シネマトゥデイ

ジョン・ウー&トニー・レオン
『レッドクリフ Part II −未来への最終決戦−』
ずっと一緒に映画を作っていきたい
『レッドクリフ Part II −未来への最終決戦−』ジョン・ウー&トニー・レオン 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

空前の大ヒットを記録した『レッドクリフ Part I』が、後編となる『レッドクリフ Part II −未来への最終決戦−』でついに完結する。三国志の中でも最大の山場のとして知られる“赤壁の戦い”を、独自の解釈でダイナミックに映像化したジョン・ウー監督と、連合軍のカリスマ司令官・周瑜を熱演したトニー・レオンが、撮影の裏話をじっくりと語ってくれた。プライベートでも仲のいい二人だけに、フレンドリーな雰囲気のインタビューとなった。

■本作でさらに深まった二人のきずな

Q:本作の周瑜は思いやりにあふれ、一方でユーモラスな一面も披露しています。それは、トニー・レオンさん自身の資質を反映させたものなのでしょうか?

トニー・レオン:僕自身はまったくユーモアのない人間なので(笑)、そこは違うと思います。むしろ監督の方がユーモラスなので、『レッドクリフ』シリーズの周瑜は、監督自身を反映させたキャラクターなのではないでしょうか? 僕が周瑜と似ているところを挙げるとするなら、友人に対する誠意の部分ですかね。あと、家庭を大切にするところも似ているかもしれません。

ジョン・ウー:周瑜とトニー・レオンの共通点は多いよ。二人とも冷静沈着で、プレッシャーにとても強い。どんな大きな危機にも冷静に対応できるというのは、リーダーに必要な資質。今の世の中は危機に瀕しているが、トニー・レオンや周瑜のように取り乱さずに、冷静に対応することが必要だと思うね。

Q:お二人は古い友人同士ですが、友情がテーマの本作を通じて、さらにきずなを深めたのではないですか?

ジョン・ウー:そうだね。トニー・レオンとはこれからもずっと一緒に映画を作っていきたいと思うよ。気心の知れた友人だし、言葉がなくても表情だけで気持ちが伝わるんだ。それに、トニー・レオンは自分に厳しくて、仕事も完ぺきなプロフェッショナル。作品ごとに新しい一面を見せてくれるから、この先も楽しみにしているよ。

トニー・レオン:監督は僕を褒め過ぎですよ(笑)。でも、僕も監督が大好きですし、とても尊敬しています。以前に2作の香港映画でご一緒しましたが、その後、監督がハリウッドに行かれてからは、なかなか機会がなかったんです。今回の作品でまたお仕事させてもらえて、すごく楽しかったです。撮影方法など、いろんなことを学べましたし、いい経験になりました。監督は責任感があって人柄も素晴らしい方です。これからもずっとご一緒できたらうれしいですね。

■苦労したのはアクションと食事?

Q:アクション・シーンの撮影は、かなり苦労されたのではないですか?

ジョン・ウー:撮影が始まった当初は、トニー・レオンの体調があまり良くなかったから、周瑜の騎馬戦のシーンはスタントマンを用意していたんだ。でも、トニー・レオンは「監督はきっと僕にやってほしいはず」と言って、すべて自分自身でやり遂げてくれてね。おかげで、リアルなアクション・シーンになったと思うよ。

トニー・レオン:アクションは本当に大変でしたね。騎馬戦のシーンは夏場に撮影したのですが、衣装は冬用で、鎧もカブトもすごく重いんですよ。とにかく暑くて苦労しました。

Q:ロケ地が田舎だったので、食事にも苦労されたそうですが?

ジョン・ウー:ロケ地が北京から車で3時間以上もかかる田舎で、食事はずっと味気ないケータリングだったんだ。撮影がとてもハードだったから、食事のたびに、これはウニ! こっちはトロ! これはハマチだ! とおいしいモノを想像しながら食べて、ストレスを発散していたよ(笑)。

Q:でも、トニー・レオンさんはロケ地にトロを調達していたとうかがいました。監督もごちそうになったのではないですか?

二人:そう(笑)!

