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『南京!南京!』の日本上映が決定 日本側に偏り過ぎていると批判もある中で中国では大ヒット

『南京!南京!』の日本上映が決定 日本側に偏り過ぎていると批判もある中で中国では大ヒット
『南京!南京!』

 いまだ史実をめぐって日中間で論争の的となる南京大虐殺を描いた中国映画『南京!南京!』が、日本で初上映されることが決まった。南京・史実を守る映画祭実行委員会が主催するもので、8月21日に東京・なかのzero小ホールでの上映に加え、中国から陸川監督も来日してシンポジウムも開催される。

 同作品は、映画『ココシリ~マウンテン・パトロール』が2004年の東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した陸川監督が、日本側と中国側の両方の視点から、日中戦争初期の1937年に起こった惨劇をドキュメンタリータッチで再現した人間ドラマだ。製作期間は4年。『ココシリ~』に引き続き撮影を任されたカオ・ユーの、モノクロ映像の中で繰り広げられる臨場感あふれる戦争シーンと緻密な人間ドラマは作品としての評価も高く、2009年のスペイン・サンセバスチャン国際映画祭では最高賞のゴールデン・シェル賞と審査員賞(撮影監督カオ・ユーに対して)のW受賞を獲得。「日本側に偏り過ぎている」との批判から、陸川監督への脅迫騒動も起こった中国でも大ヒットを記録した。それらの評判が後押しして日本の配給会社も決定し、一度は公開に向けて動いていたこともあった。しかし、日本での上映に際してはクリアしなければならぬ問題が多々あり、配給会社との契約も破断になってしまったという。

 代わりに動いたのが、南京・史実を守る映画祭実行委員会のスタッフたちだ。実は同委員会は、日本ではなかなか見る機会のない南京大虐殺をテーマにした「南京・史実を守る映画祭」を2009年に東京で開催しており、その時、『南京!南京!』をラインナアップに加えようと奔走した経緯がある。まさに2年越しの交渉が実ったこととなる。

  陸川監督は現在、秦王朝末期を舞台にした歴史大作『The Last Supper』(中国題は『最後的晩餐』)の撮影中だが、そのハードスケジュールをぬって、今回の上映のためだけに来日する。『南京!南京!』には俳優中泉英雄ら日本人キャストのほか、脚本のリサーチ段階で元日本兵や歴史学者など日本人も多数協力していることから、陸川監督も日本上映にあたっては並々ならぬ想いがあるようだ。

 南京大虐殺は、中国の巨匠チャン・イーモウ監督が、英俳優クリスチャン・ベールを主演に迎えて『Nanjing Heroes(原題)』を製作しており、国際的な関心もさらに高まりつつある。日本では語ることすらタブー視されがちだが、真の日中関係を深めるためにも、今回の上映は大きな一歩となりそうだ。(取材・文:中山治美)


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