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一足早く豪華キャスト&スタッフを直撃!クリストファー・ノーラン監督最新作『インターステラー』リレーインタビュー

 クリストファー・ノーラン監督が『ダークナイト』シリーズ完結後、初めて手掛けたSF映画『インターステラー』が11月22日に公開される。シネマトゥデイでは一足早くマシュー・マコノヒーアン・ハサウェイジェシカ・チャステインという豪華キャストとノーラン監督の妻にしてプロデューサーのエマ・トーマスを直撃! ノーラン監督最新作の秘密を、リレーインタビュー形式で4回にわたってお届けします。(取材・文・構成:編集部・市川遥)

第3回 アン・ハサウェイ
アンがノーラン監督作に出演するのは、キャットウーマンを好演した『ダークナイト ライジング』(2012)に続いて2度目。世界的な飢饉(ききん)に陥った近未来を舞台にした本作で演じるのは生物学者で宇宙飛行士のアメリア・ブランドで、居住可能な新たな惑星を探すという壮大なミッションを遂行するため、元エンジニアのクーパー(マシュー)と共に宇宙に旅立つ。

アン・ハサウェイ
『インターステラー』で宇宙飛行士にふんするアン・ハサウェイ

Q:脚本を読んでどう思いましたか?

 最初に思ったことは、「もう一度読まないといけない」ということだったわ(笑)。チャレンジングな題材なの。わたしたちがすごくよく理解したからこそ、それを観客に伝えることができ、観客はそれをすぐに理解できる。でも、クリス(クリストファー・ノーラン監督)が話していることや、脚本が何を言おうとしているかを理解するのに何か月もかかったわ。とてもエモーショナルなの。泣いたわ。心に響くのよ。もし、この映画の最後に泣かなければ、お医者さんに行った方がいいと思うわ(笑)。どこか問題があるということだから。

 ワクワクさせてくれるような仕事をもらえるとき、とてもありがたいと思うの。本作にはとても謙虚な気持ちにさせられた。なぜクリスがこのキャラクターをわたしに演じてほしいと思ったのか、映画を観たらわかるわ。彼がわたしを信頼して、彼女を演じることを任せてくれたということや、わたしとまた仕事をしたいと思ってくれたことは、とても名誉なことだわ。だから、脚本を読んだとき、とってもいい気分だったのよ(笑)

Q:撮影までどのような準備をしたのですか?

 わたしは生物学者や宇宙飛行士の頭脳は持っていない。でも、映画の中でわたしのキャラクターが話しているコンセプトを理解できるように、できるだけ一生懸命やったわ。もちろん、宇宙飛行士が知っていることを全て学ぶことはできないけど、映画の中でわたしが話す科学に関することは、完全に理解したかったの。そうすることで、自信を持ってそのセリフを話せるし、自分自身のインチキさに気付かないようにしたかったの(笑)。そういうことがまずあった。それから、映画のエモーショナルな背景というのがとても重要なことだった。一体何を考えているのか? このシーンで、キャラクターに息をさせているのは何なのか? それを彼女以外の誰も知らないの。自分のキャラクターとそういう関係を築いていかないといけないのよ。わたしもキップ(宇宙論の研究者である物理学者のキップ・ソーン)と話したわ。キップと話して時を過ごしたんだけど、それは最もクールなことだったわ。彼の本の第3章まで読んだのよ。その後、諦めたけど(笑)。

Q:なぜわたしたちはいつも地球上の問題を解決しようとする代わりに宇宙に向かうのでしょうか? 

 この映画に関して言うと、もしわたしたちに選択肢がなければどうするの? という疑問を投げ掛けていると思う。なぜなら、今わたしたちには選択肢がある。今のわたしたちの行動や、わたしたちが決定することが、ここでの未来を持つ可能性になるの。でも、もしその可能性が取り去られたらどうなるのか? または、もしその可能性を捨ててしまったりしたらどうなるのか? ということが描かれていると思うわ。

インターステラー
ノーラン監督は本物のセットを使うことで有名だ

Q:ノーラン監督は本物のセットを使うことで有名です。宇宙飛行士を演じるのは肉体的にも大変だったのではないですか?

