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ハマる人続出!話題のアニメ「パウ・パトロール」って?大ファンの声優・諏訪部順一が熱弁

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』

 いま世界で話題を集めるアニメ「パウ・パトロール」。幼児向けの作品でありながら、海外セレブやハリウッドスターをも虜にし、日本でも人気が急上昇中だ。8月20日公開の映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』はアメリカの大手レビューサイト(Rotten Tomatoes)で批評家満足度100%(16日現在)の評価を得ているほど。なぜ「パウパト」はこんなにも人気なのか。作品ファンのひとりであり、映画に声優として出演した諏訪部順一の言葉から、子どもたちはもちろん大人の心までガッチリと掴んでしまう「パウパト」の魅力を探る。(取材・文:編集部・小山美咲 写真:高野広美)

大人もハマる理由!「パウパト」は設定のこだわりがすごい

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』

 2019年にテレビ放送が開始された本作は、「パウ・パトロール」という可愛くて頼もしい子犬のヒーローチームが、あらゆるトラブルを解決していく物語。主に子どもに向けたアニメである本作に諏訪部が触れたのは、育児雑誌でエッセイの連載をはじめたことがきっかけだった。子どもたちの興味をリサーチする中で「パウパト」を知り、テレビシリーズをチェックしてみたところ、その面白さにドハマり。NetflixやU-NEXTなどの配信サービスで、作業をしながら流し見するつもりが、思わず手を止めて見入ってしまうほど。日本語吹替がついたエピソードは全話鑑賞済みだという。

 そこまで諏訪部が心を掴まれた理由を聞くと、「『パウパト』は設定がしっかりしているんですよね。ひとつの作品として、とても良く出来ているんです」とその魅力について語り始めた。

 「子犬たちとケント、メインキャラクターそれぞれの個性がしっかり立っていて、役割分担がきちんと出来ているんです。キャラ被りがないので活躍の場が全員にあるのがいいですね。彼らに舞い込んで来るトラブルには様々なものがありますが、基本的に優しい世界で繰り広げられる物語なので、常にラストは穏やかな気持ちになれて、みんなで笑っておしまい。老若男女を問わず楽しめる作品です」

 諏訪部といえば、さまざまなアニメに関わってきたこの道のプロフェッショナル。そんな諏訪部も絶賛する完成度の高さは作品の強みといえる。そして、可愛い子犬たちが活躍する姿に、「バカが付くほどの犬好き」という愛犬家の諏訪部はすっかり夢中になったそう。

 「パウ・パトロールの子犬たちは、普通に言葉を話して人間とコミュニケーションをとり、人間以上の活躍をして様々なトラブルを解決するのですが、甘えてくるしぐさなどはワンちゃんのそれで。とても愛らしく表現されているんですよ。よく見ると、シッポやおしりを絶えず可愛く振っていたり(笑)。わざわざ動かしてるんだ~と関心しました。制作者のこだわりを感じるポイントですね」

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』

 そんな子犬たちは任務の際、各自の専用ビークル(乗り物)に乗り込んで出動する。

 「この作品は登場するメカも良くできています。各キャラが背負う様々な特殊機能を有したバックパックは音声認識で動くという無理のない設定。ビークルはデザインやカラーリングが秀逸で、これまた搭載しているギミックも面白い。それぞれが持つ固有の機能は各キャラクターの個性にもリンクしていて、重要なアイテムとして物語中カッコよく活躍します。メカ好きとしてはたまらないですね。ケントのダッシュバギーなどは、そのままの実物があったらガチで欲しいくらいです」

 愛らしさたっぷりの子犬×メカというギャップや、子ども向け作品という枠に収まらないビークルのカッコよさも見応えがある。メカ好きに響くクオリティであると諏訪部は断言する。そして、諏訪部の言う通りキャラクター個々に活躍の場があるということは、パウパトの組織力の高さにも通じる。子犬たちをまとめる人間の男の子・ケントを筆頭に、子犬同士の仲間意識も含め、チームとしてのすばらしさが物語の随所で垣間見える。

 「子犬たちの間には、お互いを認め合う心が強くあります。たとえミスをしたとしても叱責するのではなく、良かったところを褒め、励ますのが流儀。特にケントの懐の深さがハンパないんです。承認欲求を満たしてくれる、理想の上司といった感じですね(笑)」

