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有力者たちが児童に陰湿な性的虐待…パルム・ドール受賞ミヒャエル・ハネケ監督−ロンドン映画祭

有力者たちが児童に陰湿な性的虐待…パルム・ドール受賞ミヒャエル・ハネケ監督−ロンドン映画祭
ミヒャエル・ハネケ監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第53回ロンドン映画祭で、カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞した映画『ザ・ホワイト・リボン』(英題)のイギリス・プレミアが開催された。プレミアに先立ち行われた会見で、ファシズムの色濃い時代のドイツの村を描いた本作について、ミヒャエル・ハネケ監督が語った。

白黒映像の本作、有力者たちの家庭で女性や児童への陰湿な性的虐待が起こっている村が舞台になっている。村で起こったある事件の真相を調べようとする教師の目から、表面に現れた事件が語られながら、その実態が明るみに出ることはないまま終わるストーリーは、観る者の心に後々まで尾を引くダークな印象を残す。

村人の群像が描かれる本作は巨匠ハネケ監督にとってもチャレンジだったようだ。「当時の教育と村の暮らしのリサーチから始めたんだ。服装とかもね。撮影の半年前から、たくさんの子供をオーディションしたが、才能があると同時に、当時の子供のように見える子を選ばなくてはならなかった」と語る。時代背景については「ああいった理想主義が蔓延している状況は、それがいかなる主義や宗教であろうとたいして違いはない。それに、ファシズムを描くことはどちらにしろ不可能だと考える」とハネケ監督は、本作がファシズムを描いたものではないと話す。

もとの脚本では3時間半の映画になるはずだったものを、2日かけて1時間半分カットしたことも明かし、「プロデューサーにそのままでは売れないと言われたんだ。脚本をカットするのはつらかったが、我々にはどうすることもできないよ」と巨匠もプロデューサーにはかなわないようだ。本作は母国語のドイツ語、フランス語も流暢で『ピアニスト』などフランス映画も多数監督しているが、得意ではない英語の映画制作はあまり好まないと言うハネケ監督、自分はコントロール・フリークだと思うかという質問には「ああ、もちろんだとも」ときっぱり即答、場内から思わず笑いがあがった。

次作はイザベル・ユペールが娘役で登場する、老いた体の恥ずかしさを描くものになると言うが、「まずは(脚本を)書かなくては」だそう。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)


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