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ヴェネチアでオリゾンティ部門出品の和田淳監督のアニメーションが好感触!【第67回ヴェネチア国際映画祭】

ヴェネチアでオリゾンティ部門出品の和田淳監督のアニメーションが好感触!
和田淳監督

 第67回ヴェネチア国際映画祭の斬新な作品を集めた第2コンペ部門「オリゾンティ」で、アニメーション作家・和田淳監督の短編アニメ『春のしくみ』が上映された。母校・大阪教育大学で非常勤講師も務めている和田は、ハードスケジュールをぬって急きょ現地入りを決めたが、観客から笑いがたびたび起こる好反応に「(ヴェネチアに)来て良かった」とホッとした笑顔を見せていた。

 『春のしくみ』は、カメやカエルや人間たちが春の訪れを喜ぶ「うずうず感」(和田)をユーモラスかつ、シャープペンシルを使った手書きアニメで繊細に表現した4分20秒の作品だ。和田は「(映像制作のワークショップを行っている)イメージィーラムから出品をすすめられ、『せっかくだから』と申請してみたんです。それも、2008年に途中段階まで製作していた3分間バージョンだったので、まさか通るとは思わなかった」と振り返る。それから約2週間で、色や音の調整を行いつつ、慌てて仕上げて上映に漕ぎ着けたという。

 もっとも、「まさか通るとは」とは謙遜だ。和田監督は、大阪教育大教養学科美術コース卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の第1期生。同大学教授で、『頭山』が第75回米アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされたアニメーション作家・山村浩二に才能を認められ、在学中から独・オーバーハウゼン国際短篇映画祭や英国・ノーィッチ国際アニメーションフェスティバルなど国内外の映画祭に多数参加するなど、アートアニメーション界期待の星だ。共に鈴木卓爾監督『私は猫ストーカー』と『ゲゲゲの女房』(11月20日公開)の劇中アニメーションも手掛けている。今年10月20日~24日には、カナダ・オタワ国際アニメーション映画祭で、コンペ部門の審査員を務めるほか、特集上映が組まれることも決定した。

 しかし和田監督は「大学院を今春卒業し、本格的にアニメーション作家として活動しているのですが、それで生活していくのはなかなか(苦笑)。『ゲゲゲの女房』の水木しげるさんを見ていると共感します」と苦笑いする。そこで和田監督は、同じくアニメーション作家の大山慶らと、若手作家たちの作品を世に届けるべく独立レーベル「CALF(カーフ)」(http://calf.jp/jp/)をこのほど立ち上げ、インターネットを中心にDVD発売をスタートさせた。和田監督は「今回、僕がヴェネチアに参加することで、アートアニメーションに興味を持って頂ける人が増えたらうれしい」と語っている。 なお、オリゾンティ部門には、最優秀短篇作品に「オリゾンティ・プライズ」が設けられ、『春のしくみ』も賞の対象になっている。受賞結果は映画祭最終日の11日。(取材・文:中山治美)


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