ジョン・ウー:何回かごちそうになってね。トニー・レオンはわざわざ新鮮なトロを北京から取り寄せたんだ。あれはおいしかったよ。

Q:トニー・レオンさんはよっぽどトロがお好きなんですね(笑)。

トニー・レオン:大好きです! あんなにおいしいモノ、キライな人なんていないんじゃないですか(笑)? でも僕がトロをごちそうしたのは監督だけじゃないですよ。孔明役の金城武さんやキャストの方を招いて、何度か食事会を開いたんです。皆さんに喜んでもらいました(笑)。

■もしトニーがラブシーンを演出したら……?

Q:ジョン・ウー監督は、男性を撮るのは最高だけど、女性を撮るのはあまり得意ではないと言われています。トニーさんは本作のラブシーンをどうご覧になりましたか?

トニー・レオン:本当に素晴らしかったと思います。監督はこの作品で名誉挽回(ばんかい)でしょう(笑)。男性だけでなく、女性もしっかり撮れることを証明したのですからね。

Q:もしかして、トニー・レオンさんが監督にラブシーンのアドバイスをしたのでは?

トニー・レオン:監督にアドバイスだなんて、とんでもないですよ! 僕は監督の指示に従って演じただけです。ただリン・チーリンさんには、自信を持つようにアドバイスしました。彼女は映画初出演だったので、始めは緊張していたようですが、もともと聡明(そうめい)な人なので、すぐに現場の雰囲気になじんでいました。

ジョン・ウー:わたしは照れ屋だから、言葉で伝えるのが得意じゃなくって……。今回のラブシーンも、具体的に指示することはできなかったんだが、トニー・レオンはニュアンスを理解してくれて、リン・チーリンをしっかりとリードしてくれたよ。

トニー・レオン:もしも監督じゃなくて僕がラブシーンの演出をしたら、激しくてこの映画は検閲を通らないと思いますよ(笑)。『ラスト、コーション』のような問題作になったかもしれません!

■ユニークな大阪プレミアに大感激!

Q:本作の公開に先がけて行われた大阪でのプレミアは、矢の刺さった船で道頓堀川に登場するという、日本では珍しいくらいコンセプチュアルなイベントでしたね。

トニー・レオン:川をカーペットに見立てた“リバー・カーペット”という演出だったんですけど、日本であんなイベントに参加したのは初めてでした。すごくユニークで楽しかったです。

ジョン・ウー:わたしも感動したよ。イベント自体も発想が非常に面白く、映画のテーマとピッタリで。集まってくれた皆さんの応援には情熱を感じたし、大阪の人たちは明るくて温かい。大阪が環境保全に力を入れていることもわかって興味深かったね。それと親しみやすくて個性的な大阪市長も印象的だったよ。

Q:大阪の夜は楽しめましたか? トニー・レオンさんはお好み焼きを食べたいとおっしゃっていましたが……

トニー・レオン:実は、日本に来る前から胃腸の調子が悪かったんです。その日の晩に、お好み焼きを食べに行く予定だったんですが、次の日も仕事があったので、おとなしくホテルで食事を取って休みました(笑)。久しぶりの大阪だったので、お好み焼きを存分に味わいたかったんですけどね。

Q:では、最後にこれから映画を観る方へメッセージをお願いします。

トニー・レオン:ストーリーの展開がよりスピーディーになっていて、1作目以上にダイナミックなシーンが盛り込まれています。きっと、誰もが震撼(しんかん)させられるでしょう。登場人物たちの感情のぶつかり合いも激しくなっているので、とても見ごたえのある作品になっています。

ジョン・ウー:見どころは曹操軍と連合軍との頭脳戦だね。孔明が敵軍から矢を借りてくるところや、戦艦の火責めなど、三国志で有名なエピソードがたくさん盛り込まれているんだ。周瑜と妻との夫婦愛とか、人間ドラマもしっかり描いた。必ず何かを感じてもらえると思うよ。

終始ニコニコ笑顔のジョン・ウー監督と、何ともいえない優しいまなざしのトニー・レオン。二人とも、世界的な知名度を誇る映画人とは思えないほど、穏やかで自然体なオーラの持ち主だ。ジョーク交じりのフランクなやり取りは、まさに以心伝心といった感じで、お互いを心から敬い、信頼し合っていることが伝わってくる。そんな二人が情熱を注いだ『レッドクリフ Part II −未来への最終決戦−』は、まるで全編がクライマックスのような緊張感とカタルシスの連続。ぜひとも大スクリーンで、アドレナリン大放出の快感を味わってほしい。

『レッドクリフ Part II −未来への最終決戦−』はTOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開中

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