 氷は滑りやすく、宇宙服は重く、水で濡れたわ。寒いときはCGIの息が口から出てくるんじゃないの。本当に寒いのよ。あの日は、ハグしてほしいって頼まないといけなかったわ(笑)。

Q:IMAXカメラの前で演技するのは難しいですか?

 とても大きな音がするからね。でも、この映画ではやりやすかった。なぜならIMAXカメラの前で演技するシーンでは(宇宙飛行士の)ヘルメットをかぶっていたからよ。サウンドはヘルメットの中にあるの。だから、それほどADR(アフレコ)をやらなくてもいいのよ。『ダークナイト ライジング』ではアクションシーンでIMAXカメラを使っていたわ。実際、わたしはノイズが心地よいと感じたの。なぜなら、無音だったら、ネガティブな考えが頭に忍び込んできて自信喪失してしまったりする。でも、自分の横でカプチーノマシンみたいな音がしていたら、どんな考えを思い付くことも邪魔してくれるわ(笑)。だから、集中するのを手助けしてくれるのよ。

Q:ノーラン監督について教えてください。

 クリスに関して最も驚くべきことの一つは、わたしたちは皆、彼がどれほど優れたフィルムメーカーか知っているし、彼がどれほど知的な人かも知っているけど、彼はすごく大きなハートを持っていて、家族をすごく愛している、ということよ。エマ(プロデューサーでノーラン監督の妻のエマ・トーマス)が周りにいないとき、彼は家族のことばかり話しているのよ。それはとても素晴らしいわ。

Q:わたしたちはノーラン監督が『ダークナイト』シリーズでスーパーヒーロー映画を新たな次元に到達させるのを見ました。本作はSF映画を変えるでしょうか?

 人々は、たくさんスペシャルエフェクトを使ってビジュアルで観客を驚かせることは、ストーリーやエモーション、ヒューマニティーを犠牲にすると考えていると思うの。クリスはそれらを両立できることを証明したと思うわ。だから、彼はSF映画の達するべき水準を引き上げたと思う。

 それから、これはわたし個人が信じていることだけど、話させてもらうわ。映画につながりがあることじゃないの。現代世界には、シニシズム(冷笑主義)に向かいやすいという残念な傾向があると思うの。人々は今、ある疲れや自意識を持っている。そして、落胆することを恐れているわ。自分たち自身を解放することを恐れている。こういう映画は、あまりに巨大で、あまりに大きく夢を見て、すごく遠くに行こうとするから、シニシズムに対する素晴らしい解毒剤になり、人々がとてもエキサイトし、夢見ることができる素晴らしい理由になると思う。それは素晴らしいことだと思うわ。

インターステラー
マシュー・マコノヒーとの共演は素晴らしかったと明かしたアン

Q:今後演じてみたい役どころはどういうものですか? また、ぜひ一緒に仕事をしてみたい役者や監督はいますか?

 悪役を演じたいわ。モンスターをすごく演じたい。そして、生涯ずっと仕事を続けていきたいわ。時々、なぜだかわからないけど、得るものが大きくなると、仕事をすることが複雑になってくるように思う。わたしは仕事に対して「イエス」と言うことが複雑になるような立場に決してなりたくないわ。なぜって、わたしはこの仕事をするのが本当に大好きだからよ。

 そして、わたしが一緒に仕事をしたい役者は……そうね、マシューと仕事をするのは本当に素晴らしかったわ。彼はプロフェッショナルなレベルでも、個人的なレベルでも、これまで一緒に仕事をした人の中で最も大好きな人々の一人よ。彼は本当にすごいわ。すごくインスパイアされるし、とてもオリジナルな表現の仕方をするの。彼が話しているのを聞くのはとても楽しいわ。彼に質問をして、ただ座って彼が話すのを聞くの。素晴らしい日を過ごせるわ(笑)。今は、他に誰も思い付かないわ。

 あと監督ね。今、わたしの胸に響くのは、ポール・トーマス・アンダーソンウェス・アンダーソンスパイク・ジョーンズといった監督の映画よ。ああいった作品が大好きなの。とても小さな映画だけど、ユニバーサルで、とても独特で強いアートディレクションのセンスがある。それから……ここでやめておくわ。今のはちゃんとした答えよね(笑)。

Q:あなたに強い影響を与えたのはどんな映画ですか?

