シネマトゥデイ

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エリシャ・カスバート
『キャプティビティ』
拷問シーンに対するバッシングなんてバカバカしいわ
『キャプティビティ』エリシャ・カスバート 単独インタビュー

取材・文・写真:シネマトゥデイ

「24-TWENTY FOUR-」シリーズで、ジャック・バウアーの娘、キムことキンバリー・バウワーを演じ、一躍人気者になったエリシャ・カスバート。『蝋人形の館』で、パリス・ヒルトンとともに見事なホラー・ヒロインを演じた彼女が、『キリング・フィールド』の鬼才名匠ローランド・ジョフィとともにまったく新しいホラー・サスペンスに挑む。トップモデルの主人公が、ある日目覚めるとそこは壁に囲まれた密室……。おぞましい拷問シーンが問題視され、上映が2度も延期された問題作『キャプティビティ』について、主演のエリシャが語った。

■タフな女性像が描かれているところが好き

Q:この役柄のどんなところが気に入って、オファーを受けたのですか?

この作品で一番気に入ったところは、ほとんどのシーンを自分1人の演技でこなすという大きなチャレンジがあったことね。それから、ローランド監督と一緒に仕事できることに惹(ひ)かれたわ。わたしはもともと監督の大ファンだったから、彼の演出にすごく興味があったの。

Q:日本版では、新しいバージョンのエンディングが追加されていますが、日本版、アメリカ版どちらが気に入っていますか?

どちらも大好きよ! ただ監督は、日本バージョンのエンディングが一番気に入っていたようだから、それを上映できて、本当に良かったって思っているの。どちらのエンディングも、タフな女性像が描かれていることは共通しているから好きなのよ。

Q:あなたにとって一番大切だったシーンはどこですか?

一番大切だったシーンは、ラストかな。1人の女の子が、自分にとって最悪な状況を打破しようとする中で、彼女は強い女性でもなく、しかもヒーローであってはいけなかった。本当に無力な、1人の女の子でいなければいけなかったから、精神面や、フィジカルな動きのコントロールにすごく神経を使ったわ。それからもう1つ、砂のシーンね。あのシーンは、ビジュアル的にはとても素晴らしい映像になっているのだけど、すっごく大変だったの。でも、あの美しくて恐ろしいシーンは作品においても、わたしにとってもとても大切なシーンだったと思うわ。

Q:1人で演技することの難しさはどういったところでしたか?

この映画の前半は、ほとんどがソロの演技をしなくちゃいけなかったのだけど、ほかの役者さんと会話をしながら成り立っていくのではなくて、すべて自分の責任になってしまうのはとてもプレッシャーだったわ。自分が暗い部屋の中で目が覚めて、ロッカーを見つけ、バスルームを見つけ、クローゼットを見つけて、少しずつ自分がどこにいるか分かってくる、そういう恐怖の演技を1人で探究していくのはとても大変な作業だったわ。

Q:『蝋人形の館』のときは、共演者もたくさんいましたが、今回は……。

そうなの! とても孤独だったのよ(笑)! 『蝋人形の館』のときは、若いみんなで楽しくワイワイ撮影をしていたんだけど、今回は撮影した場所もロシアだったし、言葉は分からないし、独りぼっちで(笑)。それがむしろ、演技の助けになっていたのかもね!

■舞台裏に隠された意外な秘密!

Q:こういう恐ろしいホラー映画を作っている現場の雰囲気って、どんな感じなんですか?

ときどきすっごくおかしいときがあるのよ! “血みどろジュース”シーンは結構話題になったんだけど、あれだってブラッディ・マリーっていうカクテルに、カッテージチーズ入れたものだったの! あれを作っていた美術のスタッフたちと「おええ」って言いながら笑っていたのよ。だから、ホラーって撮影の裏に隠された秘密を知っていると、違う意味で楽しく観られるのよ(笑)。

Q:カッテージチーズが入ってたんですか!?

そうなの! トマトジュースとか、カッテージチーズとか……野菜ジュースみたいな感じかな。でも、あのシーンってリアルすぎて、スタッフが何人か具合悪くなっていたわ(笑)。野菜ジュースだって知っているのにね(笑)。それほどのシーンだったから、きっと劇場でもかなり具合悪くなっちゃう人がいるんだろうな~ってワクワクしちゃった!

