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ウーマンラッシュアワーの映画たて・よこ・ななめ見!第37回:『アイアムアヒーロー』

アイアムアヒーロー
苦手ジャンルのホラー映画に顔がひきつる村本と、大興奮の中川

ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、ホラーが苦手な村本と大好物の中川が、花沢健吾の同名漫画を大泉洋有村架純長澤まさみ主演で実写映画化したパニック映画『アイアムアヒーロー』をななめ見しちゃいます!(取材・文:シネマトゥデイ編集部 石井百合子)

村本、「何の映画…!?」と動揺しまくり

アイアムアヒーロー
初めは『バクマン。』のような漫画家の熱血青春映画を予想していた村本だったが……

中川:何か叫んでなかった?

村本:だって、ホラーって知らんかってんもん! 原作のことも知らんで、最初、漫画家アシスタントが主人公やから『バクマン。』みたいな感動作と思ってて。漫画家が売れるようになるまでの成長を追うみたいな。

中川:(主人公の)英雄のゾキュン化した彼女がベッドからぐっと起き上がる瞬間に、「えっ? これ、何の映画」って(笑)。おもろかったわ~(ニヤニヤ)。

村本:最初に主人公が漫画家のアシスタントっていう振りがあったから、こいつが上り詰めていって、彼女に飯を食わせるようになってと……。やから「われわれにも下積み時代があり……」みたいなコメントまで考えとったわけ。なんやけど、英雄が鍵穴から彼女を覗いたときに「何か彼女の動きがヘンや……」と。そこからの展開は早かったわ。ひたすら英雄が銃をぶっ放して、真っ黒の血が飛び散りまくるっていう。ゾキュン同様、脳天をぶち抜かれたわ。衝撃的過ぎて。今まで極力ゾンビ映画は観んようにしてきたのに……。

中川:この映画の前に、藪(長澤まさみ)が主人公のdTVのオリジナルテレビドラマ(「アイアムアヒーロー はじまりの日」)を観たんやけど、それはドキュメンタリータッチの作風で、ここまで怖くはなかったかな。僕は(海外ドラマの)「ウォーキング・デッド」とかも観てるし、ゾンビものは見慣れてるんやけど、この映画はすごかったわ……。ワクワクしたで!

村本:鼻息すごかったな、おまえ。最初、寝とるんかと思って横みてみたら、思いっ切りニヤニヤしながら観とって……。ところでそもそも、なんでこんな世界になってん? 情報が一切出てきいへんから困惑するよな。

中川:ゾキュンはどうやって人間とゾキュンを区別しとるんか、とかな。僕は少し原作を読んだんやけど、原作にもそういう情報はないねんな。

アイアムアヒーロー
ゾキュンから命からがら逃れ、神社でつかの間の休息をとる英雄と比呂美

村本:有村架純ちゃん(演じる女子高生)も、自分の街があんなになって、友達が亡くなったら、普通やったら泣き叫びそうなものやけど、「これ、昔お母さんと聞いていた曲」って大泉洋さん(演じる英雄)に音楽聴かせたり、妙に落ち着いとるやん。何か『バイオハザード』とか、これまで知っているゾンビ映画とは違っとって、かまれてゾキュンになったときに、皆、自分が一番ひきずっている習性を繰り返すっていうね、そこが物悲しい。ゾキュンってどういう意味なん?

中川:漫画の中の2ちゃんねるのネットスラングから生まれた言葉やって。

村本:なるほどなあ。まさに2ちゃんねるとか、ネット社会に逃げ込むような人たちが主役ってことやな。まずは漫画家のアシスタントの上下関係の話から始まってるんやけど、日本のちっちゃいちっちゃいコミュニティーの中での話になってる。

これだけは言いたい!ななめ見ポイント

アイアムアヒーロー
いかにも生き残れなさそうな非リア充の中年男が主人公なのがポイント

中川:本来、この手の映画で一番最初に死ぬタイプが主人公ってところがよかったわ。

村本:ほんまに主人公が日本人っていうだけで、ここまで一つ一つの展開が違ってくるんやっていう。死にそうになっても銃を撃たない、撃てない英雄に駄目な人間の未来を見たね。銃の扱いにしても、危険な状況になっても人に渡したらあかんとかマニュアルに縛られてたり。仕事、勉強、ダイエットとか、やらなあかんことを「やる、明日やる、絶対できる」みたいなことを言い続けて、結局行動に起こさんっていう。やから、何かにつけて言い訳ばっかりして現実から逃げ続けて、SNSで日々ストレスを発散している人たちに観てほしい。それこそ、リアルにスケジュールが白くなっていってるおまえが観るべき作品やね。

中川:そうやな……。僕が英雄やったら、仕事全部なくなって、で、家族を失って。河川敷で1人で、何か落ちた葉っぱとかを食べてるときに、初めて「よし、頑張ろう」と思うんちゃうかな。

アイアムアヒーロー
生き残った人々は、誰もが隣にいそうな平凡なキャラクターばかり

村本:ゾキュンにならずに生き残ってる人たちって、ほんまにどうしようもないやつばかりやん。ゾンビの方がまだかわいく見えたもん。「ゾキュンの方が幸せかもしれないと思うことがある」とか言ってるやついたよな。この手のアメリカ映画みたいに「俺にまかせろ、大丈夫だ!」っていうような好感度の高いキャラクターは全然は出てきいへん。体も小さいし心も弱い。そういう人たち=ヒーローが立ち上がる話やな。

村本、「すべらない話」ですべった過去を振り返る

中川:何か上から目線やけど……自分にはそういうところないん?

