シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
涙の最終回の巻
皆さーん、大変寂しいのですが、実は、今回がこのコーナーの最終回となりました。1年半前から始まったこのコーナー。いつも読んでくださって、本当にありがとうございました。
 
今までに取材したところの写真やタイトルを一つ一つ眺めていたら、本当にたくさんの思い出がよみがえってきました。こんな素晴らしい体験をさせていただいた編集部の皆さんにも、本当にお世話になりました。
 
という訳で、今回は、今までの取材を振り返ってのこぼれ話、思い出話に花を咲かせたいと思います。
 
さあ、わたしと一緒に過去の思い出に潜入よ!
そもそものきっかけ
もともとテレビやラジオで出演者としてしゃべっていたわたしが、なぜ突撃ルポライターになったのか? きっかけは、3年前のアカデミー賞です。日本から「アカデミー賞の現場をぜひこの目でみたい」とパスも無いのに、レッドカーペットの回りをうろうろ。アメリカの観衆に混じって、カーペット周辺の塀によじ登り、スターの登場に歓声を上げていました。
 
で、このとき、「自分が見るだけじゃもったいない」とデジカメで周辺の様子を撮りまくったのがきっかけ。それをたまたまシネマトゥデイの編集長にお見せしたところ、「これに記事をつけましょう」ということになり、写真と記事を載せた「こはたルポ」が始まったのです!
 
それが後に毎月連載の“潜入ルポ”になり、第一回目の「シルヴェスター・スタローンのダイエット・パーティーの巻」、「アメリカのガン・シューティングに潜入」など、毎月記事を書くことになったのです。でも、始めのころは、電話をかけるのもドキドキ。
 
もともと、1人で取材したり電話をかけたりしたことがなかったところを、いきなりネタ選びから、取材交渉まで、すべて自分1人でやることになったわけですから。一体何のテーマにしよう。取材はOKになるのか。そんなことを考えているうちに、締め切りは刻々と迫ってくる。
 
いやあ、最初はどきどきしちゃいました。場所によっては、けんもほろろに「今、忙しいから!」と断られてしまうこともありました。まあ、電話セールスマンの気持ちがよーく分かりました(笑)。
 
でも、わたしには意外と向いているのかもしれませんね。もともと知らない人としゃべることが好きなので、街を歩いているだけでも、自然とネタが見つかりました。例えば、「街角スーパーマン」がかなりのスーパーマンコレクターだということは、たまたま彼と立ち話をしていたときにわかり、「じゃあ、取材しましょう」ということになったのです。
 
それにしても、彼のアパートにびっしりはびこるスーパーマン・グッズの数にはぶっ倒れそうになりましたけどね。
一番気を使った取材
サイエントロジーの取材には、とても気を使いましたね。
 
信者であるトム・クルーズが、サイエントロジーのことを当時テレビで強く言い過ぎて、サイエントロジーに対するメディアの風あたりが強くなっていた時期でした。そんなときに電話をかけても、もちろん先方も警戒するでしょう。
 
「ゴシップ記事ではなく、ちゃんと書きたい」ということを言い続けて、OKが取れるまで、なんと3か月もかかってしまいました!
 
しかも、サイエントロジーの内容をあまり知らないで取材するのも大変失礼だと思ったので、受験勉強のように、一通り創設者の本を読みました。
 
映画のライターなのに、えらい勉強したなあ、と我ながら感心したものです。
 
取材自体は大変スムーズに行き、とてもありがたかったのですが、書く段階になって、これまた非常に悩みました。アメリカでは、サイエントロジーのイメージが必ずしも良いわけでもなく、これを書かないと、記事のバランスが悪くなってしまうのでは……とか、それを書くと信者の人たちを傷つけることにもなるのでは……。それはそれは悩み、テーマの重大さを改めて痛感したのでした。
 
でも、結果的には、サイエントロジーからはすべてOKが出ました。その縁あって、最近ハリウッドのサイエントロジーのフォーマル・パーティーに招待されました。これはセレブがかなり集まるパーティーで、信者であるジョン・トラボルタを見かけたり、『ヘアスプレー』に出演していたニッキー・ブロンスキーちゃんもいたり。それから、『クラッシュ』のポール・ハギス監督とお話するチャンスもありました。
 