Q:アメリカでは、町に張られていたポスターが回収されるなど、ずいぶん批判もわき起こりましたね。

そうね。本当にすごい非難をされて、わたし自身ずいぶん傷ついたわ。確かに拷問のシーンもいくつかあったけど、裸になったわけじゃないし、ストーリーの進行上どうしても必要なシーンだというのに、ある人には、“拷問ポルノ”だなんて言われ方もしたわ。でも、拷問シーンなんてもっとすさまじい映画はたくさんあるし、どうしてそんなバカバカしいバッシングをされるのか……。正直、この映画は、恐ろしい体験をした女性が、タフに乗り越えていくという話なのに。人が言うのは、拷問、拷問って、拷問シーンのことばっかり! そっちに目が行く方がよっぽどおかしいと思ったわ。

Q:拷問にも耐えぬくヒロインの強さはどこからきていると思いますか?

ヒロインの女の子は、モデルの世界でトップだった子なの。モデルの世界なんて、すごく競争意識が強いでしょう? そういう世界で生き抜いてきた女性って、精神的にもすごく強いと思うの。その強さが、彼女の根底に息づいていて、自分が異常な状態に置かれたときに、彼女の強さが解放されたんじゃないかしら。女性同士の争いが多い業界では、精神的にタフな女の子が生き残るから(笑)。

■好きな男性のタイプはホッとできる人

Q:オフの時間はどんなことをして過ごしているんですか?

そうね……ロサンゼルスにいるときは、だいたい友だちと会っているわね。それで家で映画観たり……そんなに過激な遊びはしないのよ。人が聞いたらつまらないことばかりしているかもね(笑)。映画を撮っているときって、毎日がすごくエキサイティングだから、何もないときは、何もしないのが一番なのよ(笑)。

Q:あなた自身のことについても聞きたいのですが、好きな男性はどんなタイプですか?

優しくて、自分に自信を持っていて、それでいて面白い人かな。でも、不思議なことにあまり“タイプ”っていないの。いつも付き合う人は違うタイプだから、波長が合う人を好きになっていることが多いかな。顔がハンサムかどうかではないのよ。一緒にいてホッとできる人がいいな。

Q:あなたが共演したパリス・ヒルトンや、リンジー・ローハン、多くの若いガールズセレブたちは毎日ゴシップを騒がせていますが、同じ世代の女優として、どう感じていますか?

わたしは、まじめだから(笑)。なんて、そうでもないんだけど、ただあまり映画関係のお友だちと遊ぶことがないの。いつも友だちと、ご飯を食べたり、カフェでコーヒーを飲んだりしているし(笑)。わたしはパリスやリンジーではないから、彼女たちの気持ちは分からないけど……。ただ、プレッシャーが多いこの世界で、高い目標やモチベーションを持ち続けるのは、簡単ではないの。一瞬でも自分の目標や、自分自身を見失ってしまったら、すぐにレールを踏み外してしまうような世界なのよ。わたしは、両親や友だちに支えられていると思うわ。今、韓国映画の『猟奇的な彼女』のリメーク『My Sassy Girl』(原題)を撮影しているんだけど、すごく楽しいの。高いモチベーションを持ち続けて、いい作品や役にどんどん挑戦していきたいわ!

アメリカでは、過激な描写に対して批判的な批評家たちから、痛烈なコメントの嵐を浴びていたエリシャだったが、インタビューでは明るい表情で、バッシングに対しての意見も嫌な顔ひとつ見せず答えてくれた。カナダ出身で、何かあると「わたしはカナディアン・ガールだから!」と大笑いする陽気な彼女は、頭の回転も早く、こちらの質問にしっかりと答えてくれた。今、ハリウッドを騒がせている女性セレブたちと違って、しっかりと地に足をつけているエリシャは、作品ごとに新しい顔を観せてくれる。強くはないけれど、精神的にタフな女性ヒロインを追及した彼女の熱演を、本作で観てもらいたい。

『キャプティビティ』は9月15日よりお台場シネマメディアージュほかにて全国公開

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