【ネタバレあり】主人公不在？でも胸アツ展開！「ボバ・フェット」第5話レビュー【今週のボバ・フェット】

　「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」の第5話では、前エピソードのラストで登場が予告されていたキャラクターが大活躍。もはや、ボバ・フェットの物語じゃない……かと思いきや、全てのマンダロリアンにつながる壮大なストーリーが展開する。（文・平沢薫）

※この記事は「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」のネタバレを含みます。第5話視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

ダークセーバー＆マンダロアの歴史が紐解かれる

　『スター・ウォーズ』の壮大な歴史とのつながりを強く感じさせるエピソードとなった第5話。主人公のボバ・フェットは登場せず、ドラマ「マンダロリアン」の主人公ディン・ジャリンの物語が描かれるという異色の構成だ。エピソードタイトルの「マンダロリアンの帰還」（RETURN OF THE MANDALORIAN）からして、『スター・ウォーズ／ジェダイの帰還』を意識していないわけがない。

　「マンダロリアン」からは、持つ者が全てのマンダロリアンを率いるとされる古代の武器ダークセーバーと、マンダロリアンのアーマー職人・アーマラーも再登場。アニメ「スター・ウォーズ／クローン・ウォーズ」でも描かれた、ダークセーバーとマンダロア星にまつわる歴史が彼女の口から語られ、「ボバ・フェット」をマンダロリアンの歴史に結びつける。

　エピソード監督は「マンダロリアン」の「チャプター4：楽園」「チャプター11：後継者」を手掛けた女優のブライス・ダラス・ハワード。「後継者」は、一度はダークセーバーを継承した女性マンダロリアン、ボ＝カターン・クライズの登場回でもあり、ストーリーに接点がある。

　そして、アーマラーの語りの中で、これまで何度も言及されてきた、マンダロア包囲戦における滅亡の夜「千の涙の夜」が映像として登場。破壊し尽くされた焼け跡を、『スター・ウォーズ／帝国の逆襲』にも登場したインペリアル・プローブ・ドロイドが舞い、『ローグ・ワン／スター・ウォーズ・ストーリー』でK-2SOとして登場したKXシリーズ・セキュリティ・ドロイドが歩く情景は、禍々しいが、シリーズにおける歴史的事件を初めて目の当たりにする感動がある。

　そして、「マンダロリアン」シーズン2最終話のその後が判明。現在のディンは孤高の賞金稼ぎに戻っていること、彼に敗れた旧帝国軍指揮官モフ・ギデオンは新共和国で裁きを待っていること、そして、ギデオンから勝ち取ったダークセーバーはディンが持っていることがわかった。今後も、ダークセーバーをめぐる物語は続いていきそうだ。

　お約束の小ネタも続々。まずは、『スター・ウォーズ／新たなる希望』でルーク・スカイウォーカーが仕留めたと語って以来、シリーズで何度も言及されてきた小動物、ウォンプ・ラットが、女性エンジニア、ペリ・モットーの工房に姿を現す。ここでウォンプ・ラットに捕まっていたキュートな小型ドロイドは、ゲーム「STAR WARS ジェダイ：フォールン・オーダー」では主人公の相棒となったBDユニット。ディンとペリがレストアする宇宙船のベースになった機体は、『スター・ウォーズ　エピソード1／ファントム・メナス』から登場したナブー・スターファイターだ。

　また、ディンが完成した船をテスト飛行する渓谷に見覚えがあると思ったら、『ファントム・メナス』でアナキン・スカイウォーカーがポッドレースで飛行した場所。ペリ・モットーはここをベガーズ渓谷と呼ぶが、すでに『新たなる希望』で描かれた、ヤヴィンの戦いにおいて、デス・スターに挑むルークが「ベガーズ渓谷よりましさ」と語っていた。

　この船で宇宙に出たディンは、Xウイングに乗った新共和国のパイロットたちに尋問されるが、ここにも「マンダロリアン」とのリンクあり。2名のパイロットのうち、アジア系の人物は「マンダロリアン」に登場したカーソン・テヴァ隊長。そして、もう一人のやたら顔が映されるパイロットは、シーズン2の最終話に登場した、ルーク・スカイウォーカーのボディダブルを務めた英国俳優マックス・ロイド=ジョーンズだった。

　エピソードの最後、フェネック・シャンドからボバの戦力となるよう誘いを受けたディンは「先に、小さな友達に会いたい」と発言。すると次回は、ベイビーヨーダことグローグーの登場か。アーマラーにベスカーで作ってもらった、グローグーへの贈り物も気になる！

「ボバ・フェット／The Book of Boba Fett」はディズニープラスで独占配信中（毎週水曜更新）
（C）2022 Lucasfilm Ltd.