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レッド・ドラゴン-アンソニー・ホプキンス-インタビュー

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アンソニー・ホプキンス



 3度目のレクター役へのアプローチの仕方
 

当初、レクターを演じることを躊躇したホプキンス。
脚本の出来がいいという理由で役を引き受けた彼は、『レッド・ドラゴン』で原点に戻りレクターが危険極まりない“怪物”であることを改めて明らかにしたかったという。

レクターと関わりを持つということは非常に危険なゲームに身を置く羽目になる

―これで3度目です。再びレクター博士を演じる気になったのは?
アンソニー・ホプキンス(以下H)『ハンニバル』で、レクターを封印したつもりでいたから、オファーが来たときは、多少戸惑った。3作目を作る意味、魅力ある内容にできるかという不安があったんだ。エージェントは、「脚本は、『羊たちの沈黙』のテッド・タリーだし、是非やるべきだよ」と言うので、前向きに考えるようになった。そして期待通り、脚本も素晴らしい内容だったので出演を決意した。

―15歳は若返ったかのように見えますが……。
H 優秀なトレーナーについてもらい、低炭水化物ダイエットと運動を併行して行った。頑張り過ぎて、トレーニング用のバイクで膝を強打し、あわや撮影中止か、というアクシデントに見舞われた。撮影当初、まだ足を少し引きずるくらいだったんだ。

―今回のあなたは、爬虫類のような不気味さがあります。敢えて恐怖感を増幅させたのは?
H エドワード・ノートンが演じるウィル・グラハム調査官に対して、そして観客に、レクターの真実の顔を晒す必要があった。機知に富み、天才的頭脳の持ち主かもしれないが、危険極まりない蕫怪物﨟である点を改めて明白にしておきたかった。躊躇なく人を殺し、その手口も残虐極まりない。蕫食人鬼ハンニバル﨟と恐れられるように、スキを見せれば彼のその日の夕食になりかねない。つまり、レクターと関わりを持つということは、非常に危険なゲームに身を置く羽目になることを明らかにしたかったんだ。

―どうしてレクター博士はこんなに人気があるのだと思います?
H まず、架空の人物だから、人気があることに対して何ら良心の呵責はない。『羊たちの沈黙』が社会的に何らかのインパクトを与える手応えは感じていた。ただ、レクターのどこに魅かれるのかはわからない。観客の心理までは読めない。われわれの中にある、蕫悪﨟を凝縮したような人物だからと推測できなくもない。しかし、詳しい分析は社会学者か、心理学者に聞いた方がいいだろう。役を離れたら、そうした分析には全く興味がないね。役が一人歩きして有名になっても、気を煩わされることもない。「レクターと一緒にされてウンザリしない?」とよく聞かれるが、「これが私の仕事なんだ」としか他に答えようがない。役作りにしても、暗い部屋の隅でいきなりレクターに変貌するわけじゃない。まず、セリフを納得がいくまで何百回でも声に出して読む。そうして、徐々に頭の中でイメージを膨らませ、役を掴んでいくんだ。

『レッド・ドラゴン』は『羊たちの沈黙』に作風が近い


―あなたにとっての偉大な悪役、あるいは演じてみたい悪役とは?

H どれも演じていない役になるが、ダース・ベイダー、イアーゴ、メフィストフェレス、リチャード3世かな。「オセロ」のイアーゴはギリギリのところで大胆不敵な数々の策略を計る。その狂気スレスレの勇気、行動力に思わず引き込まれ、魅了されてしまう。リチャード3世に関しては、ローレンス・オリヴィエが主演した作品が文句無しにベストだ。その後、何度か映画化されているが、オリヴィエのリチャード3世を超えるものはない。リチャード3世は非常にセクシーでありながら、同時に大胆不敵で残忍だ。レクターもまさしく同じだ。


―3度目となるレクターを演じるアプローチは?
H 今回は余計な部分を削ぎ落とす演技に徹した。唯一、体育館のシーンでトーンを変えた。非常に抑制された不気味な演技から一転、60年代のテレビ番組「メイベリー110番」の保安官みたいに陽気に振舞う。一度だけというのが重要で、より恐怖感が増すんだ。 


―最後に、2作との相違点は?

H 『ハンニバル』は、皮肉にもレクターが自由の身になったせいか、脚色し過ぎてしまった感があり、その分、恐怖感が薄れてしまったことが悔やまれる。でも、俳優に自由を与えるリドリー・スコットとの作業はとても楽しかった。『レッド・ドラゴン』は、『羊たちの沈黙』に作風が近く、レイフ・ファインズ、ハーヴェイ・カイテル、エミリー・ワトソン、フィリップ・シーモア・ホフマン、メアリー=ルイーズ・パーカーといった、個性派の実力俳優が素晴らしい仕事をしている。また、個人的には、チルトン博士を演じるアンソニー・ヒールドとの、『羊たちの沈黙』以来の再会は、とても嬉しかったよ。
(ロビン・リンチ/訳 フリックス編集部)

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