 子供のころ、映画を観に行くのが大好きだったの。わたしの住む街にはとてもいい映画館があって、よく友達と一緒にそこへ映画を観に行ったわ。15歳くらいのとき、友達と『JFK』を観ようとしたのを覚えている。わたしたちには難しすぎて歯が立たなかった。それで……当時は携帯電話はなかったからロビーに何度も行って、公衆電話でわたしたちが憧れていた男の子たちに電話したものよ(笑)。

 でも、大画面で観た映画ですごく驚いたのは『バットマン リターンズ』だった。ミシェル・ファイファーがキャットウーマンを演じた作品だと思う。あの映画にはすごく大きな衝撃を受けたの。そして『コンタクト』(笑)。映画館で観て、わたしの世界全体が大きくなったように感じたわ。その美しさに泣いてしまった。マシュー(・マコノヒー)がとてもハンサムだと思ったのよ。

 家ではみんなで『インディ・ジョーンズ』『スター・ウォーズ』といったファミリー映画を観たわ。あと、とても若かったころに『プリティ・ウーマン』を観ることを許されたのを覚えている。お気に入りの映画よ。15歳になるまで彼女が売春婦だったということを理解していなかった。8歳のときは全くわかっていなかったわ。わたしの両親は、わたしがヌードやセックスが出てくる映画を観ても怒ったりしなかったの。彼らは、たくさん悪い言葉が出てくる映画を観たら、腹を立てたし、わたしが暴力的な映画を観るのも好きじゃなかったけど。それで子供のころ『オール・ザット・ジャズ』(アメリカでR指定)を観ることを許されたの。あの映画は大好きだったわ。わたしが言おうとしているのは、若かったころ、とても幅広いジャンルの映画を観ることができたということよ。

Q:多くのファンが来日を待っています。次に日本にいらっしゃったら何をしたいですか?

 前回日本に行ったとき、わたしはひどい風邪をひいていたの。だから、ほとんど何もできなかった。だから次は、病気にならないことを願っているわ(笑)。日本に行ったら、お寺にぜひ行きたいわ。旅行するときはいつも、教会やお寺とか、礼拝するいろいろなところに行くのが好きなの。特にわたしが信心深いからというわけじゃなくて、そういうところのエネルギーが好きなの。静寂で。今もこの地球上に、神聖だと見なされている場所を見つけることができるということが好きなのよ。

 あと、以前日本に行ったときはビーガン(完全菜食主義者)だったけど、今はもうそうじゃないから、「すきやばし次郎」(銀座のすし店)にまた行って、実際に食べたいわ。なぜって前回……彼(小野二郎さん)はとても優しかったの。彼はわたしに「なぜあなたは魚を食べないんですか?」って聞き続けたわ。「説明するには複雑すぎるの」と答えたの。それで、彼はたくあんロールとか作ってくれた。でも次回は、あそこへ行ってちゃんと食べたいわ!

取材後記
取材部屋に入ると記者のために椅子を出してくれていたアン。「そんなことしなくていいのに」と言っても、「わたしにも腕が付いているのよ!」とちゃめっ気たっぷりにセッティングを完了してくれた。さらにはレコーダーを床の上に置いていると「ここに置いたら?」と自分の椅子の肘掛けにひゅっと移動してくれるなど、大スターなのに飾らない優しさとかわいらしさが印象的だった。

『インターステラー』リレーインタビュー バックナンバー
第1回:エマ・トーマス
第2回:ジェシカ・チャステイン

映画『インターステラー』は11月22日より全国公開
映画『インターステラー』公式サイト
(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.

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