omar (オマール、最後の選択) from Cinema Review シネマ・レビュー (2015年9月22日 19時27分)
    Omar (2013) ★★★★★ (Palestina) 日本語タイトル: オマール、最後の選択 official site: http://www.uplink.co.jp/omar/ Starring: Adam Bakri(アダム・バクリ), Waleed Zuaiter(ワリード・ズエイター), Leem Lubany(リーム・リューバニ), Eyad Hourani ... ...[外部サイトの続きを読む]
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