【ネタバレ注意】ついに決戦！「ボバ・フェット」第7話レビュー・解説【今週のボバ・フェット】

　第7話が配信され、あっという間にシーズン1の完結を迎えた「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」。 最終話は、裏切りあり、集団戦あり、感動の再会あり、決闘までありと、イベントが山積みだ。文字通りの総力戦を、あのアイテムやあのクリーチャーが彩る。（文・平沢薫）

※この記事は「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」のネタバレを含みます。シリーズ全話を視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

　いよいよ迎えた最終話では、“大名”ボバ・フェットが率いる一団と、パイク・シンジケートが激突。中立の立場を守ると誓ったタトゥイーンの各派閥がボバを裏切り、パイク側は圧倒的な攻撃力を持つドロイドを投入。一方のボバ側は、パイクの雇ったキャド・ベインにコブ・ヴァンス保安官を撃たれたフリータウンの人々が援軍にやってくる……と事件が山盛りだ。監督は「マンダロリアン」でもエピソード監督を務め、本作は3度目の登板となるロバート・ロドリゲス。第1話、3話、そして今回と節目のエピソードを手掛けている。

　今回も全編にわたって見せ場がたっぷり。まず、第3話から登場した巨大クリーチャー・ランコアと、その背に乗るボバ・フェットの勇姿。幼いランコアが初登場した時から予測されたシーンだが、まず、壁にかけた指が見え、これは！　と思わせてから、見上げるほどの巨体が出現する演出もナイス。制御を失ったランコアが、街の人々の攻撃から逃れようと高い塔に登るシーンは、名作『キング・コング』のオマージュだろう。そのランコアがグローグーのフォースによって眠る描写に心が温まる。街を破壊する暴れっぷりだけではなく、クリーチャーの切なさも描くところがいい。

　グローグーとマンダロリアン／ディン・ジャリンの再会もビッグイベントの一つ。敵に追われながらの再会が、窮地の中に一瞬の感動をもたらす。ディンがグローグーに渡す銀色の球体は、ドラマ「マンダロリアン」内で、グローグーが宇宙船レイザー・クレストの操縦席で遊んでいたシフトノブ。「マンダロリアン」チャプター14でレイザー・クレストが破壊された際、ディンは破片の中からこの球体を拾っていた。あれからずっと肌身離さず持っていたとは。

　そして、もう一つのビッグイベントは、ボバ・フェットとベインの決闘だ。この場面の会話から、2人は以前にも決闘していたことが示される。この決闘は、アニメ「クローン・ウォーズ」で描かれる予定だったが、シリーズが打ち切りになったことで映像化されなかった。この場面でボバの決め手となる武器が、ブラスターではなく、タスケン・レイダーたちと作ったガダッフィ・スティックなのもいい。ボバが、過去の賞金稼ぎとは違うことが心に響く名シーンといえるだろう。

　ちなみに少年時代のボバは、直接的な接触こそ描かれなかったものの、ベインと同じ刑務所に入っていたことがある。「クローン・ウォーズ」シーズン4の第15話「オビ=ワン暗殺」で刑務所にいる彼らが描かれており、何かと縁のあった2人なのだ。

　もちろん、小ネタも豊富。R2-D2の操縦でグローグーがタトゥイーンに降りた船は、ルークのX-ウィング。フリータウンの人々が乗っていたスピーダーは『スター・ウォーズ／新たなる希望』でルークの家に駐車されていたV-35クーリエ。パイク・シンジケートが使うドロイドは『スター・ウォーズ　エピソード2／クローンの攻撃』の関連書籍「The Art of Star Wars Episode II: Attack of the Clones」のコンセプトアートに描かれていたスコーペネク・ドロイド。戦いの後、町の人からボバに贈られる果実は、アニメ「スター・ウォーズ　反乱者たち」シーズン1の第4話でキーアイテムとなる、メイルーラン・フルーツだ。

　またエンドクレジットに追加シーンが。このシーンでバクタ・タンクに入っているのは、第6話でベインに撃たれたコブ保安官。タンクのそばにいるのは、第4話で瀕死のフェネック・シャンドを改造した修理屋。となると、保安官が復活するのは間違いない。もしシーズン2があったとしたら、今度はどんな戦いが待っているのか。そしてボバ・フェットはどんな勇姿を見せてくれるのだろう。

「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」はディズニープラスにて独占配信中
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