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今週のクローズアップ ガエル・ガルシア・ベルナル

 週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は、11月18日公開の『キング 罪の王』で初めてアメリカ映画に挑んだガエル・ガルシア・ベルナルをクローズアップします。小柄だけど、セクシーな眼差しと幅広い演技で、タブーな役を演じまくる“ラテンの貴公子”を徹底調査! アンディ・ガルシア、アントニオ・バンデラス、ベニチオ・デル・トロに続く、世界が注目するラテン系俳優はコイツだ!
Taboo-01 as グスタボ:熟女相手に朗読プレイ

 映倫R-18指定の『ブエノスアイレスの夜』(2001)。ミステリアスな年上の女性・カルメンに惹(ひ)かれ、朗読プレイをさせられちゃう高級男娼・グスタボを演じたガエルくん。

劇中では、カルメンとグスタボは顔を合わせることなく、壁越しに “声”だけで官能の世界に浸るというシーンがあります。大女優セシリア・ロスの捨て身の演技は、もちろん18禁なんだけれど、それに負けない、ガエルくんの演技……カルメンおねぇサマに官能小説を読まされちゃっています。ガエルくんの一言一言の間や戸惑う姿が、激エロなんです。


 吸い込まれるような深いグリーンの瞳。そして、カルメンに会いたくて、ひたすら待つ姿……、雨に打たれ、子犬のようなガエルくんにキュンキュンしちゃいます。「こんなに濃くて、整った顔はダメ……」という皆さん。ガエルくんは違うんです。現代のラテンっ子は、“濃い顔なのに、愛くるしい”のです。威圧感のない、小柄……要チェックです。

 
なんか……濃いっ
(C) Jim Spellman / WireImage.com / MediaVast Japan
Taboo-02 as アマロ神父:欲に勝てない聖職者

 映倫R-15指定を受けて公開された『アマロ神父の罪』(2002)。ガエルくんは、若きエリート神父にふんし、信者の16歳の少女との愛欲におぼれ、妊娠までさせちゃう……Oh! My God! な聖職者を演じました。しかし、本作は“信仰と愛の間で苦悩する”物語ではないのです。それはカトリックが根付いた土地でなければ分からない社会的背景に苦言している物語。


 カトリック聖職者は生涯童貞の誓いを立てているということもあり、「神を冒涜している!」とメキシコやアメリカでは上映禁止を求める抗議が相次ぎ、監督には一時ボディーガードが付くほど。そんな騒動について質問されたガエルくんは、「僕は正真正銘のカトリック教徒だよ」「抗議していても、大半の人はこれを観に行くんだ。それに、この物語は実話じゃなくて、単なる作り話だし」と、ぶった斬り! メキシコの若きサムライの言葉通り、メキシコでは当時の最高興行収益を叩き出し、ガエルくんは順調にキャリアを重ねるのでありました。

 
なぜマニキュア?
(C) Jeff Vespa / WireImage.com / MediaVast Japan
Taboo-03 as イグナシオ:男性? 女性? 中性?

 スペインの鬼才、ペドロ・アルモドバル監督作『バッド・エデュケーション』(2004)ではイグナシオ・ファン(アンヘル)・サハラと一人三役を魅惑的に演じたガエルくん。見目麗しい女装姿を披露してくれます。

本人いわく「母親にそっくりで笑ってしまったよ!」だって。男同士のキスシーンやベッドシーンなんて今や驚くことはないけれど、ガエルくんがおっさんや、若い映画監督などと繰り広げるベッドシーンは、公開時、男性客がちょっと引いちゃったほど激しいシーンの連続! それをどんな眼差しで監督は見ていたのか、気になるところですが……。監督いわく「ガエルは男としても女としても魅力的だった」。このコメントに軽くヨコシマな印象を持つのはあなただけではないはず。きゃっ。


 本作は第57回カンヌ国際映画祭のオープニングを飾り、コンペティション部門には『モーターサイクル・ダイアリーズ』がノミネートされ、ガエルくんにとっては2重の喜びでもありました。『天国の口、終りの楽園。』でヴェネチア国際映画祭最優秀新人賞を受賞した彼にとって、もはや向かうところ敵ナシと思われていたが……誰も知らない(!?)刺客が極東の地からやって来ていたのです。そうです、この年の主演男優賞を『誰も知らない』の柳楽優弥(当時14歳)に奪い取られてしまい、ガエル・ショック! 「なんで主演男優が極東のガキなんだよ!」とふてくされてたとか……いないとか……。

なかなかイケてます。
(C) Sony / Photofest / MediaVast Japan

極東からの刺客を知らずにフォトセッション中。
(C) Tony Barson / WireImage.com / MediaVast Japan
Taboo-04 as エルビス:妹と知りながらの究極の罪

 ロンドンの名門演劇学校セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマにメキシコ人として初めて合格し、1999年に『アモーレス・ペロス』で長編スクリーンデビューを果たしてから、たった7年で日本にまでその名をとどろかせたガエルくん。デビュー以来、ハリウッドから多くのオファーを受けたが、彼は断り続けてきました。「成功したことで僕が海外に移住するとみんな思っているけど、それは違う。僕はメキシコ人なんだ」と語るその姿。やっぱりメキシカン・サムライ。


 そんな彼の最新作は11月18日から公開の『キング 罪の王』。16歳の腹違いの妹と知りながら誘惑……近親相姦の関係になってしまうという、これまたR-15のタブーに挑戦。初の英語圏映画の主演として、全編英語で演技。とうとうアメリカ映画界へ進出です。「誰もやったことのない新しい道を切り開きたい。妥協はしない。だから努力する」と語るように、エルビス役は彼にとって大きなチャレンジだったそう。「エルビスの行動や犯した罪にはまったく共感できないけど、感情面に興味を持ったし、この役をやり遂げる自信はあった」と語っています。その渾身の最新作では、ガエルくんの新たな一面を観ることができます。母国語のスペイン語をはじめ、英語、フランス語、イタリア語も話せるというから、各国の映画にクレジットされる日も、そう遠くはないでしょうね。

妹役ペル・ジェームズと
(C) Tony Barson / WireImage.com / MediaVast Japan
文・構成:シネマトゥデイ編集部

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