村本:もちろんあるわ。こういう話をするってことは、多分、自分に対して言い聞かせている部分もあるわけで。例えば、半年以上前の「人志松本のすべらない話」に出してもらったんやけど、そこでめちゃくちゃすべって。それで、俺はあかんと。ちょっと自分のネタを一回清算するように頑張らなあかんなと思って、目標をつくったんやわ。それで自分の中では一番、面白いと思っている漫才コンビ、矢野・兵動の兵動大樹さんっていう芸人さんと「笹舟が軍艦を沈めるLIVE」(※4月16日開催)っていうライブを打ってんけど、直前になっても3か月前に準備していたときと、何ら変わらんくて。結局ライフルをぶっ放せずにここまで来てしまって、英雄と同じく、いつ立ち上がるんだっていう状況。ほんま、スイッチってどうやったら入るんやろかと思うけど、この映画を観てちょっと勇気づけられて、面白い話をぶっ放そう! っていう気になったけどね。

想像したくない「もしも」の世界をシミュレーション

アイアムアヒーロー
映画版の見せ場の一つでもある、頭が半分吹き飛んだ元陸上選手のゾキュン

中川:ゾキュンいうたら、あの高跳びする元陸上選手のやつ面白かったな。

村本:オリンピック会場やったら、どんだけすごいやつがいっぱい出てくるんやろか。短距離選手のウサイン・ボルトとかね。

中川:その高跳びゾキュンが人を襲ったときの、人間じゃない口の開き方がすごくて興奮したわ。

村本:めっちゃ怖かったわ、ほんまに……。

中川:けど海外の映画祭ではゾキュンが出てくるところは笑いが起きたんやって。あと、塚地武雅さん(演じる漫画家アシスタント)がゾキュン化した漫画家を撲殺するシーンで「銃があったら一発なのに」っていうところはどの国の映画祭でも大爆笑やったっていう。

村本:ゾンビ映画を見まくっとって、慣れてるからやろうな。こっちはホラーとして観とっても、向こうの人からすれば「何をマジに観とんねん」っていう感じなんかも。

中川:自分がゾキュンになったら、何を繰り返すんかな。

村本:(中川に対し)「よくも俺がつくったネタで稼いだ金で飯を食いやがって、おまえの子どもも嫁も、俺がつくったネタで稼いだ金で……」って。

中川:そしたらすぐ撃つけどね……。僕は執着することが全くないんやわ。やから、もしかまれたら、ただただ空をずっと見上げてるだけのゾキュンになるんちゃうかなと。それにしても、映画に出てくるゾキュン、パワーがすごいから、例えばコンビニに立てこもったとしても、窓ガラスとか割って入ってきそうやね。逃げ場なしっていう。

村本:俺やったら、ゾキュンのフリして仲間を撃ったりして逃げるね。

アイアムアヒーロー
独裁者のリーダーが支配するアウトレットモールでのヒエラルキーも見もの

中川:僕ね、順応力はハンパないからあの生き残ったアウトレットモールの人々の集団には溶け込めるんちゃうかと思う。で、サンゴ(岡田義徳)みたいに自分より弱いやつに強く出たりしそう。

村本:俺やったら、そもそもアウトレットモールには行かんわ! あんなところに行ったら上下関係が出来上がってるのはわかるやん。かわいい架純ちゃんと一緒にいたいけど、あそこにおったら架純ちゃんが別の誰かを好きになる可能性あるやろ。やから離れて2人っきりで過ごすわ。

アイアムアヒーロー
半ゾキュン化してから驚異的な身体能力が覚醒した比呂美

中川:でも架純ちゃんは半分ゾキュンやんか。

村本:でも強いから守ってくれるやん。

中川:架純ちゃんを守るわけちゃうんやね……。

村本:俺にしてみれば彼女はゾキュンじゃなく、ドキュンやね。胸を撃ち抜かれた。

今月の激オシ映画はコレ!

「ボーイズ・オン・ザ・ラン」などの花沢健吾の人気コミックを実写化したパニックホラー。突如として広まった原因不明の感染によって大パニックが引き起こされる状況で、決死のサバイバルに挑む者たちの姿を追う。メガホンを取るのは、『デスノート 2016』の公開が10月に控えるヒットメーカー、佐藤信介。韓国ロケを敢行したチェイス、銃撃戦、アクションシーンも見もの。

オフィシャルサイトはコチラ>

(C) 2016 映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C) 2009 花沢健吾/小学館

ウーマンラッシュアワー・プロフィール

2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。

村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。「AbemaNews」チャンネルのニュース番組「AbemaPrime」(毎週月~金曜日20:00~21:50生放送)にて月曜レギュラー出演。

村本大輔ツイッター

中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。

中川パラダイスツイッター

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