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「どうする家康」北川景子、悩んだ秀吉ビンタシーン振り返る

第30回「新たなる覇者」よりお市(北川景子)と柴田勝家(吉原光夫)
第30回「新たなる覇者」よりお市(北川景子)と柴田勝家(吉原光夫) - (C)NHK

 大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)の第4回から織田信長の妹・お市を演じる北川景子。6日放送の第30回「新たなる覇者」では信長の死後、織田家の実権を巡る争いでムロツヨシ演じる秀吉と真っ向から対立するさまが描かれた。劇中では格下の秀吉に対して強固な態度をとってきたお市が両者の関係を象徴する第19回(5月21日放送)で秀吉を平手打ちする場面を、北川が振り返った(※ネタバレあり。第30回の詳細に触れています)。

【画像】第19回のムロ秀吉

 北川演じるお市は、織田家の誇りを胸に二度の政略結婚をするなど、生涯をお家存続のためにささげた。初めは浅井長政(大貫勇輔)に嫁ぐも浅井が信長に謀反を起こした。第19回「お手付きしてどうする!」では織田・徳川連合軍と対峙した武田軍が撤退したのち、信長が秀吉に浅井を討ち取るよう命じ、秀吉は北近江・小谷城へ向かった。「長政殿とともにご自害されておったら、わしの首が飛ぶところでごぜぇましたわ」と近づく秀吉に対し、お市は「気安く触れるな、猿!」と平手打ち。秀吉は「猿じゃねぇて。羽柴秀吉だて」と笑いながらお市の幼い娘たちの一人を抱きあげた。

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 本シーンについて「あの場面は本当に難しくて……」と切り出す北川。「わたしの登場自体もすごく久しぶりだったんですよね。その前にムロさんとお会いしたときには秀吉がまだ信長にペコペコしている、下々のようなふるまいをしていたのに、久々にお会いしたらああいう感じになっていて。描かれてはいませんが、お市にもこれだけの時間が流れていたんだと感じました。ムロさんのことは大好きなので叩くのには抵抗があったんですけど台本に書かれていましたし……ムロさんも“思いっきりやってください”とおっしゃっていて。お市の気持ちになって考えてみると、秀吉のことがあまり好きではないので、そんなにしっかり触りたい感じでもないと思うんですよね。触れられそうになったことも許せないし、今までは控えていたのに、何を軽々しく触ろうとしているんだっていういまいましさ。なので力いっぱい叩くというよりは、振り払ったような気持ちが強かったです」と振り返る。

 しかし、実際にオンエアでは想像を超える強烈な場面となり驚いたとも。「放送を拝見したら“パチン”といい音が上から乗っていて、“そんなに強く叩いていないんだけどな……”って(笑)。視聴者の方から“もっとやれ”みたいな声もあったので、もう少し力強くしてもよかったのかなとも思いましたが、その時はハエを払うような“わたしとあなたは格が違うのよ”というニュアンスで表現できたらとやらせていただきました」

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 お市は秀吉を拒絶しながらも、娘を連れて行く彼のことは止められない。これまで格下とみていた秀吉とある意味で立場が逆転するお市の複雑な心境を、北川はこう振り返る。

 「これまでの関係性で秀吉をビンタするけど、娘を連れていかれることに対しては逆らえない。従うしかない苦しみ、悔しさみたいなものがあって。毅然とした態度でありたいという気持ちと、もう自分は捕らわれの身となってしまっていて、いずれこの人に子供を任せることになってしまうのかという先々の不安。もっとうまく立ち回れなかったのかとか、いろいろな想いをあの短い時間の中で表現しなくてはならなかったので、すごく難しかったです。ムロさん演じる秀吉としっかり目が合ったのもあのシーンが初めてだったんじゃないかなと。もしかしたらムロさんは見ていたかもしれないけど、これまでは頭を下げて控えているところが多かったのでわたしは見ていないんです。あんなに面と向かって見られて、軽んじてはいけない相手だったんだなと、初めてゾッとするというか。放っておくと危ないと実感してざわざわっとしたシーンでした」

秀吉(ムロツヨシ)とお市の娘・茶々(白鳥玉季)

 6日放送の第30回では信長の後継者を巡って織田家家臣たちによる「清須会議」が開かれ、信長の孫・秀信(三法師)が成人するまでの間、柴田勝家(吉原光夫)、丹羽長秀(福澤朗)、羽柴秀吉、池田恒興(徳重聡)が支える取り決めが行われた。お市は秀吉に権力を渡さないために勝家と手を結び二度目の結婚。やがてお市は勝家と共に「賤ヶ岳の戦い」で秀吉と争うことになる。いよいよ秀吉に追い詰められたとき、お市は娘たちを逃がし、勝家と自害する道を選んだ。

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 「わたしは誇り高き織田家の娘じゃ」「男のように乱世を駆け巡るのがわが夢であった。最後にほんの少しそのまねごとができた」「この戦の総大将はこの市であると心得ておる。敗軍の将はその責めを負うもの。一片の悔いもない」。第30回でお市はそう言い残し、自身の戦いに幕を下ろした。お市にとって戦国とは何だったのか?

 「お市がずっと大事にしていたのは、とにかく家の存続。兄・信長は織田家を大きくするために戦っていましたし、お市は女性として生まれたので実際に戦に出ることはできないんですけど、織田家の血筋を少しでも後世に遺していくことを考えたと思います。あとは結婚することで他の家との結びつきを強めることも、織田家を大きくすることだと考えている。とにかく自分の家に誇りを持って、自分の置かれた立場で、与えられた役割を全うしながら、自分の方法で戦い抜く人たちが生きた時代だったのではないかと。家のために何ができるのか、それぞれが全力で命をかけて考えて、瞬時に判断をして、生きて、戦う。同時に、命をどこで、どんな方法で落とすのかということも大きな意味があります。お市にとっての戦いは、誇り高く最後の瞬間まで生きることだったのかなと思います」と、約5年ぶりの大河出演を締めくくった。(編集部・石井百合子)

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