シネマトゥデイ

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【ロスのバーバーでの小さな友情】
(オイラのブラザー物語)

【勝負を挑まれ……空振り連発】 (ビリヤードは国境を越える!) 】


                             

森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。

 ロスで私が、働いていたオフィスの近くにちっちゃなちっちゃなバーバーがあった。

最近、ビリー・ボブ・ソーントンが主演した「バーバー」っていう映画があったけれど外見はまさにあんな感じのレトロな理髪店


外に三つ椅子が並んでて、そこには常に若い兄ちゃん達が暇そうにおしゃべりをしてた。始めは、客が待ってるだけかと思っていたんだけど、毎日毎日同じ兄ちゃん達がいるもんだからようやくああ、この人たちって店員なのね。と気付いたわけだ。


そこは、ブラック専門…っていったらおかしく聞こえるかもしれないけど兄ちゃん達は全員黒人だし、たまーに見る客もヒップホップ兄ちゃんばっかだし、そう思わざるをえないのよね。多分、アメリカってそういうブラック専門っつう美容室があるのよ。みんなきれいなブレイズ頭〔三つ編みのやつ〕だったもん。


そして、オフィスに行く途中や、お使いの途中でいつも通り過ぎるうち、私はいつの間にやらその兄ちゃん達とお友達になっていた。


始めは挨拶だけだったのが、どうよう調子はー? とか相変わらず客いねえなー。なんて、アメリカンジョークを飛ばしていくようになった。美容師さんだけあって、おしゃれでハンサムな彼らと仕事の合間に椅子に座っておしゃべりすることが私の幸せな日課になってたのさ。


三人の中でも背がめちゃめちゃ高くて、高校生の時はモデルをしていたっていう兄ちゃんは、1番のハンサムちゃん。私のお気に入りの男の子。でもなあ!! こいつら実は全員ゲイ。世の中不公平やわー。そうなんす、やっぱりロスの美容師はゲイが多いのさ。ちきしょう。


でも、たまにその三人が表にいないときがあって、店内をこっそり覗いてみるとあらま、中で仕事してんじゃん。


ほお。たまには客来るのね。…と思いきや、やっぱりそいつらしかいない。どうやら、あまりに暇すぎてお互いの髪を切りっこしていたらしい。絶句したよわたしゃ。


しかも私達が知りあってから4ヶ月間、ずっとその調子なんだからすごいってもんだ。
『ブラザー』(主演:北野たけし/配給:ソニー・ピクチャーズ)の仕事が決まると、主役のオマーの大ファンだっつー三人は大騒ぎ。筋肉質なでけえ図体をまるでティーンエージャーの女の子みたいに、揺らしながら、
「きゃーっ。オマーって素敵よねー。あの人の髪の毛カットしてみたいわー。」
「いやー! だって、スッゴイいい体してるものっ。きゃーきゃー」
「マホったら、うらやましいわー。あんた衣装のインターンなんだったら今度パンツでも盗んできてよ」


とまあ、こんな状態。日本のおばちゃんと、変わらんのさ。でも、無邪気なやつらの応援が緊張してた私をとても安心させてくれた。


仕事が、始まってオフィスから離れるときバーバーにしばらく会えなくなるって挨拶に行った。


心優しい、三人の兄ちゃん達はなんでか涙ぐんでた。えー、そんな泣くなよ。ってちょこちょこ慰めていたらお気に入りだった兄ちゃんがこの床屋の謎を教えてくれた。


三人が、幼稚園からの親友同士だったってこと。自分たちのお店を持ったはいいけど、一か月に3人くらいしか客が来ないこと。(オイオイ)。そんでもって、髪染めあったり、切りあったり毎日毎日おんなじだった日々に、私みたいな妹分が出来て、うれしかったってこと。


その言葉に、ちょっと泣けた。一日10分ほどの、ささいなお喋りだったのに。私も楽しかったよ。ブラザー達。私にも、ブラックのアニキが出来た瞬間だった。

次週につづく

 



お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!



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