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第70回ベネチア国際映画祭で3作品が上映!君は国際派俳優・國村隼を知っているか?その2

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第70回ベネチア国際映画祭で3作品が上映!君は国際派俳優・國村隼を知っているか?

九死に一生!撮影秘話 『地獄でなぜ悪い』の世界は本当だった!?

國村隼
撮影秘話を明かした國村隼

『血と骨』(2004、崔洋一監督)

 僕、高所恐怖症なんです。特に、橋の欄干から下を見るというのがトラウマになっていて。でも、僕本人が(激しい借金の取り立ての末に川に身投げするシーンを)実際に演じてほしいと言われまして、それでクレーンでつるされて飛び降りたんです。だけど、カメラフレームから切れるちょっと前にブレーキをかけると、つられているのがバレてしまうと……。それでギリギリまで止めずにもう一回飛ぶ羽目になったのですが、飛び降りて足元を見たら水深20センチぐらいしかない川で、くるぶしが濡れていたんですよ。よう止めてくれたと思いましたね。でも出来上がった作品を観たらものすごく引いた映像で、おまけに実際に演じているように見えないし、僕じゃなくても良かったんじゃない(笑)。

■『ビリケン』(1996、阪本順治監督)

 これは僕じゃなくて、ビリケン役の杉本哲太君なんですが、通天閣のてっぺんに立たされたのね。命綱なしで。それをヘリコプターから空撮しているんだけど、突風なんて吹いたらエラいこっちゃですよ。監督さんには、それが撮影現場の緊張感につながるのではないか? という思いがあったんでしょうか。僕はできないです! 杉本哲太君はエライです。

■香港映画編

 爆風で吹き飛ばされるシーンを撮るとき、地上6メートルぐらいの高さまでワイヤーでつられたことがありました。吹き飛ばされて、振り子の原理で地上に戻ってきたところをアクション監督につかまえてもらうという手順だったんですけど、彼、僕をつかみ損ねたんです。僕は「また上がってもどうせ下りてくるんだから大丈夫やろ」くらいに思っていたら、次に地上に戻ってきたとき、その監督が必死の形相で僕をつかんできて……。なんと2本あったワイヤーが1本切れて、もう1本も切れそうになっていたそうです。あのとき落ちていたら、確実に大けがをしていたと思いますね。

監督が語る俳優・國村隼

園子温監督が語る!

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園子温
映画『地獄でなぜ悪い』を撮影中の園子温監督 (C)2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

 映画『地獄でなぜ悪い』の武藤組組長役には芸能界で一番怖そうな人を、という意味で國村さんにお願いしたんですけど、期待以上の存在感をもって芝居していただけて、すごく映画が引き締まったと思います。

 ただ、愛人役の妻(注:園監督の妻で女優の神楽坂恵)とのキスシーンがあるんですが、失敗したなと思っています。僕はキスシーンはきちんと演じてもらう主義なので撮影現場でも舌を絡ませてやってもらったんですが、最初から最後まで楽しい映画なのにあそこだけ不愉快(笑)。それはもう個人的な思いなんですけど。反省して、次回作ではこういうことがないように気を付けたいです。

阪本順治監督が語る!

阪本順治
佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、ヴィンセント・ギャロら出演の阪本順治監督最新作『人類資金』は10月19日全国公開

 國村さんと初めてご一緒したのは『王手』(1991)という将棋を題材にした作品です。役どころは大阪新世界の金貸しヤクザ。その当時、國村さんはラジオドラマが活動の中心というのを聞いて、「あの顔で、ラジオはもったいないやろ」と、失礼ながらそれで即座にオファーさせて頂きました。『ブラック・レイン』(1989)での國村さんも異彩を放っていましたが、私にとって國村さんといえば、『ガキ帝国』(1981)のアパッチ族です。この人に似た人は世界中どこを探しても、いない。そんな強烈な印象を受けた覚えがあります。もっと遡れば、私が助監督をしていた『二代目はクリスチャン』(1985)で、短い場面でしたが(すぐ殺される旅のヤクザ)、それが初顔合わせです。それから『顔』(2000)まで計五本出演して頂きました。國村さんの唯一無二は、そのお顔です。顔の上部と中部と下部がそれぞれ別人のように思うのです。侮辱と思わないで下さい。これは絶賛です。だから、ひとりの登場人物なのに、幾重にも人格が重なり合っているような、そんな不思議な感覚を覚えるのです。映画は異端が一番よく似合う。まさに國村さんは異端です。侮辱と思わないで下さい。絶賛です。

 と、書きながら、いつしかまたご一緒する時が来たら、そのお顔を封じてみたい欲望にかられます。たとえば、ずっと覆面してるとか、サングラスにマスクに帽子におでこに冷えピタ耳当てとか。侮辱と思わないで下さい。これは他作品に出ている國村さんを見て、ちくしょう、次オレがやるときは、です。あっ、ラジオドラマと変わらんか……。感謝!

國村隼
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