シネマトゥデイ

今週のクローズアップ:映画に引っ張りだこ! 人工知能が変幻自在に大活躍

マーベルコミックスのヒーローが一堂に会する、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が7月4日より公開されます。今回の敵となる人工知能は、昨今多くの映画の中に登場していますが、作品によって、全く違う描かれ方をしています。映画にとって非常に魅力的な題材の人工知能が、変幻自在にどんな活躍を見せているか紹介します。(編集部:香取亜希)

とにかく恐ろしい「人類の脅威」として

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は7月4日より全国公開 (C) Marvel 2015

 人工知能とは人間の知的な思考をコンピューターが模倣したシステムのこと。アクション映画やSF映画で重宝される場合の人工知能は、往々にして人類の脅威として描かれることが多々あります。ジェームズ・キャメロン監督は映画『ターミネーター』で、人工知能を搭載した軍用コンピューターのネットワーク「スカイネット」が自我に目覚めたことで、人間対スカイネットの戦いが始まるという世界を描きました。 

写真は7月10日より全国公開される、映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』より。(C) 2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 ジョス・ウェドン監督による映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、ロバート・ダウニー・Jrふんするアイアンマンことトニー・スタークが、平和維持システムとして人工知能「ウルトロン」を作ります。しかし、学習能力が高過ぎるウルトロンは、人類を守るためには、そもそも進化しない人類自体が要らないという結論に達し、人類を滅亡させようと攻撃してきます。

どちらも、人間が人間のために良かれと思って作った人工知能搭載の兵器が、一つの目的を頑なに守るがゆえに、本来人間が意図していないにもかかわらず、人間を攻撃してくる様を描いています。自ら考え行動できるが、柔軟な思考を持っていないので、「人間を攻撃する」と決めたら、ただひたすらに挑んでくるのはコンピューターならではの恐ろしさ。そんな人類の脅威として描くのに、人工知能はぴったりの存在なのです。

生まれたての「純粋無垢な存在」として

©Warner Bros. Pictures/Photofest

 人工知能が映画で扱われ始めたのは1960年代頃からで、観客にとってもなじみが少なく、未知の新しいものという印象がありました。その生まれたてという点をうまく生かしたのが、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『A.I.』です。ハーレイ・ジョエル・オスメントふんする人工知能を搭載した子供型ロボットは、母親の愛を求めるようインプットされます。そして母親に破棄されても、ただひたすらに母親の愛情を求め、母親を捜す旅に出ます。その純粋な姿は、人間くさい怒りや汚れを感じさせません。 

映画『チャッピー』は全国公開中。 (C) Chappie - Photos By STEPHANIE BLOMKAMP

 映画『第9地区』ニール・ブロムカンプ監督は、映画『チャッピー』で人工知能を搭載したロボットが成長する姿を描きました。目覚めたばかりのチャッピーは、まさにこの世に生を受けたばかりの赤ちゃんそのもの。何も知らない状態から、驚くべき速度で学んでいきます。ギャングに育てられ、言葉遣いや行動が過激になるなど、環境と教育の重要性を感じさせつつ、こちらでも心の拠り所となるのは母親の存在です。

人工知能をピュアなものの象徴である子供の姿に投影させたことで、より共感を得ることに成功した2作品。さらに言えば、人工知能は人間のようで、人間ではない。だからこそ人間ではまねできない、子供をも上回るほどの純粋無垢(むく)な存在として、説得力があるのかもしれません。

あり? なし? 「恋愛対象」として

©Warner Bros./Photofest

 ロボットが知能を持つということは、コミュニケーションが取れるということです。そうなると、人工知能との恋愛も可能ではないかという発想が自然と生まれてきます。スパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』は、まさにプログラムが作り出した人格に恋した男性の物語です。目に見える物体はなく、音声のみのコミュニケーションですが、男性は恋愛感情を抱きます。一見すると疑似恋愛のようにも見えますが、愛とは何かを考えさせられる、普遍的なメッセージが込められた作品に仕上がっています。 実は彼、過去のインタビューでバイセクシャルであることをカミングアウトしており、「男性とセックスしたことがあるかって? もちろん、あるよ。若いときに、実験的にね。僕は役者なんだぜ。全てのことを経験しているのさ」と公言している。そんなさまざまな経験が演技に生かされているのかもしれない。

DVD『僕の彼女はサイボーグ』通常版は発売中 価格:4,104円(税込み)発売中 発売元:ギャガ ©2008 「僕の彼女はサイボーグ」フィルムパートナーズ

 クァク・ジェヨン監督の映画『僕の彼女はサイボーグ』では、主人公が未来から現れた女性型サイボーグに恋をします。綾瀬はるかがサイボーグにふんしたとあって、かなり魅力的な実体ではあるものの、感情を持たないため、恋愛関係は成立しません。果たして本当に知能のみで感情は存在しないのか……? という点も見どころです。

 人工知能そのものに性別は存在せず実体もないので、実際に恋愛対象としてありかなしかも問われるところですが、新たな登場人物の一人として十分に存在感を発揮しています。

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