 一方で、大人にこそ刺さるツッコミどころも作品を楽しむ要素なのだとか。

 「どんなトラブルにも快く対応するパウ・パトロールですが、街のみんながあまりにも気軽に依頼をしてくるので、ちょっと気の毒に感じられる時があります。アンタ自分で何とかしろよ! と(笑)。しかし、そんないつもニコニコのケントがごく稀に塩対応のように見えるアクションをすることがあるんです。狙いなのか、そう見えるだけなのかは不明ですが。キッズたちが気づかないようなポイントを発見すると思わずニヤリとしてしまいます」

驚きのクオリティ!大人の共感を呼ぶ映画に

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』

 そんな「パウパト」の世界が、映画版ではさらにパワーアップした。大都市を舞台に、パウパトたちがこれまでにない大事件に立ち向かい、市民を守るために奮闘する。作品を鑑賞した諏訪部は「本当にS級の作品だと感じました。単なるテレビシリーズの尺を伸ばしたようなものではありません。ザ・ムービーの看板に偽りなし。想像以上のハイクオリティに驚きました!」と目を丸くする。

 「まずびっくりしたのは、子犬たちの姿。テレビシリーズだと体表はつるっとした感じなのですが、今作は毛の質感がしっかり表現されているんです。それだけでもかなりゴージャスに感じられますが、ビークルもデザインや変形ギミックなどが大幅にブラッシュアップされていて、大人目線からも見ても『カッコ良すぎだろ……』と思わず感嘆の声がもれるほどです。街の風景など、背景描写もしっかりと作り込まれています。お子さんより、むしろ大人の方が驚くのではないかと。ご鑑賞された後は、キッズ向けの枠に収まらない全年齢対象の一級品フルCG映画だと、誰かに話したくて仕方なくなるはずです」

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』

 さらに映画になって磨きがかかった映像表現とともにストーリーも大人の心にも響くものに仕上がっている。パウパトの中心的存在であり、チームを引っ張ってきた、ジャーマンシェパードのチェイスが心に隠していた傷に焦点を当て丁寧に描かれる。

 「心の底に抱えたトラウマをチェイスは克服できるのか? というのが、実は本作のストーリーの主軸にあります。いつもは先頭に立って周りを鼓舞する勇気の象徴のような彼が、心身をこわばらせてしまうような悲しい過去。チェイス再生の物語には胸を打つようなメッセージ性があり、きっと共感を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか? 涙を誘う感動がそこにありました。チェイス推しが増えそうですね(笑)」

声優として「パウパト」初参戦に感動!

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』

 「パウパト」愛にあふれる諏訪部が、声優として「パウパト」に初参戦した点も、映画の見どころのひとつ。「テニスの王子様」(跡部景吾役)や「呪術廻戦」(両面宿儺役)など、数々の人気アニメへの出演で知られる諏訪部の耳に出演オファーが飛び込んできた時、役やストーリーといった詳細がわからない段階だったが、「どんな役でも出ます!」と即決したという。

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』
諏訪部順一が声をあてたテレビレポーターのマーティ

 本作で諏訪部は街の様子を伝えるテレビレポーターのマーティ役を担っている。街で起こる事件に立ち向かっていくパウパトたちとも絡む場面があったのだが、諏訪部はアフレコを振り返り、「あのパウ・パトロールのメンバーと会話ができるなんて! と興奮しました」と破顔になる。さらには、この劇場版で巻き起こるトラブルの根源となるライバール市長とも“共演”を果たした。

 「『パウ・パトロール』の一番のヒールであるライバール市長と掛け合うシーンもあり感動しました。テレビシリーズでお馴染みの彼の悪行も、今作ではしっかりと大幅にスケールアップ。ヤバさが振り切れていますね。完全にヴィランになっちゃっています(笑)」

 本作のアフレコを通じて作品の世界に浸ることができ、大好きな「パウパト」らしさを満喫できたという諏訪部。「テレビシリーズを観てきた作品ファンのみなさんはもちろん、初見の方も十二分に楽しめる作品。大人ひとりででも劇場に足を運ぶ価値のある、エンターテインメント性の高い映画だと思います」と太鼓判を押した。

 「エンドロールがとってもオシャレです。最後の最後まで席を立たずにご鑑賞いただきたいですね。本当にクオリティが高いフルCG映画なので、キッズ向けでしょ? などと侮りませぬよう。齢50になろうという映画好きの男がここまで言うくらいですから間違いありません。どうぞよろしくお願いします!」

映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』は8月20日公開

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