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クラシックなモンスター映画を彷彿させるマーベル作品『ウェアウルフ・バイ・ナイト』

厳選オンライン映画

賛否含めて論じる注目の7作品 連載第6回(全7回)

 日本未公開作や配信オリジナル映画、これまでに観る機会が少なかった貴重な作品など、オンラインで鑑賞できる映画の幅が広がっている。この記事では数多くのオンライン映画から、質の良いおススメ作品を独自の視点でセレクト。各ライターが賛否含めて論じる注目の7選として、毎日1作品のレビューをお送りする。

※ご注意 なおこのコンテンツは『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』について、ネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。

ウェアウルフ・バイ・ナイト
『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』はディズニープラスで独占配信中

『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』ディズニープラス
上映時間:52分
監督:マイケル・ジアッキノ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナルローラ・ドネリーほか

 これまでのマーベル作品とは一線を画す作品が『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』(2022)だ。ハロウィンシーズンに向けてDisney+(ディズニープラス)で配信された本作は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初のホラー作品であり、大部分をモノクロ映像で演出するなど、クラシックなモンスター映画を彷彿させる仕上がりとなっている。

 アイアンマンやキャプテン・アメリカといったヒーローたちに焦点を当て、彼らの活躍を描いてきたこれまでのMCU作品の世界観から大きく離れ、本作が描くのは、モンスターと、彼らを倒すハンターたちが住む闇の世界。絶対的な力を持つブラッドストーン家当主の死去にあたり、世界中から集められたハンターたちが、凶悪なモンスターも倒す力を持つ最強の石「ブラッドストーン」の継承権を巡り、命を懸けた狩りを繰り広げる。

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ウェアウルフ・バイ・ナイト
『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』はディズニープラスで独占配信中

 主人公ジャック・ラッセルを演じるのは、『リメンバー・ミー』(2017)や『オールド』(2021)などのガエル・ガルシア・ベルナル。演技派俳優たちがMCU入りするニュースをみることが多くなり、ベルナルの起用が発表されたとき、喜んだ人も多いのではないだろうか。彼が演じるラッセルは、無口な男で、自ら多くを語ろうとしない人物だ。

 「ブラッドストーン」を求めて集結したハンターたちの屈強そうな見た目に反し、気弱な風貌のせいか、戦いを得意としているようには到底見えない。たとえ、その場にいるほかの誰よりも多くのモンスターを倒していても、それを一切自慢しない誠実な人物である。「ブラッドストーン」を奪取するために用意された狩り場で他のハンターに遭遇した際も、戦うのではなく争いを避ける提案をするなど、暴力に頼らない方法を常に模索しているようだ。

ウェアウルフ・バイ・ナイト
『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』はディズニープラスで独占配信中

 しかし、そんなラッセルにも秘密があった。ハンターでありながら、ハンターたちが嫌う、ある“事実”を抱えているのである。暴力を好まず、穏便な解決方法を望むラッセルの優しさと、秘密がもたらす怪しさや危険性を、ベルナルは卓越した演技力で見事に表現しながら、さらにラッセルを魅力的な人物として掘り下げている。

 Colliderなどで報じられているように監督が当初よりラッセルにベルナルを当て書きし製作を進めていたとあって、54分という限られた時間の中で、ホラーの雰囲気に押されない、チャーミングな人柄を出し切り、監督の期待に応える十分すぎる演技を見せた。

ウェアウルフ・バイ・ナイト
『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』はディズニープラスで独占配信中

 なお、メガホンを取ったのは『ドクター・ストレンジ』(2016)や『ソー:ラブ&サンダー』(2022)の音楽を手がける作曲家マイケル・ジアッキーノ。『フランケンシュタイン』(1931)や『狼男』(1941)など1930~40年代を代表するユニバーサル・ホラー映画を彷彿させるオープニングタイトルから大部分を占めるモノクロ映像。そしてフィルム交換のタイミングを知らせるパンチマークを画面右上に表示するなど、劇中に散りばめられたオマージュの数々から、ジアッキーノの古典ホラーへのリスペクトがひしひしと感じられる。これまでのMCUで、メインで扱ってこなかったホラージャンルと真正面から向き合った、ホラー好きのための作品と言えるのではないか。

 マーベルは『アイアンマン』(2008)に始まり『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)までの物語を、「インフィニティ・サーガ」として展開してきた。『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降はドラマシリーズにも力を入れ、壮大なスケールの物語と、それに応じて増える登場人物たちの動向を、スクリーンとドラマの両軸で描いている。続編映画や新シリーズなどがハイペースでの公開に、追いついていない人もいるはずだ。

ウェアウルフ・バイ・ナイト
『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』はディズニープラスで独占配信中

 そのなかで本作は、続編を前提とした映画でもなければ、次シーズンを控えるドラマシリーズとも違う、わずか54分という中編映画となっている。家族や友人たちと集まる機会の多いハロウィンシーズンに、これまでのMCUに少なかったホラー要素を取り入れたことで、初めてマーベルに触れる人やホラー好きはもちろん、親しい仲間たちとともにMCUの新たな物語・キャラクターに触れるにはピッタリの作品だと言えよう。(文・中井佑來、編集協力・今祥枝)

『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』はディズニープラスで独占配信中

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