でも、一番楽しかったのは、たまたま近くにいたすてきな年配の女性と意気投合したこと。彼女が着けているイヤリングがきらきらしていて、「いいですねー」なんていうところから会話が始まったのですが、いろいろなお話をしていたら、後でその人がトム・クルーズのお母さんだったとわかって、びっくり! そのあとは、もうトムの話題で盛り上がり。「日本でトムとお会いしたとき、一緒にレスリングをさせてもらいました(ほんと)!」と言ったら、うれしそうに笑ってらして、何だかとってもすてきな人でした。
カメラマンは通行人!
そうなんです。デジカメ片手に対象を写しているときはいいのですが、じゃあ、誰が冒頭のわたしの写真を写すのか?
 
答えは、その場に「たまたまいた人」です。  
いやあ、これが大変なんですよ。冒頭の大きな写真に使われるので、自分の目が半開きになっていたり、ぶれていたりしたらNG。たまたまその場にいた人に、ニコニコ顔で、「すみませーん、シャッター押していただけますかー」とお願いするんですよ。でも、これがたいてい1回じゃすまない。そう、たまたまその場にいた人に、何回も何回も取り直しをお願いするときの苦労と言ったら!
 
「わあ、すっごくすてきに撮っていただいたんですけどー、もう1枚予備でお願いできますかー?」
 
「はあ……」 カシャ……
 
「あー、今度はわたしの顔がそっぽ向いちゃっていますねー。すみませんが、もう1度、お願いできますかー?」
 
……で、今度はぶれていたりしたら、「おーっと、ぶれちゃいました。すみませんが、息止めて、撮っていただけませんかー」なんて笑いながら、目だけ真剣で言ってみたりして……。いやあ、けっこう大変です(笑)。
 
あ、でも、今まで写真を撮ってくださった皆さーん、ありがとうございまーす! そして、いろいろ注文をつけちゃって、すみませーん!
エンドクレジットの重みを感じる
取材をしていて一番楽しかったのは、日本では決して見ることのできない、ハリウッドの舞台裏を見られたことですね。
 
飛行機のセット専門の会社スタン・ウィンストン・スタジオスタント・ドライビング・スクール剣とよろいのかじ屋さんILMビニール観客の会社……。
 
映画の中で何げなく観ている機内のシーンは、実は飛行機専門のセットを使っているんですよね。また、観戦シーンの観客は、ビニールでできた人形だったんですね。
 
スタント・ドライビング・スクールのリックさんからは、『リーサル・ウェポン4』での命がけでのカーアクションシーンについて聞きました。高速道路からビルの窓に車が突っ込むシーンでは、車を運転するスタントマンが死なないようにと、そのときのスタントコーディネーターを務めたリックが、何回も何回も車が窓に突っ込めるスピードを研究。そうやって、万全の準備を整えてからシーンに挑んだそうです。だから、車が本番でちゃんと窓に突っ込んだときには、スタントマンを抱きしめて、涙したそうな。
 
また、ILMの山口さんからは、『トランスフォーマー』のロボットの変換のシーンについて、お聞きしました。たった数秒の変換のシーンなのに、何か月も何か月もの時間をかけ、2万個のロボットの部品一つ一つを車の部品からわざわざもってきて変換させたというのです。その執念たるや、すごい!
 
このように、映画の中のたった数秒のシーンなのに、皆さん、それぞれ、その細部にかけるこだわりがすごい。この意気込みと情熱があるから、映画が光ってくるのでしょうね。
 
だからでしょうか。最近映画のエンドクレジットを観ると、ずらりと並ぶ無名の人たちの名前を見て、鳥肌が立ってくるのです。だって、それらの名前みな一人一人に、隠れたドラマを感じるから。
 
娯楽のためにさらっと観ているたった2時間の映画。その中に、これだけ多くの人たちの夢と、汗と、愛情が詰まっているんだなあと、めちゃめちゃ感動してしまうのです。
 
そんなことを感じられるようになったのも、このコーナーのおかげです。
 
みなさん、今まで読んでくださって、本当にありがとうございます! そして、自由に何でも書かせてくださった編集部の皆さんにも、感謝感謝です!
 
また、どこかでお会いしましょう!
 
Thank you so much for your love and support! I’ll see you again from Hollywood!
[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク
  1. 記事
  2. 2007年
  3. 9月
  4. 26日
  5. 最終回「涙の最終回の巻」